新・代表的日本人 (洋泉書新書y)

著者 :
  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862480965

感想・レビュー・書評

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  • 内村鑑三の「代表的日本人」が面白かったので読んでみたが、こちらも面白かった。
    ただ、タイトルに惹かれて、内村がそうしたように「世界に胸を張って提示できる日本が生んだ偉人」選集だと思って読むと、あるいは期待はずれかもしれない。
    わかりやすさでいえば、内村のほうが選出基準がわかりやすい。「圧倒的な忍耐力・克己心を備え、無私の極地に至り、自分の人生をかけて民衆の幸福を願った人たち」という、世界でも普遍的と思われる尊い人格を備えた日本人が選ばれたのだな、と本を読むと解説を読むまでもなく納得出来るわかりやすさが内村の本にはある。

    翻って本書は、一つ一つのエピソードは胸に迫り、感動的であるか、または共感できるものだが、その選定基準は、まえがきかあとがきを読まないと、私のようなアベレージの人間にはなかなか理解出来ない。だから、タイトルも含めたパッケージとしての本の完成度という点ではやや納得がいかなった。

    けれども、そんなことは、この本に納められた人物伝の価値をいささかも下げるものではない。どの人物もとても興味深く、その生き方は感動的で読む者の胸を打つ。

    この中で、世界基準で尊敬を集め内村鑑三も選びそうだなと思った人物は圧倒的な忍耐力・克己心という点で写真家の白川義員、女性としてその自分探しの軌跡も含めて共感したのは須賀敦子、不思議に胸に残ったのは、傍目にはなんでこの本に納められたのかわかりにくいアウトプットと彷徨と挫折の一生を送った石光真清だった。

    評伝・自伝好きならきっと面白く読める一冊。

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著者プロフィール

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、2006年末に退職。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞。『定年後のリアル』『定年後7年目のリアル』『さらなる定年後のリアル』『定年後に読みたい文庫100冊』(いずれも草思社文庫)と続いた人気の「定年後シリーズ」がついに「古希」の世界に突入。最新刊に『定年バカ』(SBクリエイティブ)、『60歳からの「しばられない」生き方』(KKベストセラーズ)。他に『ひとりぼっちの辞典』(清流出版)、『ウソつきの国』(ミシマ社)、『結論で読む人生論』『結論で読む幸福論』(いずれも草思社文庫)などがある。

「2018年 『文庫 古希のリアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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