軍産複合体のアメリカ―戦争をやめられない理由

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  • 青灯社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862280091

作品紹介・あらすじ

<戦争をしてないアメリカは、もはやありえない>
アメリカはなぜイラク戦争を急いではじめたのか。「自由と民主主義」を実現するためなのか。イラクは、いまや、逆に反米テロを誘発し、泥沼状態にある。戦争の動機に、軍産複合体という軍部と軍需産業の結合体の存在が大きい、と著者は指摘する。アメリカの政治・経済構造は、戦争によって利益を得る軍産複合体によって支えられている。
それにイスラエル・ロビーやキリスト教右派、石油の利権がからむ。つねに敵を探しつづけるアメリカ—イラクの次のターゲットはどこか。
これまで正面から取り上げられることの少なかった軍産複合体の闇に迫る力作。

感想・レビュー・書評

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  • 2017.9.10 読了

  • レーガン政権からアメリカの軍事力は世界でも突出するようになり、クリントン政権時代になるとアメリカの軍事費は10年間で50%伸びることが見込まれた。
    主要3企業は、ロッキード、ボーイング、レイセオン。
    軍需産業は、シンクタンクに献金をしたりして、アメリカが軍備を必要とする報告書を作らせたりしている。軍需産業はアメリカ経済の主要なプレーヤーである。軍産複合体はアメリカ経済の最も多くの部分を占めている。軍需産業は国防総省との契約に依存しているため、軍産複合体の結束は固い。
    9・11以降の対テロ戦争で、テロに備えるための予算は、テロ対策のための機器や技術にあまり用いられることなく、アメリカの軍産複合体が既に開発中の兵器の研究や武器の購入に集中的にあてられた。
    軍産複合体は利益を特に中東におけるアメリカ軍の戦争の場合はカモフラージュしてきた。

    ネオコンはホワイトハウス、国防総省、軍隊、情報機関を支配するようになった。

    1961年1月にアイゼンハワー大統領は、「とてつもない軍事態勢と巨大な軍需産業の合体はアメリカにとっては新たな経験である。その経済、政治、あるいは精神的な影響も全ての都市、州会議事堂、また連邦政府のオフィスで感じ取れるようになった。軍産複合体発展の必要性は認めるが、しかしその重大な意味を理解しそこなってはならない」と述べた。

    第二次大戦によって、アメリカは世界一の軍事大国になった。
    冷戦の終結によってアメリカの敵は消滅したにも関わらず、アメリカの軍産複合体の性格や機能は変化しそうにない。
    アメリカが世界的規模で軍事力を展開するのは、アメリカの国防のためではなく、軍事費から上がる利益のためである。

    ケネディ大統領は、ユダヤ人票の80%以上の支持を集めて当選したが、核兵器の拡散には強い懸念を抱いていた。
    中国はイスラエルから軍事技術を提供され、イスラエルは中国にとってアメリカの軍事技術の貴重な獲得先となっている。CIAもまた、中国はイスラエルからアメリカの最先端の軍事技術を獲得しようとしていると報告した。

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著者プロフィール

現代イスラム研究センター理事長。1955年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。UCLA大学院(歴史学)修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。著書『現代イスラムの潮流』(集英社新書)『中東イスラーム民族史』(中公新書)『アメリカはイスラム国に勝てない』(PHP新書)ほか

「年 『集団的自衛権とイスラム・テロの報復』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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