日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」 (洋泉社MC新書)

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  • 洋泉社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862480309

感想・レビュー・書評

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  • 副題が「都市と宗教と資本主義」なんだけれど、この3つの有機的なつながりが描かれていて興味深い。

  •  この上のMC新書ではなくて、新刊の洋泉社歴史新書yで読んだ。

     職場の本屋の棚から、網野さんの名前で買ってきた。

     あとがきを読むと、素人には網野さんの本はよく売れているが、あまり歴史学では評価されていないらしい。

     でも説得力がある。

     たしか、内田樹さんが、レビストロースからの引用で、物の取引は集落の境界にものをおいて、となりの集落がそれを価値のあるものと理解して、別のものをおく、といった贈与のプロセスから始まったと書いていた。

     それと似ているのだが、網野さんは、商売というのは、銭というのは一度神仏のものとなって、それが民に貸し付けされるという歴史を経ていて、そのため商品というのは、いわゆる異界との境界にいる人々と理解している。

     最初の段落の説明はわかりにくいが、そもそも銭の前の米が貨幣として流通していたときには、稲穂を神仏におさめ、一度おかりして、それを耕作し、一定の利子をつけて神仏にお返しするという伝統があり、それが蓄積されて、流通の貨幣として使われたという分析が前提にある。

     ここまでくると、前によんだ、市場はアジール(現世と異界との境界の空の間)という説明も理解できる。

     なんか、ものごとをかなり根っこから説き起こして、説得力あるんだけど、歴史学的には問題あるのかな。

     仕事に全然関係ないけど、おもしろい本。

  • [ 内容 ]
    著者にとって大きな研究課題であった日本中世の宗教と経済活動の不思議な関係。
    高校教諭時代の教え子に、「なぜ平安末・鎌倉時代にかけてすぐれた宗教者が輩出したのか」と問われて30年。
    網野は、『蒙古襲来』『無縁・公界・楽』『日本中世の非農業民と天皇』等々と話題作を次々と世に送り出してきた。
    その研究の過程で見えてきたのは、「無縁」の極地にある貨幣の存在、「神」へ捧げる利子といった「資本主義」の源流ともいうべき世界だった。
    経済活動と宗教者との関わりを解明し、中世社会の輪郭を鮮明に描いた秀作。

    [ 目次 ]
    1 境界(境界に生きる人びと―聖別から賎視へ;中世の商業と金融―「資本主義」の源流;市の思想―対談者・廣末保氏)
    2 聖と賎(中世における聖と賎の関係について;中世における悪の意味について)
    3 音と声(中世の音の世界―鐘・太鼓・音声)
    4 宗教者(一遍聖絵―過渡期の様相)

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