- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861827020
作品紹介・あらすじ
21世紀の“帝国の興亡”と“グローバル・ガバナンス”
感想・レビュー・書評
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トッド氏が酷評するオランド、マクロン。彼らに影響を与えたとされる欧州の代表的知識人が歴史を踏まえ未来を予測(原書発刊は2011年)。新秩序の形成に必要なものは、その必要性に対する認識であり、その認識は様々な分野におけるカタストロフィを通じ、我々が相互に深くつながりあっていることを思い知らされることから始まるとする。
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本題は7章から。
そこまではヘブライ人による唯一神の発明から、2011.3.11の福島原発事故までの歴史の再構成。
国連があまり重視されない理由も納得。
P267のグローバルな感染症リスクは、コロナによって残念ながら当たってしまった。
保険と娯楽による人の支配、これもまたそうだろう。
保険に加入して将来の安心を買ったつもりになり、ガチャを回して気晴らしをし、国家や会社が自分達を守ってくれるものではなくなった不安から目を背けている。
人間の自由移動がパンデミックにより制限され、工場が止まり、空は青くなり水は澄んだ。
温室効果ガスの排出も少なくなった。
ソーシャルネットワークと超ノマドが大きく伸びている。
2017年に空白地帯と呼ばれていた部分が埋まりつつある中、今続きを書くならどのようになるだろうか。 -
ざっと
別メモ登録済み -
ジャック・アタリによる悲観的な予測論。
トランプ大統領の政策により、同盟国は軍事的にも経済的にも安全保障が揺らいできている。
2030年、経済・軍事面でのアメリカの優位は変わらない。それにEUと中国、インドが続くが、いずれも内部に問題を抱えており、世界を率いていくほどではない。
国家による統制が緩くなり市場がグローバル化していくと、無法的な企業活動が蔓延していく。
武器やダークマネーの取引などが行われ、よりグローバルな諸問題が発生進展していく。(グローバル・システミック・リスク)
→金融危機、人口激増による食糧難、地球規模での紛争、温暖化による干ばつや洪水
これへの対策は世界が一つに結束すること。 -
18.8.31 未来先見塾
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読みごたえはある本だが、少々誤りがあるように思う。基本的には悲観的な色調であるが、とりあえずの解決策も提示してはいる。結局のところ、人間は自分のことしか考えないということか。
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前半は、古代から現代まで、どのような国が世界を統べろうとしたのか、歴史から入る。この部分の情報量が多いのだが、著者の主張の前提となる知識になるだけなので、詳細な説明は省かれている。世界史の教科書を100ページくらいに圧縮したようなパートだった。後半は未来の世界秩序はどうなっているのか、シナリオを示すと共に、実現のための施策が示される。言うは易し行うは難しで、国連を越えるような民主的な世界秩序を構築するためには、お金がかかるだけではなく、人類の意識も変わらなければならないことが伝わってくる。民主主義のコストは高いね。
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30年後、世界を支配するのはどの国か? 日本はどうすべきか? 「ヨーロッパ最高の知性」と称されるジャック・アタリが、これまでの歴史から今後の世界情勢を見通し、“21世紀の新世界秩序”を考察した。
第1部 古代・中世の世界秩序―武力と宗教による統治
第1章 人類が初めて創り出した世界秩序――紀元前
第2章 宗教による世界秩序――1世紀~12世紀
第2部 資本主義による世界秩序の進展
第3章 商人による世界秩序――14~16世紀
第4章 大西洋に移行した世界秩序の中心――1600~1815年
第5章 グローバルな世界秩序の形成――1815~1914年
第3部 世界秩序の現在
第6章 パックス・アメリカーナの拡大と衰退――1914年~
第7章 世界秩序の現状
第4部 21世紀の新世界秩序はどうなるのか?
第8章 無政府化・カオス化する世界――迫るグローバル・システミック・リスク
第9章 新世界秩序の構想のために
第10章 新世界秩序への戦略