- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784861825347
感想・レビュー・書評
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アングラという言葉がアンダーグランドを示している事は当たり前の話ながら、この「アングラ」という言葉自体が既に一つの体系となっていて、所謂アンダーグラウンドとは違っているようであります。僕は60年代~70年代を通過していないので指を咥えて見ているしかない世代です。
昔から綿々と続いている芸能の世界は、興った時にはどれもヒップなカルチャーであったはずが、いつの間にやら継承していく文化となり己を投影する事よりもそれを残していく事に力を注いでいく。それはとても大事な事で知識や経験の継承無くして人類の発展はありません。
最終的には権威になびく大多数の人々に対して、一部のアンダーグラウンドな人々が起こした前衛的な表現。鬼子としての芸術がここに生まれました。
これを読んで考えた僕なりのアングラの定義はそこに「問い」があるのかという事ではないでしょうか。答えの返って来ない問いを、問い続ける覚悟が必要なのではないかと思いました。結果として商業的に成功していたとしても。
60年代終盤の世界的な反戦ムードの中で盛り上がった関西フォークのムーブメントは、70年安保の成立によって幕を下しますが、誰もがそこから去っていたわけではなく、まさにアンダーグラウンドでは精神的に我々に引き継がれています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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