ハンナ・アーレント「革命について」入門講義

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861826016

感想・レビュー・書評

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  • 「全体主義の起源」、「人間の条件」につぐ、アーレントの主著の一つ。

    哲学的な議論が中心の「人間の条件」に対して、フランス革命とアメリカ革命を比較しながら、具体的に議論が展開していく。

    通常、アーレントの議論は、あれはダメ、これはダメで、色々なものを批判するのだが、そのオルタナティブは示されることはないが、ここで、ぼんやりながら、理想みたいなものが示される本。

    という「革命について」への仲正さんの講義。

    「革命については」は、アーレントの中では、具体性がある程度あることで、比較的、読みやすい本なのだが、この本を読むと結構、読み飛ばしていたな〜、と思うところはたくさんあった。

    単純化すると、フランス革命は最悪で、失敗した革命。そのイデオローグといもいえるルソーも最悪。一方、アメリカ革命は素晴らしい!という感じですね。

    これと同じような論調は、実はドラッカーもやっていて、どちらかというと保守系の論者は似たような議論は多い。

    アーレント的な難解な言い回しはあるものの、「革命について」を最初に読んだときには、そういう議論と大まか同じようなものと読んでいたかな?

    この解説本を読んで、改めてポイントが明確になった感じかな?

    アーレントの議論の中で、なんだか理解しにくい、なんだか変なんじゃないかと思っているのは、公的領域と私的領域の切り分けのところなのだが、この「革命について」は、ある意味、「人間の条件」以上にその論点に集中した議論だったんだな〜。

    あと、ルソーも読まなきゃ。

    しばらく休んでいたアーレントとまた対話を始めようかな?

  • 仲正昌樹 ハンナアーレント 「革命について」の講義本。フランス革命とアメリカ革命の違いを 公的自由と公的幸福から考察しながら、革命の目的、成功の条件、憲法とは何か を整理

    テーマ
    *政治体制を崩壊させない→独立した法的権威
    *人民に政治的関心を失わせない→評議会制
    *ポリス(目的共同体)の「始めに犯罪ありき」に焦点

    フランス革命
    *目的は 貧困からの解放(社会問題)→政治の条件である自由の構築はない
    *群衆=有機体→群衆を動かしているのは 一般意志→意見の多様性を排除→徳のテロル

    アメリカ革命
    *目的は 統治形態に対する不満→自由の創設
    *アメリカ人にとって 公的自由と公的幸福が不可分
    *アメリカ革命は 公的幸福が追求

    革命
    *新しい歴史の始まり→周期性と不可抗力性を持つ
    *成功の条件=既存の権威の崩壊+取って代わる準備をしてきた党派の存在
    *革命の目的は 自由の創設

    憲法とは
    *自由のための公的空間を構成するもの
    *憲法を作成→国家体制と公的自由を一体のものとして構成

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著者プロフィール

1963年、広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。文学や政治、法、歴史などの領域で、アクチュアリティの高い言論活動を展開している。著書に『「不自由」論』『お金に「正しさ」はあるのか』(以上、ちくま新書)、『日本とドイツ 二つの全体主義』(光文社新書)、『集中講義!アメリカの現代思想』(NHKブックス)、『カール・シュミット入門講義』(作品社)、『精神論ぬきの保守主義』(新潮選書)、『今こそアーレントを読み直す』(以上、講談社現代新書)、『いまこそハイエクに学べ』(春秋社)などがある。

「2018年 『思想家ドラッカーを読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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