シーグと拳銃と黄金の謎 (金原瑞人選オールタイム・ベストYA)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823718

作品紹介・あらすじ

すべてはゴールドラッシュに沸くアラスカで始まった。酷寒の北極圏に暮らす一家を襲う恐怖と、それに立ち向かう少年の勇気を迫真の文体で描くYAサスペンス。カーネギー賞最終候補作・プリンツ賞オナーブック。

感想・レビュー・書評

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  • 少し読みにくかったのと、内容に入り込めなかったかな。金原瑞人さんの翻訳は好きなんだけど、こちらはあまりはまらず。

  • 極寒の環境や拳銃が身近にない私には、この壮絶な世界に実感はない。それでも、息を詰めて物語を追ってしまった。
    幼い時の記憶、父の死によって自分にのしかかる大人の世界、そして、決断に向けて、決断を通して、少年は一瞬にして成長する。
    銃という存在、それを持つことで生まれる心の変化、人の欲や執念の恐ろしさを見せつけられる重い内容だ。
    その一方で、謎を追う面白さや、少年の純粋な視点がエンターテイメントとしての物語を引っ張っていってくれる。

  • 銃と神さまのおはなし

  •  マーカス・セジウィックかあ。全然知らなかった。うーむ、また読みたいYA作家が増えてしまった。

     舞台は1910年、ギロンというスウェーデン北部の町。(ちなみに、ギロンとは雷鳥という意味らしい)もちろん寒い。凍った湖の上を犬ぞりで走っちゃえるくらい……でも、危険なのでそんなことはしないほうがいいようだ。主人公・シーグの父、エイナルは、犬ぞりで湖上を走っている際に氷が割れて湖に落ち、命を落とした。
     父の遺体をシーグが発見するところから、この物語がはじまる。いきなり息のつまるような展開。わたしは電車の中とか、近所の某熱烈中華食堂とか、そういった暖かい場所でこの本を読んだが、寒さがひしひしと伝わってくる描写に身も縮む思いだった。
     お父さんが死んでただでさえ大変なところに、荒くれ者のウルフが現れ、黄金の在り処はどこだ、とシーグを問い詰めるからさあ大変。この男、かつてアラスカで鉱石分析官を務めていた父と因縁があるらしいのだが、シーグは黄金の話なんて、聞いたこともない!
     と、シーグの脳裏に、父の遺したリボルバーのことがよぎる。父は銃を愛し、その使い方や仕組みを細かくシーグに教えていた。あれを使えば、この状況を打開できるかもしれない。しかしその一方で、死んだ母は聖書を愛し、敵をも許し愛しなさいと語っていた。息子は、どちらの教えに従うべきなのか――というようなお話。

     伏線が気持ちよく回収されていく面白さはもちろん、海外文学らしいちょっと持って回った言い回しが味わえて、面白かった。
     父の教えも母の教えも守ったシーグの語る言葉が、また誰かとともに生きていくのだろうかと想像してみると、人と人のつながりって奥深いなぁって思う。

     この物語には1899~1900年のアラスカも描かれているんだけど、アラスカがロシア帝国からアメリカに売られたのは1867年のことだそうで、いやあ、これホントアメリカはいい買い物だったなぁ。どうも資源が眠ってるっぽいし、アラスカがロシア領だったら、国防上怖くてしょうがなかっただろうな。

     あと、寒い寒い小説を読んだ後にやってきたチゲ味噌ラーメンは絶品でした。

    原題:REVOLVER

  • シーグってシーグフィールドの略だったんだ。
    リボルバーと黄金の謎がミステリータッチに語られていきます。極寒の地の寒さと、人間の欲、無法者の怖さに頁をめくる手に力が入ります。最後はマーラーの曲とともに…。

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著者プロフィール

1968年、イギリス生まれ。児童書編集等を経て、作家に。児童向けを中心に、多くのファンタジー小説を手がけ、数々の賞を受賞する人気作家。著作に『ソードハンド―闇の血族』(あかね書房)など。

「2016年 『くらやみの町と歌う剣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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