バンドライフ: バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
- メディアックス (2008年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862016140
感想・レビュー・書評
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13年前(2008年)に出た本だが、つい最近、著者のツイートで知って読んでみた。
プリンセス・プリンセスの中山加奈子、レッド・ウォーリアーズのダイヤモンド・ユカイ、爆風スランプのサンプラザ中野くんなどのメジャーどころから、アナーキーの仲野茂、アンジーの水戸華之介、レピッシュのマグミなどの中堅どころまで、計20人のバンドマンたちへのインタビュー集である。
1980~90年代の、いわゆる「バンド・ブーム」を担った人たちが中心の人選となっている。
『バンドライフ』というタイトルが示すように、各バンドの音楽性などより、バンドマンとしての人生・生活に焦点が絞られている。
「バンドによって人生が翻弄されていく過程を検証する」(「あとがきに代えての取材後記インタビュー」)がテーマになったインタビュー集なのだ。
とくに、ロック誌などでは明かされない領域――バンドマンの収入についての赤裸々な告白の数々が面白い。
「ハルメンズで手にした印税収入って、1年で10万いかなかったから」(サエキけんぞう)とか、爆風スランプが「武道館のライブ終わった後も、家賃1万5千円の6畳一間に帰った」とか、メジャーどころでさえ〝バンドでは食えない〟現実は衝撃的。
バンドは基本的にあまり儲からないうえに、事務所等が搾取する構造があるのだ。
《バンドマンって売れてる時から報われていない。ホントに取材相手で「初めて取材でギャラもらった」って言ってる人が、これだけ多いインタビュー集ってないですよ》(「取材後記インタビュー」)
他に類を見ない角度のインタビュー集であるうえ、世代的に私が10~20代のころに聴いていたバンドが多く、面白く読めた。
吉田豪ならではの綿密無比な取材準備は、本書でも健在。
「なんでも知ってるじゃないですか、俺が忘れちゃってることも(笑)」(仲野茂)といった発言を、ほぼすべてのインタビュイーから引き出している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
BAND LIFE―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
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知らないバンドの人も多いが、注釈も多く、面白かった。
バンドマンって、もっとおいしいのかと思っていた。
こんなに大変だったなんて。
吉田さんのバンドマンに対するリスペクトがあふれてていい。 -
なんでこんなにもバンドマンはもうからないのか。あこぎなビジネスモデルに翻弄されて、大人に搾取されているバンドマン達。それに対する吉田豪の義憤と、バンド愛に感謝。
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プロインタビュアーの吉田豪が往年のバンドブームの登場人物に丹念にインタビューした一冊。
多かれ少なかれ、バンドブームの影響を受けつつも、それに見合う充分な報酬を受けてなく、またバンドブームの終焉と共に一様に苦しい思いをした彼らの風雪の歴史を感じた。 -
皆さんのエピソードがどれも濃い!ロック黎明期はこんなにもアツかった!
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オーケン、マグミ、KENZI、水戸さん、ダイナマイト・トミー・・・
懐かしさにむせび泣きながら読みました。
オーケンは私の中では現在進行形なんだけど。
気持ちだけ10代にタイムトリップしたようでした。
でも、もっともっといるよね〜。
表舞台から消えてしまったバンドマンたちも拾って欲しかったな。 -
90年代バンドブームに活躍したバンドマン20人をインタビューした本です。いやーバンドマンて大変なんだなって改めて実感しました…。自分もバンドやっているので、インタビューの一言一言が、ずっしりと心に響きました…。インタビューしているバンドマンの方もそうそうたる顔触れで、見ていて興奮しました!大変な半面、やっぱりバンドってかっこいいなーと思いました。この時代の音楽が好きな方にはおススメの一冊です!