蝉声 (塔21世紀叢書)

著者 :
  • 青磁社
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本棚登録 : 55
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861981777

感想・レビュー・書評

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  • 手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が

  • 私の好きな歌人のひとり、河野裕子さんの遺歌集。
    やはり歌のほぼすべてが死を意識したものになっている。

    死を意識した人はずっとこういうことを考えているのかと思うととても寂しくなる。
    死を見つめながらも素直にその感情を綴った歌集は、最期まで少しでも多くの言葉を残そうとする河野さんの生き方を表していると思う。
    とても良い本だけど、少し余裕のあるときに読まないと辛いかもしれない。

  • 病に伏せ亡くなられた河野さんの遺稿をご家族が歌集として編まれた、最終歌集。
    見たもの、感じたものをまっすぐに表現する方だったがゆえに、闘病の過程から死に至るその日までの一日、一刻が克明に伝わってくる凄絶さに、喉が詰まる。
    ときおり歌に現れる、お孫さんや、お嬢さんの結婚に際し、注げる愛情を歌ったそのうつくしさも眩しい。
    「わたくしはわたくしの歌のために生きたかり作れる筈の歌が疼きて呻く」
    河野裕子というひとは、病めるときも歌人としてあろうとしたのではなく、生きるということは歌うことだったのだと、思った。
    鬼気迫るその姿はでも真摯で、とても人間らしい。かくありたい。
    [liblar転記]いただきもの。

  • 歌人、河野裕子氏の遺作集。がんに冒され、既に自分の死期を知りながら生きていくという肉体的にも精神的にも厳しい辛い状態の中、最期まで歌を詠み続けた人。今まで、いろいろな形で死期迫った人々の物語、小説、ドキュメントなどに触れてきたが、これほどリアルで辛く心に沁み入ってきた作品は初めてだ。短い三十一文字に込められた生、家族、自分の状態等心に響く。歌の力というものは大きいのかと驚かされる。私と10ほどしか年齢も違わず、発病したのは6年ほど前、人の命の儚さと強さを同時に感じる。体は自分の思い通りに動かせず、呼吸さえ自分でままならなくなっても、意識だけははっきりしている。これほどつらいことはあろうか。妻として母として家族に対する愛情を溢れさせながら、家族を残していく辛さ。また家族全員がとても優しいということも感じられる歌集だ。

  • 「短歌を詠む」ことがそのまま、「生きる」ことだったんだな、と。
    ことばのちからを、信じさせてくれる。

  • 先月でた著者の遺作歌集。まさに死の直前まで、歌とともに生きた​ことがよくわかる。7/10の朝日新聞読書欄で週間ベストセラー​(八重洲書店)にも入っていて、驚きました。

  • 昨年八月十二日になくなった、歌人の河野裕子さんの遺歌集。


    頁を繰る毎に彼女に死が迫る様を見ているかのように泣く

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