- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861821066
作品紹介・あらすじ
いかにして世界は、再編されているのか?21世紀世界を支配するに至った新自由主義の30年の政治経済的過程とその構造的メカニズムを世界的権威が初めて明らかにする。
感想・レビュー・書評
-
〈新自由主義の結果、貧富の差の拡大という弊害が現れた〉ではなく、〈金持ちたちが貧富の差を拡大するために新自由主義を断行した〉というストーリー。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出版社(作品社)のページ
https://sakuhinsha.com/politics/21066.html
「編集室から BOOK『新自由主義 その歴史的展開と現在』デヴィッド・ハーヴェイ著 渡辺治監訳」(「MARR」2007年8月号)
https://www.marr.jp/marr/marr200708/entry/1004 -
登録番号:142126、請求記号:332/H34
-
後半の比較は纏めずに各章都度載せた方が面白いと
-
1960年代後半からどの先進諸国においても急速に経済成長に陰りが見え始め、もはや隠せなくなった。その打開策として、改革が盛んに叫ばれ始める。資本家側は、言葉巧みに、改革こそ行き詰った社会における唯一の打開策であり、バラ色の未来を約束するものであると、言葉巧みに政府をそそのかして、手始めにイギリスそしてアメリカから攻勢をかけ始めた。そして、民衆を騙しその同意を得るために、新自由主義こそが成長をもたらし、トリクルダウンを通じて隅々まで国民を豊かにするのだと盛んに吹聴する。しかし、これは詐欺の言説に過ぎなかったことが今や明らかになっている。資本家階級は、広く国民が豊かになることなぞこれっぽっちも望んでいない。彼らの関心はひとえに階級権力の回復にのみ向けられている。戦後約20年間においてじわじわと削られてきた彼ら資本家階級の資本蓄積を取り戻そうと、終戦間際からすでに彼らの画策は秘密裏に始動されていた。現代の社会は、ひとえに、彼らの飽くなき強欲の権力奪回闘争の結果に他ならないのである。
-
<blockquote>新自由主義とは何よりも、強力な私的所有権、自由市場、時ひゅう貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とがm制約に発揮される事によって人類の富と権利が尤も増大すると、主張する政治経済的実践の理論。(P.10)</blockquote>
ハヴェーイは世界の新自由主義への流れの始まりを1978年に置いている。
<blockquote>未来の歴史家は、1978〜80年を、世界の社会経済氏における革命的な転換点とみなすかもしれない(P.9)</blockquote> -
【要約】
・
【ノート】
・正剛さんが鳩山首相に推薦
・果たして今の自分で読めるかどうか -
80年代に巨大都市が財政破綻して大企業に買収されたという話をこの本を読んで知った。ロボコップの世界観はこのことを踏まえていたのかと思った。新自由主義の元では政府が積極的に自由市場に介入することで、かえって自由が損なわれてしまう。
-
現今、日本や世界の問題を語るうえで「新自由主義」の概念を抜かすことはできない。そして新自由主義をめぐる議論で、頻繁に引用・参照されるのが本書である。あまり軽々しく使うべき言葉ではないが、この問題を論じるうえでの「必読書」だと言っていいだろう(原著は2005年刊)。
本書は見た目には結構ボリュームがありそうだが、ハーヴェイによる本文は全体の4分の3ぐらいで、300ページに満たない。残りは渡辺治による付録論文、訳者あとがき、用語解説、参考文献、索引である。特に渡辺による付録論文「日本の自由主義」が重要である。新自由主義の「地理的不均等発展」に着目するハーヴェイは、米英はもちろんチリや中国の事例の検討にも紙数を費やしているが、惜しいかな、日本への言及は限定的だ。渡辺論文はその点をしっかり補足してくれる。
本書は読み通すのに深い専門知識などは要さない。訳文は十分整っているし、訳注も豊富だ。広く読まれるべき一冊だと思う。 -
新自由主義とは
⇒強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する
と主張する政治経済的実践の理論である
・市場取引の範囲と頻度を最大化することで社会財は最大化されるという考え方
・グローバル市場においての決定の指針たるデータベース
→ITに対する興味関心増大