カント―わたしはなにを望みうるのか:批判哲学 (入門・哲学者シリーズ 3)

著者 :
  • 青灯社
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  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862280176

作品紹介・あらすじ

カント わたしはなにを望みうるのか:批判哲学
カントのすごいところは、人間がかかわりうるすべての事柄を体系的に思考した点にある。
だが、そのかれをより根底で突き動かしていたのは、思考の道具である人間の理性そのものをめぐる不安だった。冷静で形式張って見えるカントの議論も、切羽詰まった、実存的苦闘だったのである。
本書は、そのカントの考えの骨格を全体的に掴む上で、読者のなによりの手助けになるだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 懇切丁寧に噛み砕いて、カント哲学を解説。一気に読めた。当時の哲学史的な背景を補ってくれたことで理解がぐっと深まった。合理論独断と経験論的懐疑。プラトン、アリストテレスの本質論、デカルトの自我の調停者としての貢献。

  • 「直観なき形式は空虚であり、形式なき直観は盲目である」という合理論的独断論と経験論的懐疑論の調停の説明はわかりやすい。「経験は思い込み」には同意するが、たとえ理性の暴走であっても、形而上学的問いに理性で決着がつけられない「二律背反」を追究していく過程にこそ意味があるように思え、この点においては純粋理性批判の批判?をしたい気持ちになる。

  • 「中学生にも分かる」という「入門・哲学者シリーズ」の一冊。カントは古典新訳文庫の『永遠平和のために/啓蒙について』しか読んだことがないので、これから『純粋理性批判』を読みたいなあと思っていた。そのウォームアップとして読んでみた。

    結論から言うと、この本だけでカントが「分かる」ことはないと思う。でも、とても良く出来た入門書だ。カント自身の思想そのものよりも、「なぜカントがそのように考えるに至ったか」という、「カントまでの思想の流れ」が概観されているからである。

    よく教科書では「カントは大陸合理論とイギリス経験論を統合した」なんて書かれている。この本の中心は、「大陸合理論」と「イギリス経験論」がどういうもので、なぜその統合が求められていて、カントがそれをどのように統合しようとしたのか、という点にある。つまり実質的に「カント以前」の記述が多い。それに対して、カントの主著である三批判書(『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』)については、それぞれの概略は書いてあるが、「これで分かった!」と思わせてくれるようなものではなかった。

    だからこそ、この本はとてもいい本だ。なぜなら、入門書の大切な仕事は、「わかった」ではなく「わからない・もっと知りたい」を生み出すことだから(もし本当に「わかった」ら、もうカントを読まないという人も多いはずだ。)。カントの歴史的な見取り図を示しつつ、かつその思想の内容については「原書をちゃんと読まないとわかんないなこれは」と思わせるこの本は、入門書としては一級品だと思う。全部で150ページもない薄さも好印象。

    「全ての西洋哲学はカントに流れいり、カントから流れ出す」という思想界の巨人カント。近代が生み出した「自由」や「自律」という言葉に関心はあるけどよくわからないという僕が、これからカントの思想を読んでみようとする最初の一歩にするには、なかなか良い本でした。同じ境遇の方にお薦めです。

  • 「わたしは何を知りうるか。わたしはなにをなすべきか。わたしはなにを望みうるのか」
     カントが提示したこの疑問を読んで、何も思わない人はあまりいないのではないかな、と思います。

     知ることの出来ない部分を自覚し、形而上学的なものとして哲学の分野から切り離したのだそうです。賢い。誰もが抱く疑問を、論理的思考体系に載せてとつとつと語ってくれています。
     難しい用語も、前後で説明が入っているので、哲学なにそれ状態の人でも無理なく読めると思います。

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