逆さの十字架

制作 : 八重樫克彦  八重樫由貴子 
  • 作品社
3.14
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本棚登録 : 20
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823329

作品紹介・あらすじ

アルゼンチン軍事独裁政権下で警察権力の暴虐と教会の硬直化を激しく批判して発禁処分、しかしスペインでラテンアメリカ出身作家として初めてプラネータ賞を受賞。欧州・南米を震撼させた、アルゼンチン現代文学の巨人マルコス・アギニスのデビュー作にして最大のベストセラー、待望の邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • エンカルナシオンの秘儀について私の理解が足りないことがよーくわかった。70年に出版。ぞっとする。アルゼンチンの歴史を少しでも知っていたらそんな時代にこんなもの書いていたら相当ヤバイことはすぐわかる。しかもコルドバ。うわあ~これってあの人?とか考えながら。マルケスのような愛とユーモアには欠けるが、大変面白く読んだ。いちいちトーレス神父の教会と現世の話について鳥肌を立てながら。日本の宗教者にも読んでほしい。信仰について考えるところはないだろうかと。

  • 読み切れなかった。世界観に入り込めませんでした。

  • 南米のある国を舞台とした小説。その国の社会と宗教、イデオロギーや運動、主義などのせめぎあいの結果何が起きたのかを書いた小説。
    主人公はキリスト教神父であり、それを中心に進んでいく。

    面白い本だと思います。小説の書き方が時系列順に並べていないので、
    その点が少しややこしい本ではあります。

  • 60年代後半、ラテンアメリカ(特に著者の祖国アルゼンチン)の独裁政権下の社会を舞台にした小説。

    権威と暴力を振りかざす軍隊、権力におもねる教会組織、上辺の言葉だけで行動と実感の伴わない共産主義者たち、革命の理想に酔いしれ現実が見えない学生たち、社会から見放された貧しい人々・・・

    民衆とともに歩くことを理想に、組織としての教会の理念を捨て、キリスト教一伝道者として目覚めた神父を主軸に、そんな混沌とした社会を、多大な批判を込めて描く。

    上に書いたような社会的な不公正を描き、人としてどうあるべきか、そんな著者のメッセージはかなり力強く表現されていて心を打つものがある。

    しかし残念なのは、登場人物の描き方が一面的すぎて人間味を感じさせない点。
    小説全体の構成を際立たせるために、各登場人物は各社会的立場を代表する典型的な側面しか持たない人物に描かれている。人間本来の多面性・複雑性が感じられないため、彼らの存在には現実感がない。

    その点、匂い立つほど個性あふれる登場人物がひしめき合い、それらが時代・社会の空気を濃密に描き出すリョサの小説群に比べると、個人的にはイマイチだと思う。少なくとも物語としては面白くないし、小説世界にも入っていきにくい。

    ただ、これが著者の処女作だというのだから凄いと思う。
    ぜひ他の邦訳作品も手に取って、その後の書き方の変化を見たいと感じさせる。

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マルコス・アギニスの作品

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