妻ががんなのに、僕は恋人のベッドにいる。

著者 :
制作 : 古田いず実 
  • バジリコ
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本棚登録 : 27
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381248

感想・レビュー・書評

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  • がんは死亡原因の第1位。
    小学生の子供でも、がんは重い病気だと知っている。
    当然のように、がんを主題とした小説、エッセイ、実用書は多い。

    本作はそんな「がん小説」の中ではかなり異端児だ。
    オランダ人の著者が、妻の闘病生活をもとに書いた実話に基づくフィクションである。

    愛し合う夫婦に突如訪れる死の宣告。カルメン夫人のがん発覚から、壮絶な闘病のはて死に至るまでのストーリーを描く。
    と、ここまでは普通の「がん小説」のようだ。

    患者視点の本はごまんとあるが、
    闘病中の性生活や、女性のメンタルな悩み、医療に対する疑念や不満が生々しいまでに描写されているのが本書の特徴の1つ。
    くわえて、主人であるスタインの止まらない浮気癖。
    邦題からもわかるように、かなりキワドい内容である。

    日本では、このような描写は不謹慎ととられるかもしれない。
    しかしながら、直視しなければいけない現実もしっかりと書き込まれている良い意味でリベラルな本である。


    また、ポップスやロックの歌詞等からの引用が多く、遊び心もふんだんに取り入れられているのも本書の魅力だと言える。

  • 男として妻の病気をみる視点。
    患者側として医療をみる視点。
    イタリアのお国柄。


    様々な要素がぎゅっと詰まってました。

  • 《CARPE DIME(カルペ・ディエム/今この瞬間を生きよ)》



    タイトルに、まずヤラレテ。

    パラ見してみると、時には本文の1節よりも長い注釈。

    ジャケ買いには、申し分なかった。



    主人公の2人(スタイン、カルメン夫婦)は、言うに及ばず、

    脇役の1人1人も、注釈の長さゆえか、人物像に奥行きがあるので、

    どの視点で、物語を俯瞰しても楽しめそう。



    尊厳死や葉っぱが、合法化されている、ある意味で最高にリベラルな国、オランダに住む彼らの、

    当然のように、自らの言動を、自らの意志によって行う様は、あまりにも凛として見えた。


    『「これでまた選択肢ができたもの。自分の人生に起こることを、また自分できめられるのよ」
    byカルメン from3-4(p.359)』

    『ルナ、何かをしない理由なんて、大抵の場合、百くらいあるものだけど、それをやる理由がひとつでもあるのなら、それで十分のはずよ。あとになって、やらなかったことで後悔するなんてすごく悲しいじゃない。結局は、実際にやってみたからでないと、何も学べないのだから。
    byカルメン from3-7(p.372)』

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