ももクロ活字録 ももいろクローバーZ公式記者追っかけレポート 2011~2013

著者 :
  • 白夜書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861919992

作品紹介・あらすじ

5人の成長を現場で追い続けた"元週プロ"記者、一筆入魂。"活字ももクロ"の決定版!

感想・レビュー・書評

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  • アイドルは育っていくのを見るのが楽しい。そう言われている。
    それはアイドルだけじゃなくて、人間の本能なんじゃないか。母性本能のような感覚。

    アイドル戦国時代といわれた2010年代。
    モーニング娘。やAKB48に続いて、ひとつの山の頂上に立ったももいろクローバーZ。

    彼女たちにZがついた2011年4月10日から日産スタジアムでの単独ライブを成功させた2013年8月までを、小島和宏さんが週刊プロレスの記事ばりに熱くレポートした記事集。
    脱退する早見あかり氏を未来に帰ってしまうドラえもんに例えたり、彼女たちの公演をプロレスに置き換えるその熱狂ぶりに、本当に好きなんだなと舌を巻く。

    ももいろクローバーはあっという間に大きな存在になった。
    路上での無銭ライブから始まり、一部の固定ファンのような方々しかいなかった、と昔を知るファンのブログなどに書かれている。(昔と言ったって5年くらい前のことだ)

    彼女たちは目の前の壁にいつも全力でぶつかる。その姿は応援せざるをえない。さすが女優事務所だけあってメンバーの顔は整っているし、トークも面白いし、ヒャダイン氏によるアイドルソングとは思えないようなハイクオリティの曲も手助けし、彼女たちは売れていく。

    ももいろクローバーのライブ会場はうなぎのぼりで大きくなっていく。
    2010年のクリスマスイブに1200人規模で初の単独イベントを行った2年半後、2013年8月には60000人規模のライブを行ってしまう。

    単独イベントだけでなく、アウェーと思われるロックフェスにも積極的に出演して、いくつもの伝説を作ってきた。
    彼女たちのファンはモノノフと呼ばれ、とても熱狂に彼女たちを応援する。社会現象と思われるほどの勢いで彼女たちの出演するイベントのチケットは売り切れる。モノノフと呼ばれる方々の勢いは本当にすごい。
    ロックフェスに彼女たちが出演するときに、別のバンドでもモノノフの方々は全力で観る。それは何故か。「ももクロファンはももクロ以外見てない無礼者、なんてことがももクロ本人の耳に入ったら彼女たちが悲しむから」だそうだ。
    単純に音楽好きなひとも多くいるからだとも思うけど、やっぱりすごい。意識が高い。

    売れれば、必ず批判もされる。
    彼女たちのライブの演出にはつきものの、いわゆる茶番の批判や、、
    公演中につけているイヤーモニターで、MC内容まで指示されているという批判や、
    先日は対談の記事を部分的に切り出され、「嫌日」や「好韓」と叩かれていた。

    イベント内容については演出担当の方がいつも叩かれて、彼女たちを守る壁になっているし、
    イヤーモニターや対談内容の政治的な批判についても事務所の対応は早かった。
    彼女たちの周りにいる大人たちも全力なのだ。


    何故いい大人がアイドルにハマるのか。
    何故少女たちの成長に感情移入してしまうのか。
    何故彼女たちから目が離せないのか。

    目標に向かって挑戦する姿と頑張っていた頃の自分をダブらせてしまうからなのかな。
    結局、みんなヒューマンドラマが好きなのだ。

    ふざけ合いながら成長して、笑顔の彼女たちが色んな壁に挑戦していくのを応援するのは本当に楽しい。
    紅白の向こう側も目が離せない。彼女たちが作っていく伝説を見逃すわけにはいかない。

  • ももいろクローバーZさんの2013年8月日産スタジアムライブまでの軌跡を振り返ることが出来ます。一人の観客の視点で、今振り返ったものではなく、ライブ終了直後に記録されたその時々の文章が集められています。勉強にはならないかも知れませんが、同じ気持ちを共有する人間が読めば、自分の気持ちを活字にしてもらっているようでとても心地よい本でした。

  • 自分が参戦したものはやっぱプロが言葉にしてくれるといい感じで振り返ることができる(補正込み)。あと、横アリ前/横アリ後というのは大きいと思うなあと改めて思う。
    清野さんのインタビューが一番面白かった。彼なりの仕事の流儀というものがあるのですね。職人の仕事。

  • ももクロの存在を知ったのは2010年の「MUSIC JAPN」たまたま観ただけで、さして興味があった訳でもなかった。その後「しゃべくり007」やその他の番組で目にすること事は何度かあったが、元々アイドルも含めた日本の歌謡曲に全く興味が無かったので「アイドルもここまではやらなきゃ売れないのか〜」程度の感想しか持っていなかった。
    それが2012年末ごろにGyaoで配信されていた「ももクロ夏のバカ騒ぎ Summer Dive 2012 西武ドーム大会」と「ももクロ春の一大事 2012 横浜アリーナまさかの2DAYS」を観て、ドはまりする事になろうとは…

    そんな私の状況と被る様にももクロにハマって行く様がありありと感じられる良著。

    この本を読むことで、それまで知ることも無かった彼女達の成長過程や様々な出来事を知り、自身の彼女たちへの想いの理由の一端を知ることが出来た。活字録というより「ももクロ伝」としても良かったのではと思うほど面白く、一気に読み上げてしまった。

  • 2012年の紅白出場決定のあたりからようやくももクロの存在を認識、すでに大きなステージをいくつも満席にしてきて彼女達の軌跡を綴った本。
    モノノフ初心者には入門書として、上級者には熱かった日々を思い出す教材として最適。

    でも、後ろや下を見てちゃいけない。前を向いて走り続けるんだ!

    あー、2011年〜2012年を一緒に走り抜けたかったなぁ。



    目指すは国立競技場。だが、東京オリンピック2020が決まり競技場の使用はますます困難に。
    もしも、もしもだ、7年間の間にももクロが日本を代表するアーティストになって、オリンピックの開会式なんか出た日には…、kwkmマネージャー、貴方は未来を知っていてのですか?

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著者プロフィール

1968年10月、茨城県生まれ。1989年、大学在学中に『週刊プロレス』の記者としてデビュー。同年に旗揚げしたFMWは旗揚げ戦から取材にあたり、翌年以降「大仁田番」として大仁田厚の引退興行まで密着取材を続ける。現在はアイドルの取材をメインに活動。ももいろクローバーZの公式記者として10冊以上の著書を出版し、HKT48の歴史を編むために東京と博多を往復する日々を送る。プロレス関連の主な著作に『ぼくの週プロ青春記』(朝日新聞出版)、『ももクロ×プロレス』『アイドル×プロレス』(ワニブックス)、『ゴールデン☆スター 飯伏幸太~最強編~』(小学館集英社プロダクション)、『誰も知らなかった猪木と武藤闘魂Vスペシャル伝説』(メディアックス)、『憧夢超女大戦 25年目の真実』(彩図社)、『W★ING流れ星伝説 星屑たちのプロレス純情青春録』(双葉社)など。

「2022年 『FMWをつくった男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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