空海

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861820595

感想・レビュー・書評

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  • 前半は仏教の専門的な言葉などが出てきて、難しく感じました。唐に行ったところからグッと勢いがついた気がします。
    空海の人間的な、自分の思いのままに生きている様を見ているようでした。
    読んでいる間、仏教の修行というのは、何のためにするものなのか、自分の為だけのものではないのか、よく分からなくなりました。人々を救うために修行をし、年老いて死んでしまっては、何もならないのではないかと、疑問に思いました。
    その時代での、仏教の有り様が知りたいと思いました。

  • 空海の生涯を小説風にわかりやすく書かれています。奈良仏教、真言密教、山岳修行など、当時の日本の様子がよくわかり、大変勉強になりました。

  • 3.4。空海さん初心者向け。でないかな。小説だからたっぷり史実に無い空想含んでいるけど。話というより、思いがけず今まで自分が読んできた小説の登場人物や気になった事が次々出てくるのが驚き&楽しかった。阿弖流為とか母礼とか高岳親王とか丹生都比売とかヨガとか。まあ小説だから実際会ってはなくとも因果が分かるのも面白い。

  • ★2015年4月18日読了『空海』三田誠広著 評価B+
    三田氏の作品は太古の昔に読んだきりで、印象にない作家でした。よってあまり期待せずに読み始めましたが、空海自身がものすごい天才だった事もあり、面白い物語に仕上がってました。実際どこまでが本当かは分かりません。

    幼稚園の時から関西で父親のお寺回りに付き合っていた私としては、家が日蓮宗である事もあり、文中で語られる仏教用語にかなり親しんでいたということも、この本を読んでいて改めて気付かされました。(全然仏教用語を知らない人にとっては、かなりきつい所もあるかもしれません。)

    最澄 桓武天皇 坂上田村麻呂 和気清麻呂 橘逸勢など日本史上著名な人物が直接空海と言葉を交わしていたとは思えないのですが、その辺り上手く物語に織り込んでいますね。

    また、一修行僧に過ぎなかった空海がなぜ遣唐使の一団に加われたのか、なぜ唐の滞在が短期間であれ程の成果をあげ、遍照金剛阿闍梨を与えられたのか、当時の平城京遷都の背景と空海、最澄、天皇の関係 などただの聖人だけにはとどまらないスケールの大きな空海がダイナミックに描かれています。

  • ふと空海に興味が湧き読み始めた一冊。
    空海が自身をを振り返りながら波乱万丈な人生を弟子たちに語ると言う形式で、すんなり入り込むことが出来た。
    “天才”とうたわれている空海の超人的な人物としてエピソードの数々。どこまでが真実なのかわからないけれど、魅力的な人物で難しい部分もありながら最後まで面白く読めた。
    真言密教の宇宙観、などかなり入り込んだ仏教についても知ることが出来、小説以上の読み応えがあった。

  • 空海の一生とともに仏教についても教えてくれる.

  • 空海の生涯には謎が多くて、司馬遼太郎さんでさえ、空海の人物像に形を与えることを躊躇われたと思う。「空海の風景」には風景のみにこだわられた。

    でも、この長い日本の歴史の中でこんなにも
    愛され続けている人物もいないのも事実。
    しかも、高野山はディズニーランドにもまけない魅力をさらに増幅させているのだ。

    千葉の多国籍企業の齧歯目よりもミステリアスだし。

    後世にもおよぶプロデュース。。。

    宗教と生きる歓び、自然の中から学ぶ姿勢。

    三田誠広さんの空海は創作の世界に生きる人であることを忘れさせるほどに魅力的な人間として描かれている。魔法使いのような伝承を避けながら現実的なストーリーが歴史的な学びをも同時に深めてくれる。

    何よりも面白いのだった。

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著者プロフィール

(みた・まさひろ)小説家、武蔵野大学名誉教授。1948年生まれ。1977年、「僕って何」で芥川賞受賞。主な作品に、『いちご同盟』、『釈迦と維摩 小説維摩経』『桓武天皇 平安の覇王』、『空海』、『日蓮』、『[新釈]罪と罰 スヴィドリガイロフの死』、『[新釈]白痴 書かれざる物語』、『[新釈]悪霊 神の姿をした人』、『親鸞』、『尼将軍』、『天海』などがある。日本文藝家協会副理事長、日本文藝著作権センター事務局長も務める。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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