環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

著者 :
  • 洋泉社
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レビュー : 137
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862481221

作品紹介・あらすじ

錦の御旗と化した「地球にやさしい」環境活動が、往々にして科学的な議論を斥け、人々を欺き、むしろ環境を悪化させている。官製リサイクル運動が隠してきた非効率性と利益誘導の実態とは?地球温暖化を防げない京都議定書-。アル・ゴア氏にとっての「不都合な真実」も次々に明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • ・ダイオキシンが報道ほど猛毒ならタバコは一日6本で基準値を上回る。

    ・北極の氷が融けても海水面に影響はない(アルキメデスの原理)。氷がグラスの上片を飛び出すくらい氷水をグラスに満たして、氷が全部融けても水はあふれないのと同じ。

    ・南極の氷は平均気温が上がっても、減るどころか増える。南極大陸は平均-50℃であり、周囲の海水温が上がれば移動してくる水蒸気が増えるため。

    ・植林すると若木は成長時にCO2を吸収するが、成木になるとほぼ吸収しなくなり、枯れた時に放出する。つまり、収支ゼロ。

    ・水素エネルギーはクリーンでは無い。現在水素を使うには水H2OからOを除くために同量のCO2を排出する。純粋な水素は軽く、星の発生初期段階で失われているので、その形にするには、石油などのエネルギーを消費する。

    ・世界のパルプは先進国の森林14%と途上国の森林2.5%が利用されている。古紙リサイクルをしても、途上国の森林保護に繋がらない。薪や焼畑などによる減少に介入しないと無意味。

  • 中国で環境問題が深刻そうに見えます。
    日本は風下の国で、食物がたくさん中国から来るので、座して待っているわけにはいきません。
    中国からの食料品で、いろいろな報道もありますが、科学的な情報がなかなか伝わってきません。

    日本の歴史の中でも、人体に有害なものは排出していませんといった会社が、有害なものを排出していたということはよくあったのではないでしょうか。有害なものは出していないという嘘はなぜ止まらないのでしょうか。

    森永砒素ミルク事件の当時の赤ちゃんだったので、同級生に被害者の人たちがいました。自分も森永のミルクで育ったので、一度か2度は砒素ミルクを飲んでいたかもしれません。

    嘘を暴き立てる人も、相手の嘘を見破るために、さまざまな嘘を並べて、相手の動揺を引き出し、本当の事を言わせる戦術に出ているのかもしれません。

    大事なのは嘘か本当かではなく、自分達は何がしたいのかということをもっと明確に出せるようにすることではないでしょうか。
    例えば、食品会社であれば、人の命を支えたいとか、人間の健康に貢献したいというような目標を掲げるのであれば、おかしなことはしないはずです。

    食品に興味がなくて、利益しか見ない人が経営者になったら、上から下まで嘘で固められた会社になっているかもしれません。

    環境によいという謳い文句の商品や、環境のための施策も、その人が何のためにやろうとしているかを考えていけば、嘘がまかり通らない世の中にできるかもしれません。

    「買ってはいけない」と「買ってはいけないを買ってはいけない」というような、水掛け論に陥らない道を、読んだ人が考えるきっかけになればよいかもしれません。

    社会問題に本当はたくさんあります。自分の立場だけが本当で、それ以外の立場は嘘だという人の言っていることは、別の立場の人にとっては、嘘でしかないことがあります。

    特定の会社の間違いを指摘するだけで、事故の真因の追究を妨げるような言動は、真因の追究をして再発して欲しくない人にとっては、嘘をついているように思われることがあるかもしれません。

    科学的な情報にもとづいた議論をするのではだめなのでしょうか。

    嘘かどうかを議論するのは、水掛け論になるか、立場の違いを非難しているだけにならないでしょうか?

    ps.
    データを示す際に、原因と結果が逆に示すこともしばしばあるように思われます。
    どちらが原因で、どちらが結果かを科学的に解明できていないことがあるのではないでしょうか?

