1888年4月、マリーとルドルフは劇場で偶然に出会い、激しい恋に落ちた。ラリッシュ夫人の協力もあって、二人は逢瀬を重ねる。しかし、周囲の圧力から二人は別れざるを得ず、さらにルドルフは陸軍大臣フリードリヒ公爵の陰謀に巻き込まれて追いつめられていた。1889年1月26日、ドイツ大使館でのパーティで、死を決意したルドルフはマリーに「来週の月曜日、旅に出よう」と告げる。そして1月29日に雪の降るマイヤーリングの別荘で二人は死を遂げた。
(Wikipedia/「うたかたの恋」より)
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本当は参照した「うたかたの恋」が読みたかった...
でも現在は邦訳で読めるものがほとんどないそうですね(´・ω・`)
「最後の皇女エリザベート」の父親であり、「シシー」の愛称で有名なエリーザベト皇后の長男、ルドルフ。
この方はなんと、17歳くらいの少女と、青年期の終わりに心中し、ハプスブルグ帝国の終わりをあからさまに見せつけた人...
ただ、「うたかたの恋」ではそれが悲恋として描かれていたのが、必ずしもそうじゃないよ!政治的な意味合いが多く含まれているよ!と指摘したのがこの本。みたい(ノ´∀`*)
心中、と言う形を取ることで世間の同情を買い、
また自らを殺して見せることで相性の悪かった
父皇帝への反逆性を露わにしてみせる...
そしてハプスブルグ帝国、君主制の終わりさえも
その死は告げているようだ...
当時の風俗や、複雑に絡み合い世界大戦へともつれこんでいく、
そんな歴史までも網羅できる、歴史好き、王室好きにはたまらない一冊ではないでしょうか!
にしてもね~、やっぱり普通に考えて残された妻子がかわいそうだよね。
ここから母親のシシーもさらにおかしくなってしまったみたいだし、
心中相手のマリーさんの家族も相当ひどい目に遭ったみたいだしヽ(´Д`ヽ)
それにしても、この時代はまだ「心中」と言うものが幅を利かせていたのね。
死ななくても王冠を返還したエドワード8世のように、
恋を貫き通す生き方だってあるにはあるんだから
(それだって茨の道以上の苦痛だろうけど)
やっぱり何も死ななくても...ってちょっと思っちゃうなぁ...
同じ心中事件として有名な、愛新覚羅慧生の天城山心中事件にしても、同じように、女性が男性の強い自殺願望に引きずられているような気がしてならない。
優しく同情心の強い女性だからこそ、
男性の破滅願望に共感してしまい、
恋ではなく共に死を選んでしまったような...
だからこそ、このマイヤーリングの事件も
悲劇的と言うよりは多分に政治的、恣意的な
イメージがどうしても拭えない。
とは言え、ルドルフは先見の明もあったんだろう。
君主制の終わりを見ていたのかも知れない。
マリー・アントワネットやマリア・テレジアを生んだ
強大なハプスブルグ帝国は、このあと歴史上では
もう、崩れ落ちるようにあとかたもなくなっていくし...
ま、でも、悲恋としておいた方がいろいろウケがいいの...かな?
ヘプバーンの映画もあるようだし、そう言うことにしておこうヽ(´▽`)ノ