カイト・ランナー

  • アーティストハウスパブリッシャーズ
3.88
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本棚登録 : 147
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862340245

作品紹介・あらすじ

二〇〇一年夏、パキスタンにいる友人から一本の電話がくる。この電話回線の先にあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪…。電話を切る直前、彼はふと思いついたようにいった。「もう一度やり直す道がある」小さい頃、わたしは召使いであるハッサンとよく遊んだ。追いかけっこ、かくれんぼ、泥棒ごっこ、そして凧あげ。わたしはちゃんとした学校へ通っていて、読み書きもできる。しかし、ハッサンは世の中の「真理」をすべてわかっているようだった。真理とは、愛や慈悲、そして罪、というものについてだ。十二歳の冬の凧合戦の日。ついにそれが起こる。記憶の底に決して沈めてしまうことのできない罪…。他人を救うことの困難さ、友情、愛、畏れについて深く考えさせる、アフガニスタン出身作家の鮮烈なデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 現在でもこんな物語があるのだ?と思った。悲しい話である。戦争が関係している。人の命を奪ってしまう。大切なもの、友人や思い出もなくしてしまう。
    アミールとハッサン、とても仲の良かった二人であるが、ある時(凧上げで優勝)を境に、関係が変わった。アミールの自分に対する裏切りが原因である。そして時を同じくして、ソ連のアフガニスタン侵略がはじまる。アメリカに移民した、アミールとババ。進学し、結婚し、幸福な中でババは死を迎える。友人のラヒムカーンからの知らせで、ハッサンのことを知る。時間が子どものときに戻ったようである。だが、ハッサンと妻はすでに死んでおり、息子が一人いる。そしてハッサンはアミールと異母兄弟であったことを知る。息子のソーブラを引き取り、アメリカに帰還するが、信頼を取り戻すためには、まだ時間がかかりそうだ。
    物語は淡々と進む。場面展開は速いと思う。また、華美な装飾もなく、的確な状況が良く分かる文章である。前半部分は、どうして?という疑問。どうして愛さない(ババから)。ハッサンの信頼を得ているのに応えられない。ババが他界し、アフガニスタンに戻ると、状況は変わる。思わず、どんでん返しの繰り返しての大転回、目が離せない。そして、悲しくもあり、少しの希望が見えた結末。もっと早くそうして欲しかった。

  • スウェーデン語版を読んだ。
    アフガニスタンでの異なる民族間での二人の男の子の友情の物語だが、実に様々な背景が描かれ、差別、戦争、信仰、家族についてよく考えさせられる小説だった。
    主人公のAmirは決して正解を選べてきたわけではなく、後悔と葛藤の中で日々を暮らしているが、その思いをのちに少しずつでも行動に移し、ゆっくりと新しい人生を少しの希望とともに歩いていく様は勇気づけられる。
    ただAmirがSohrabに対し、児童養護施設へ送り返さなければならないと言ったときは非常に腹が立った。どう考えてもSohrabにとって残酷すぎる話し方だったからだ。酸っぱいリンゴの例をうまく使って言いくるめようとしたこと、その明らかな過ちは理解に苦しんだ。しかし、それでも不器用なりに、手探りでともに歩む道を選んでくれてよかった。

    本の中で「アフガニスタン人は規律を嫌い、伝統を愛する(翻訳版での表現は異なると思うが)」という表現があったが、これは非常に考えさせられた。私の住むスウェーデンは真逆だと感じていて、日本も恐らくこうではない。(個人的には、規律も伝統も重んじる、だと思う)
    アフガニスタンという国の実情を少しだけ垣間見れたような気がする。

  • 号泣

  • 久々に「小説」を読んだ。久々に心を打たれた。中東、イスラム、アフガニスタン、これらを上辺でなく、根底から理解するのには最適の本だと思う。映画もぜひ観たい。

  • 今 現在も 現実に この小説の様な出来事が
    起こっていると思うと 胸が締め付けられる思いでした。
    平和な日本に、偉大な先人に 改めて感謝すると共に
    「平和な世の中」こそ、
    自分たち現役世代が 未来へ引き継ぐべきモノだと
    強く感じました。

  • 訳した人に感謝です。
    ただ、文庫のほうの題名はいかがなものかと思います。

  • 後に映画「君のためなら千回でも」となった作品。

    アイロニーに満ちたアフガニスタンのお話し。
    罪を悔い善行を積む、深いお話し。
    巧みな話の構成、和訳も全く違和感なく、最後まで一気に読めました。

    途中、wikiで調べながら読むのも面白いです。
    ムジャヒディン、タリバン、ソ連侵攻、イスラム教とその宗派、近隣諸国の関係、ムッラーナスルディン(笑)、いろいろ詳しくなりました。

  • 重い。カブールが豊かだったとか知らなかった。物語だとストレートに響く。凧の話が印象的。映画のブラッドダイヤモンドを思い出した。孤児、少年兵とか、戦争は弱者にしわ寄せがくる。今の日本に生まれただけで、怯えずに生きられるのって本当に感謝だ…。

  • 声を上げて泣きたくなるほど胸が苦しくなる。
    昔の話ではなく、現代の話で 未だこの状況が続いているという現実を悲しく思う。

  • 「Kabul_40_years_ago_vs_Kabul_today」でググれば出てくるカブールの40年前と今の写真の落差はショックだったが、それと同じようなショックを受けた。

    アフガンで地位を築きながら内戦のために亡命し、アメリカで安月給で働く心辛さ。
    ソ連の侵攻を機に国が荒れていく悲しさ。
    いつの世でも差別の対象となっていたハザラ人。
    そしてスーパーマンに見えた、主人公の父の秘密。

    詰め込みすぎ。(褒め言葉)
    ただ、司祭の正体は、ちょっとやりすぎなんでないの。

    books of the decade(米Amazonで2000-2009売り上げ26位)
    3/1読了

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