  • 2つの意味で印象的だった。

    第1に、ペットボトルやらゴミ分別をはじめとした環境問題にまつわる活動はその実、何ら自然環境の改善には役立っておらず、なおかつ一部の業者の懐が潤っているだけという裏の仕組みが知れたことだ。マスコミで見聞したことがある知識に対して、今一度批判的に見直してみるための良い視座を与えてくれる。これは誉められる点だろう。

    第2に、「科学的な視点でモノを言えやコラ」という感じの告発調の文章であるにもかかわらず、その語り口そのものは微妙に科学的な視点を欠いているように思われる点だ。随所に引かれる「自分が講演した時に~という話が寄せられた」とか、「自分の教え子が~という活動をした」とかいうエピソードは、恐らく「現場の声」を表現することで事の深刻さやリアルさを伝える狙いがあるのだと推察されるが、そのまま提示するだけでは単なる感想か体験談に留まってしまうわけで、もうちょっと見せ方に工夫が必要だと思う。
    トドメは終盤の「日本人の美点が云々…」とかいうくだり。一方で科学的視点の重要さを主張しながら他方で根拠のよく判らんことを平気で言えるのだから科学者という人種は不思議なものだ。主張の肝心なところで常識や経験を持ち出すと、結局それを共有してくれる価値観を持った人だけしか受け入れてくれなくなるのではなかろうかなぁと思ったりした。
    少し好意的に解釈すると、「科学的・専門的知識に縁の無い一般大衆にも理解できるように、わかりやすく書きました」という狙いがあった…と捉えることも可能かもしれない。しかしそれは筆者が批判している「故意の誤報」に等しい行いではなかろうかな。これはいただけない。

    つまるところ、政策サイドやマスコミの言っていることは、「判りやすい」のだ。筆者はこれに対抗するために自ら「判りやすく」しすぎたきらいがある。批判している対象が持っている説得力に対抗するために、自ら批判している対象と同じ過ちを犯すというのは何やら示唆的である。

  • ●「以上のことから少なくとも私には、南極周辺の海水温が上がって大陸内部の雪(氷)を増やすとは思えないのです。もし、上の見解が正しいのなら、現在でも南極の春から夏までの間に雪(氷)が増えるはずです。しかし、例えば昭和基地は、そうなっているようには見えません。」
    ― 出典: 目からウロコなエコの授業 , 41ページ より
    という指摘に、武田氏は何と答えるのだろう??

    ●環境に悪い無駄なリサイクルの存在を知らしめ、ダイオキシン脅威論に水を差すなどの狙いは分かる。

    ●しかしそれらの記述に、科学者とも思えない恣意的なデータ解釈や論理の飛躍、稚拙なすり替えが目立ち、結局は著者が批判する対象と同じ穴のムジナだ。
    復古的な精神論(?)に流れる辺りは、題材は異なるがこれもベストセラーの『食品の裏側』を連想した。

    ●『不都合な真実』懐疑論についてなら、この本の代わりに『地球と一緒に頭も冷やせ!』を、エコ効率を踏まえた取り組みのあり方については『環境問題の杞憂』『環境にやさしいのはだれ?―日本とドイツの比較』を、お薦めします。

  • この手の本は、まずは自説の補足のために使われるデータが怪しくないか、バイアスがかかってないか、展開にギャップがないか疑ってかかる必要がある。<br>
    予想通りネットではそれなりに突っ込みを入れられているけど、あんまりなにも考えずに世間に流布する環境に関するイメージを頭から信じない方がいいと見直すきっかけとしてはいいんじゃないかと思う。<br>
    筆者の言を借りれば、結果がよければ嘘を言ってもいいことにはならないけどね。<br>
    (2007/12/18)

  • テキストとして購入。理解するのに何回も読み直したほど、現代の常識とはかけ離れる「事実」が書かれていた。物事を考えるきっかけにはなると思うが、内容に若干疑問が残るところも。

  • リサイクルをやめるほうが省資源
    年間430万トンのプラスチック容器、包装のうち回収は10%。再利用は1%。
    ペットボトルのリサイクルが成功しても、2.5億トンの石油の0.1%。
    自動車には1/3が使われる。

