ヤングスキンズ

制作 : 田栗 美奈子  下林 悠治 
  • 作品社 (2017年8月31日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861826474

作品紹介・あらすじ

経済が崩壊し、人心が鬱屈したアイルランドの地方都市に暮らす無軌道な若者たちを、繊細かつ暴力的な筆致で描きだす、ニューウェイブ文学の傑作。世界が注目する新星のデビュー作!
ガーディアン・ファーストブック賞、ルーニー賞、フランク・オコナー国際短編賞受賞!

「ダグラス」と彼はまた呼んだ。「なあ、聞いてくれ。おれがガキのころ――」
 すぐそこに、泥に半分埋まった石があった。アームはなめらかでずっしりと重い卵形の石をつかみ、ファニガンのこめかみを狙って、血管が脈打つあたりに打ちつけた。石は鈍い音をたてて頭にめりこんだ。ファニガンはまばたきをして、草むらにぐにゃりと崩れおちた。
 アームはすかさずファニガンの体の下に腕を差しいれ、そのまま抱えあげた。ファニガンの体は温かく、少し痙攣しているようにも感じられた。アームが川に入り、どんどん深いほうへ進むうちに、ジーンズ越しに太ももの上まで冷たさが凍みてきた。胸を反らし、ファニガンを川の中ほどへ放りだした。ファニガンの体は水面に当たって水しぶきをあげ、たちまち流れに巻きこまれていった。(「安らかなれ、馬とともに」より)

ヤングスキンズの感想・レビュー・書評

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  • 叩きつけるような絶望と、うっすらとした絶望なら、後者のほうがいやかも……と思わせる一冊。
    ずっと続く偏頭痛のような、気の晴れない短編集。

    「安らかなれ、馬とともに」は、主人公の息子に対する愛が、深く一途であればあるほど悲しくなる一篇。
    暴力と血にまみれた主人公と、馬と息子の清廉なイメージの対比が鮮やかな佳作。

    「私の存在を忘れてください」が、タイトルとともに断トツに好き。
    特にバーテンダーの存在すべてが謎めいていて、彼の語る戦争のエピソードとともに、この一篇を不思議で印象深いものにしている。

    この若い才能の作品をまた読みたい。

  • 確か鴻巣友季子のオススメにあがっていたので気になっていた。

    そうそう、トレスポを連想しました。

    表紙でちょっと損をしているような? 
    いや、わるいって言うんじゃなくて、ちょっとイメージが違う気がします。
    何も知らずに書店で見かけたら私はきっと手に取らないだろうなあ。

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