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- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861930232
感想・レビュー・書評
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絵本の翻訳も随分手がけている角田さんだが、その作品の中でも、個人的には一番角田さんぽい作品だと思っている。何しろ、舞台はインドだし。夢の中で、インドを旅する青ネズミちゃんの話だし。角田さんの翻訳目的で読んだのだけど、キルト絵の美しさには心を奪われた。インドの布も効果的に使われ、きらびやかで、何度見ても飽きない。
飛行機に乗り、インド?と思わしき土地に着く青ネズミちゃんだが、自分がどこにいて、どうしたらいいのかわからない。その心細さが手に取るようにわかる。誰でも似たような思いはしたことがあるのでは?例えば、旅先で。引っ越したばかりの土地で。その土地の日常に突然放り込まれた不安感。だけど自分にとっては非日常で…。青ネズミちゃんが飛行場で出会ったひげの紳士の言葉が、印象的だ。
「どこにいるかなんてかんけいないさ、もんだいは、どこにいくかなんだから」
そして、最後に角田さんによるあとがきを読み、なんだか青ネズミちゃんが角田さんみたいだなぁとちょっと思った。シンプルな話なんだけど、奥深い…角田さんファンなら読んでみて欲しいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示