    一人当たりの資源使用量
     アメリカは日本の4倍、80t以上。ドイツは2倍、40t。

    ダイオキシン
     有機物+塩素などのハロゲン+300度以上の高温で生まれる。
     毒性は非常に低い。
     1970年前後、水田除草剤として
     ベトナム戦争の枯葉剤の60倍が散布されていた。

    北極の氷は浮いているので、融けても海水位に変化ない。
    南極の氷が多少融け、海水温が上がったら水蒸気が増える。大陸側に風が吹けば、雪や氷になるから、水位は下がる。

    樹木がCO2を大きく吸収するのは成長時。

    新幹線自体はCO2が少ないが、レールやトンネルのために大量に使っている。

    脱石油
     食料自給率40%が25%になる。

  • ほんとゴミの分別するのが、アホらしくなった。
    …っていうか、うちの団地さ、プラスチックゴミの分別のモデル地区をやらされててね、 数年前から分別させられてんのよ。
    同じ市といえども他のところはまだ施行されてないのね?
    このプラゴミ、普通の生ゴミどころじゃない量になるのよ?
    つくづく、包装だらけなんだな?って思うよ?
    しかも、油がついたものは「洗剤で落としてから捨てろ」だよ。余分な水と、 汚れた下水を余計に流すということをさせといて、このゴミどうしてるかご存知?
    リサイクルなんかに回されないで「ただ燃やされてんのさ」。 (なんの統計を取ってんだか?ヾ(-。-;))
    これを知った近所の人たち、超しらけモードです。
    この本にも書かれてますけど、プラゴミが分別されることによって、生ゴミが「燃えにくく」 なったもんだから、さらに「灯油」をかけて燃やしてるんだってよ!
    実はペットボトルとかが混じってる方が熱効率いいんだって。よく燃えるから。
    分別用の専用の袋作ったり、ゴミ置き場増やしたり、そんなこんなで、大事なはずの資源がリサイクルの名の下に「7倍も消費する量が増えてる」って知ってた?
     な~~~にがリサイクルだ!?エコだ!?<(`^´)丿って感じよ?
    要はそこに「金」が絡んでくるからなのさ。
    ざけんなーーー!って叫びたくなること、間違いなし。
    ほっっんと、「知らない」というのは恐いよ。

    (※たぶん、2007/10前後に読了。)

  • インパクトはあり別の見方もでき、環境問題が利用されていることが分かるという点では素晴らしいです。

    しかし、やり方が行政やマスコミと同じです。非難している相手と同じスタイルで非難していることが非常に残念です。

    環境問題は範囲が非常に広いため語るのが困難なためでしょうか。その困難さを放り投げてしまい、泥仕合にしてしまった感があります。

    国民の今の環境リテラシーを思うに、問題提起にはこれくらいがちょうど良いということなのでしょうか。残念です。

    https://www.kt-web.org/book-report-takeda-kunihiko-kankyomondaiha-nazeusoga-makaritoorunoka/

  • 最初に言っておくと…あまり良い本だとは感じません。
    ペットボトルリサイクルやダイオキシンについての国民の誤った理解、メディアによる「故意の誤報」等に対する指摘は、それを知らない人にとっては驚きだと思います。それは興味深いことだし、この本のタイトルが示すところだと思います。
    ただし、もっと深掘りして欲しいというのが希望。既存の(特定の)情報がウソだということを述べるのはいいのですが、代わりに出てきた新たなデータについては特に説明なし…で、それをもとに話を進めるとか。また、単純に自身で決めつけているのでは?と感じるものがあったりでいまいち共感できない。
    あと、第5章の後半あたりは、序盤のペットボトルほどの勢いが感じられなくなる。結局何を言いたいのかわからないし強引すぎる。食料自給率の引用については「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)」にあるような指摘もなくスルーし、最後には約10年前の調査データ「高校生の倫理観」を用いて持論を展開する。少し都合が良すぎます。
    (過去の読書記録登録のため評価なし)

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などに出演。
著書『ナポレオンと東條英機』(KKベストセラーズ)、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。

「2017年 『武田邦彦の科学的人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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