幸福の王子

  • バジリコ
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862380364

感想・レビュー・書評

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  • 何度読み返しても最後、泣いてしまう。
    読みながら王子さまとつばめを想って流れた涙が心を清くしてくれる気がして、読後は悲しいけれど幸福を感じまた考えさせられる。名作です本当に。


    あとがき
    オスカーワイルドは子供にこの本を読み聞かせていたが、「このお話しは子供のためじゃないんだ。子供のような心を持った十八歳から八十歳の人たちのためなんだ。」と語っていたという。

  • 先に読んだ谷川俊太郎さん著の作品中にあった
    ある詩を思い出した。

    気に入られたい、
    交流したい、
    こっちへ向いてもらいたいと、
    孤独と沈黙を怖れ、
    不安に息を詰まらせて、
    人は飾る。
    飾り続ける。

    王子は何もしなければ
    綺麗なままでいたのに。
    たくさんの人から褒められて
    この街の誇りだ、と愛されて
    大事にされていただろうに。
     

    つばめの手を借り、
    纏っていた金や宝石を
    貧しい人達に与えてしまえば、
    誰も
    みすぼらしく、汚らしい像なんかには
    興味を示さなくなるのに。
    寂しくなるのに。

    でも、
    もう綺麗じゃない
    何の役にも立たない像の思いを、
    知ってる人がいる。

    ずっと傍にいたつばめと、
    神様。
    それと、
    物語を読んだ事のある人達。

    あの街の人の数よりも
    ずっとずっと多いはずだよ、きっと。

  • 途中から涙が止まらず最後は嗚咽で胸が苦しくなりました。大変素晴らしい本です。ぜひ幼児期にたくさん読んでもらいたいです。 一生懸命町の人々のことを考える王子は誇り高き心の持ち主、そして最初は困っていたけど南国への旅立ちを遅らせて献身的に王子に仕えるツバメ。いつしか固い絆で結ばれる。時が経ち金箔宝石がない王子像。足元にはツバメの死体。心が曇っているものには汚いと映るが清き者には最高に美しいものに見える。とても大切な心を教えてくれます。大人こそ読んで頂きたい。

  • 言わずと知れた幸福の王子、私は西村孝次さんの翻訳で親しんでいたので曾野綾子さんの文章がそっけない感じがしてしまう。
    簡潔だけど童話には向かないんじゃないかな。
    絵も翼はとても良く描かれているけど、王子様や人物はイマイチ。絵も文章も共に満足出来る絵本って実は案外少ない。

  • 初めて図書館で本を借りてみました。
    児童向け書籍紹介の新聞紙上でみたのですが、なかなか購入するには。。。と二の足を踏んでいたのですが、図書館で借りるという手があったことに気づき、早速他の希望の児童書数冊とともに借りました。

    悲しいお話ではありますが、なんか心が洗われたような気もした。つばめって、エライ!

  • 読むたびに
    涙が出る本


    大人になって
    もう一度読んでよかった

  • 子ども向けの絵本としても有名で私も幼いころに読んでいた絵本ですが、曽根綾子さん訳の本作はとても大人向けの文章になっていると知って手に取ってみました。
    たしかに、大人向け。
    人間の醜さ、欲望、そういったものもきちんと描かれている。
    子どもには少し難しい訳だと思う。

    本物の自己犠牲とは何か、を問う物語。
    私は自己犠牲というものに少し懐疑的なところがあるし、それはただの自己満足なのではないか、とも思ってる。
    1ミリも見返りを求めない愛。そんなものこの世の中にあるのか?って。
    だからこそこの物語はとても眩しいのだと思う。
    何の見返りも求めず、みすぼらしく、寒々しい姿になっていく王子とつばめ。
    あなたもこうなりなさい、という教えを説く寓話というよりは、こういう姿もあるんだよ、という事実を淡々と知らせてくれるような物語だと思う。

  • 非常にシンプルな、昔から知っている童話なのに、改めて読んでみると泣けてしまった。
    優しさっていうのは単純なことなんだよね。

  • 子どものために買ってきたが、まだ少し難しいか。
    自分で読んでも、よく分からない・・・
    装丁と挿絵がきれいで、長く読み続けられそうなのがよい。

  • 挿絵も物語も繊細で美しかったです。
    王子の鉛の心臓とつばめの亡骸は何よりも価値がある。
    幸福を与えられた人々はまるで最初からそうであったかのように振舞っていくのだろうなあと思います。
    少々本が大きいので、本棚には斜めに立てかけてあります。

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著者プロフィール

1854年アイルランド・ダブリンに生まれる。19世記末の耽美主義文学の代表的存在。詩人・小説家・劇作家として多彩な文筆活動で名声を得る。講演の名手としても知られ、社交界の花形であった。小説に『ドリアン=グレーの肖像』戯曲に『サロメ』『ウィンダミア卿夫人の扇』回想記に『獄中記』などがある。1900年没。

「2022年 『オスカー・ワイルド ショートセレクション 幸せな王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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