祝福を受けた不安-サステナビリティ革命の可能性

制作 : 阪本啓一 
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381408

作品紹介・あらすじ

持続可能な社会をめざす史上最大の革命は、いかにして生まれたか?カーソン『沈黙の春』、ソロー『森の生活』の精神を受け継ぐ、全米ベストセラー環境バイブル。

感想・レビュー・書評

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  • まさに現代の不安と将来の可能性について語った書。大量の情報に圧殺され、ともすると怖れを煽られるに留まりそう。ビジネスマンにとって、まず胸に手を当てて、本当に自分たちが望む将来が何かを考えるところから始めるべきなのだろう。

  • 個人における本の評価というものは、
    その人の精神状態や知識状態によっていくらでも左右される水物だということは
    わかっているつもりではあったが、
    特に本書を読んだあとではそれを痛感した。

    2~3か月前の私だったら、本書を読んで
    「そのとおりだ! 個人が動いて世界の持続を進めねば!」
    と思ったかもしれないが、
    リチャード・ドーキンスとスティーブン・ピンカーという
    進化生物学者の科学的誠実さに満ちた著作を読んだ今となっては、
    本書の著者の科学的なテイストの引用を恣意的に自説に結びつける表現
    (ドーキンスの言葉を借りるならアナロジー)が
    どうしても気になってしまい、
    「いや、そのとおりだとは思うんだけど」
    というあたりで引っかかってしまった(笑)。

    いや本書の述べている基本的スタンスはとても重要なことで、
    今後の人類の持続のためには、個人個人が共同体の中で、
    あるいはそれらを超越してネットワークを組みながら、
    問題の解決に当たらないと、きっと残念な未来が待っていることは
    想像に難くない。

    ただし、その主張展開が上述のようなフレームで組まれているとなると、
    さて科学という立場から支持しにくいし、
    一方で宗教のようなトラディショナル価値観からも本書の理念は支持されづらいだろうし
    (だって、ブッシュの戦争を支えたのは宗教だし、人類みな友達というのは
     それこそ旧来の一神教的宗教観からはほど遠いし)
    ではじゃあ本書を支えるのが人類の普遍的価値を信じる若き世代の
    人々だけだとするならば、それはあまりにも世の一部ではないかという
    気がして、となると実効性は果たして…なんて思ってしまう。

    ***********
    本書とは少し離れるが。

    環境を含め、持続可能性に関するあまたの活動におけるひとつの
    共通した課題があるとするならば
    「船頭多くして舟山に登る」
    ような状況なんじゃないのか、というのが最近思うことである。

    リーダーの個々の理念は大変に共感すべきものを感じるのだが、
    船頭が多すぎるような状況になっていて、
    フォロワーの資源やパワーがひどく分散しているような印象を受ける。

    具体的に言っちゃうと、
    かつてガンジーやキング牧師が強力なリーダーとして
    莫大な数のフォロワーに影響を与え、問題解決に邁進していったほどの
    トレンドが見られない、というか。

    持続可能性以外にも、貧困とか失業とか紛争とか、まあ問題は山積で、
    ヒューマンリソース不足は加速しているような気が…。
    我々は情報をすごい速さとワイドさで知ることができるようになったけれど、
    それが情報過多とリソース不足に繋がって、
    良い理念もまるで実行にほど遠いというジレンマがあったり、
    あるいは優先度の高くなさそうなものがメインストリームになっていたり…と。
    そういう意味で、情報ネットワークが「地球をつないだ」ことは真実だけど、
    問題解決がはかどるようになったかというとむしろそれについては
    部分的には退行すら起きかねないのではないか、という危惧がある。

    そんなことないよ、君のただの認識不足だ、というのであれば
    それでハッピーなのだけど。

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