- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861991813
感想・レビュー・書評
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『博士ちゃん』という番組で取り上げられた軍艦島の特集を偶然視聴し、圧巻のあまり終始口を開けて見入ってしまい、さらに芦田愛菜ちゃんの秀逸すぎるコメント力にも圧倒され、気づいたらこの本に辿り着いていた。
ここまで深く、貴重な画や情報を見聞きしたことが無く、圧倒されると同時に、
いまもなお崩れ続ける世界遺産をこれまでにないほど近くに感じ、見られなくなる前に、とにかく自分の目で観に行かなくては、という気持ちに。
ここに映し出されたビジュアルは、全く同じものはもう見られない。
(現在老朽化により、入島できるエリアはわずか2%らしい)
そこに生活し命を燃やした人たちの息づかいが今も残っていて、それもまた虚無感やら少し恐ろしさも感じる。
人の手を使って維持をし続けるのもロマンだし、
このまま朽ち果てていく様子を見守るというのもロマンだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
丸ごと1冊軍艦島の写真。大正時代、昭和時代(戦前、戦後、高度成長期)と分け住宅棟を紹介。最初はグラバーハウス。下請け業者の飯場としてロの字型の1916年(大正5)に4階建て、のちに7階建てに増築。建物は日給社員、鉱員社宅、独身寮、女子独身寮、職員社宅、公務員社宅、などと職制によって分かれていたのが分かった。島の高い所は偉い人用の住宅。
軍関島名所散策では、船着き場、汚水浄化槽、などを写す。鉱業所アーカイブズでは竪坑、選炭施設、貯炭場、換気施設など。またアンダーグラウンドとして、住宅棟の地下の浴場、生協購買部の写真。・・驚くべき居住空間としての軍艦島。汚水は明治大正までは汲み取り式で、毎日対岸の野母半島から農家が船で汲み取りに来ていたとある。江戸でも練馬あたりの農家が肥を買いに来ていたなどということをちょっと思い浮かべてしまった。
・・しかし写真はほとんど現在の朽ち果てたもの。わずかに当時の生活している写真もあるが、まあ、なんという島だったんだろう・・ 生産、生活、の記憶の残滓。
表紙は中ノ島からの眺望。左側が端島小中学校、でいいのかな。1893(明治26)三菱社の私立小学校として発足。現在の建物は昭和33年建設でちょうど島内の人口が5000人を超えた年。隣は65号棟・鉱員社宅「報国寮」、島内最大の建物。1945に建設が始まる。
2008.12.12第1刷 2009.6.12第3刷 図書館 -
この島の存在を知ったキッカケは忘れてしまったのですがAmazonさんでこの本を発見して図書館で借りて読んだときのワクワクは相当なものでした。
今から37年前に閉山、と年数的には比較的最近なハズなのに『廃墟』ではなく『遺跡』といった方がいいんじゃないかと思えてしまう不思議な存在、軍艦島(端島)。
その賑やかな情景を思い浮かべながら読み進めると改めて大正・昭和の貴重なニッポンの足跡が残っている事への驚きと感動が湧き上がります。
内容はアパートや施設の写真の他詳しい解説や地図も載っていたので何も知らない自分にとっては至れり尽くせりな一冊でした。
いつか絶対買いたい本の1つです。 -
いまや“廃墟”のシンボルともなった軍艦島の写真集。
住宅棟・鉱業所棟・地下などの豊富なカラー写真を網羅している。
それぞれの写真が、島のどのあたりのものなのかという地図が写真ごとにつけられているので、島の全容をつかみやすいし、島を散策している気分も味わえる。
明るく静謐な廃墟の写真は、そこにかつての人々の生活をなまなましく想像できるからこそ、時の流れから取り残されたような神秘的な美しさに満ちている。
懐かしいようでいて、人を寄せ付けない時の壁――。これがあるから、人々は廃墟にここまで魅かれるのだろう。 -
ずいぶん前にこのオープロジェクトのサイト「軍艦島オデッセイ」(※)を知り、やたら感動したのを思い出します。
わたしは今でもときどき覗きます。何なんでしょうね?この胸キュン♪は?
過去のものなのに、なぜか未来的というかSFな感じを受けるからでしょうか?
たまらなくハートをワシ掴みにされます。
この春からまた入れるようなニュースがちょっと話題になってましたよねぇ~。
行きたいなぁ~。
※)「軍艦島オデッセイ」:http://www.gunkanjima-odyssey.com/ -
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