合理的な神秘主義‾生きるための思想史 (叢書 魂の脱植民地化 3)

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  • 青灯社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862280640

作品紹介・あらすじ

[内容紹介]
人間の自由の根源を探る類い稀な思想書
● 「東大話法」で注目された俊英による、「人類の智慧」の隠れたメインストリームの発見。
● 生きられることを「神秘」ととらえ、その生きる能力の阻害要因を解明・解除することー合理的な神秘主義ーを学問の使命とすべきことを提唱。
● フロイトや孔子、ウィーナーなど、人間社会の秩序を人間の「学習」能力にみる思想の系列。
 ローレンツ、仏陀、親鸞など、複雑な世界を生き「縁起」の思想に向かう系列。
 ポラニーの「暗黙知」からヴィットゲンシュタインの「語りえぬもの」など、複雑な世界を「知る」思想の系  列。親鸞からスピノザへ、スピノザからマルクス、フロムへの、スピノザを中心にした流れ。
● 西欧の思考枠組をこえ、ひとの魂にひびく思想を拓く注目作。

感想・レビュー・書評

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  • ・学習の喜びという人間の本性への注目が、孔子の思想の根幹。
    ・「人には皆、人に忍びざるの心がある。」
    ・身体反応が正しく作動し、それを認識することのできる状態が「仁」である。
    ・「世界は私一人のために阿弥陀によって与えられている」という受け止め方こそが、この世界をありがたく受け止めて、この上なく大切にする姿勢を生み出す。
    ・マルクスの思想の欠陥は、人間の理性に対する過剰な信頼と、Com-の呪縛のせい。
    ・もしどうしていいか判然としない場合には、それもまた如来の「妙巧」なのであるから、これまた虚心坦懐に「指令を待ちつつ満足」して迷っておれば良い。二項対立ではなく、二項同体の思考法。
    ・語りうるものによって全てを覆い尽くそうとする妄想。
    ・神秘的な生きる力を阻害するものが「暴力」。暴力の本質を明らかにし、それを排除する方法を考えるのが、全学問のテーマ。
    ・「生きている」とは、外界からの影響と外界への行為との、絶え間ない流れに参加するということ。
    ・ミルグラムの「アイヒマン実験」は、同じ状況下においても、きっぱりと拒絶できる、心の安定した「君子」が実在することを実証した。
    ・人間行動にとって本当に大切なことは、自分の状況をどのように把握するかである。
    ・子供が無条件に受け入れられておらず、子供が何らかの「良いこと」をした時だけ「生存キップ」が発行されるような家庭に「才能のある子」が出現する。
    ・子供の魂を守ること。子どもから子ども時代を奪わぬこと。これが多くの先人の知恵の教える所だと、私は理解している。

  • オプショナル・ツアーで読み終わりました。
    通しで読んだ後なので、なるほど、わかりやすかったです。
    しかし、まだまだ読み込みたい本であります。

  • 自分自身の人生に意味を求める。

    普通、そうだろう。

    著者も、自分のやっていることが正しいのかそうでないのか、自問自答しながら人生を送り、先人の思索に触れることにある。

    出会ったのが、ヴィットゲンシュタイン、ヴィットゲンシュタインとて、ある日突然ヴィットゲンシュタインになったわけではない。

    彼も、色んな先人の思索の影響を受け、「語りえぬもの」に出会った。

    著者の言う「合理的神秘主義」の系譜が仮説として述べられている。

    「魂の脱植民地化」から「合理的神秘主義」へ。

    著者の、今後の著作に注目して行きたい。

  • 合理的な神秘主義とは「世界を支える神秘の力を前提とし,その発揮を疎外を抑圧するものを,合理的・科学的方法によって解明し,排除する」姿勢を意味する。この観点から編まれた思想史は,いわば伏流であるが,自分にとっては馴染みやすいものであった。なお,本書には「オプショナルツアー」という仕掛が有り,テーマに沿ってパラグラフを行ったり来たりして楽しむこともできる。これもまた,新鮮な読書体験だった。

  • 「ヒトリ読書会」ができる!という超オモシロイ構成の本。読書会の案内人は「安冨歩」。読書会参会者は、「あなた」と、古今東西の哲学者たち。

    読書会のテーマは以下の4つ。
    「学習とは何か?人間社会の秩序としての学習」
    「変転する世界をどう生きればいいか?」
    「この複雑な世界を知るということ」
    「スピノザで紐解く合理的な神秘主義について=生きられることを『神秘』と捉え、その神秘的力を阻害するものを明らかにして、解除する」

    案内人の指示に従い、時空を越えて、各参加者(哲学者)の著書から重要なところを発言していただきつつ、行きつ戻りつする。(実際には、本を前後に行ったり来たりめくることになります。)

    この構成いいなあ。読み飛ばすという不作法ができません(笑)

    構成もいいですけど、、、

    でも、個人的に、私にはこの本が必要だと思いました。
    というのも「生きる」ために必要な哲学についての真剣な考察だから。

    また、素晴らしいと思うのは、この「読書会」で語られる内容は「(著者)自身による『誤解』の正確な描写だ、と思っていただいたほうが良いであろう」と前置きがあること。

    結局、考え、理解するのは、読者=わたし自身。

    さて、あなたはこの読書会に参加しますか?
    そして、どのような問いをたて、発言をされるのでしょうか?

    第2回、第3回読書会はぜひご一緒に!
    本書はこれからはじまる先のなが〜い読書会の善きガイドマップです。

  • エピクロスの章が好きだなぁ。
    エピクロスええこと言うてる。

    龍樹の章がむずかしくて撃沈しております…
    でも頑張って読む~

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 102//Y66

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著者プロフィール

安冨 歩
東京大学東洋文化研究所教授
[9章]

「2017年 『どうして高校生が数学を学ばなければならないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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