ほどける

制作 : 佐川 愛子 
  • 作品社
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本棚登録 : 19
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861826276

作品紹介・あらすじ

双子の姉を交通事故で喪った、十六歳の少女。自らの半身というべき存在をなくした彼女は、家族や友人らの助けを得て、悲しみのなかでアイデンティティを立て直し、新たな歩みを始める。全米が注目するハイチ系気鋭女性作家による、愛と抒情に満ちた物語。

「わたしは、本書の日本語版をみなさまに読んでいただけることをとても光栄に思っています。(…)この本が世に出てから一年あまりのあいだに、わたしは何百人もの読者に会いました。十二歳から九十二歳までの年齢層の人びとです。彼らはそれぞれに、この物語にどんなに心を打たれたかをわたしに伝えてくれました。(…)主人公はまだ少女といえる年齢で、その若さは物語のひとつの大事な側面ではありますが、彼女をめぐる物語の全体は、老若男女の別なく誰にも共感できるものと信じます。読者の方々はまた、この本が愛の――ロマンチックな愛と家族の間の愛の両方の――不思議とともに、生と死について語っていることを喜んでくれています。それに、ボワイエ家の人びととマイアミのハイチ人コミュニティの人びととのつながりや、ボワイエ家の人びとの目に映る生まれ故郷のハイチの姿も楽しんでくれています」――「日本の読者への手紙」より

感想・レビュー・書評

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  • エドウィージダンティカ「ほどける」読んだ。ジョディピコーみたいな感じかな、クレオールにも興味あるしと読んだらこれはジュブナイルだった、うう http://www.sakuhinsha.com/oversea/26276.html … 肉体の痛みの描写で描く喪失の話で、コバルト的なポジティブな再生で締めくくらないところがいい。原題はuntwine(おわり

  • 双子の姉が交通事故で突然いなくなる。自分もしばらくの間声も出ない。ゆっくりゆっくり快復していく主人公、辛い場面が多いけど、希望が持てる。YA小説でもある。

  • 人生でいちばん美しい年齢ともいえる16歳で自分に瓜二つの双子の姉を事故で喪う主人公。
    いなくなった姉と自分を重ねながら、これからの道を歩いていくために、ゆっくり、そっと、心の内で姉とつないでいた手を「ほどいて」ゆく。
    設定から『ラヴリーボーン』を思い出しもした。あちらはすでに亡い少女が、遺る家族の、とりわけ妹の、成長を見つめる。こちらは、死者と生者の境目が曖昧なときもあれど、より現実的な描写で自らの再生をつぶさに見つめる。
    ほかの家族たちもみんな愛情深く、しっかりと親戚も含め繋がっている描写がよい。このあたりの「血の濃さ」を訴えるのは、ハイチの作家ゆえか。
    号泣ということはないけれど、読むうちにいつの間にか目尻に涙がたまり、時々ぬぐいながら読み終えた。

  • 双子の姉を事故で亡くす、その喪失を受け入れるまで。生まれた時から何もかも共有しほぼ自分に等しいような存在に、ゆっくりとさよならを告げる。

    家族や親戚との関係の濃密さは、ハイチからアメリカに渡り住んだ故もあるかもしれない。
    友人たちとの軽快な感じにわずかに混ざり合う、疎外感。嫉妬とも言えない小さな嫉妬。自分が生き残ってしまったという罪悪感。
    震災やハリケーン被害の後を生きるハイチの人びととも重なってくる。

    ハイチの祖父母も、その家も庭もとても素敵で、素敵だったことは損なわれないんじゃないかな、とも思う。

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プロフィール

ハイチ系アメリカ人作家。1969年ハイチのポルトープランス生まれ。経済的理由で両親が先にニューヨークに移住し、12歳のときに渡米して両親と合流、以後ブルックリンのハイチ系コミュニティで育つ。修士論文をベースに書いた『息吹、まなざし、記憶』でデビュー。『クリック? クラック!』で全米図書賞最終候補、『骨狩りのとき』で全米図書賞、『愛する者たちへ、別れのとき』で全米書評家協会賞を受賞。2018年ノイシュタット国際文学賞受賞。デュバリエ独裁政権による民衆弾圧、隣国ドミニカによる虐殺などのハイチの暗い社会的記憶を、声高にではなく静謐で抒情的な筆致で描く作風が高く評価されている。

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