- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862482662
作品紹介・あらすじ
スサノオのオロチ退治、因幡の白ウサギ、ヤマトタケルのクマソ征伐…知れば知るほどおもしろい!古事記入門の決定版。
感想・レビュー・書評
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神社を参拝し、そこに祀られている知らない神様の名前を見るたびに、(古事記をちゃんと読まないと)と思うようになりました。
子供向けの本なら以前読みましたが、イザナギ・イザナミや天の岩戸、因幡の白ウサギなど、印象的なエピソードばかり覚えており、流れとしては追えていません。
キリスト教の聖書のようなものと考えたら、もう少し知識がないとという気持ちから、わかりやすさを求めてこの本を手に取りました。
もともと『五月女ケイ子のレッツ古事記』を読んでおり、イラスト紹介が頭に入っていたため、こちらもすいすい読めました。
図でまとめられていて、わかりやすいです。
ただ、神代にさかのぼる天皇の系図は、複雑すぎてやはりまるで頭に入りません。
そもそも、日本古来の神様の名前は、どれも難解なのです。
古事記と日本書紀の違いもよくわかっていませんでしたが、古事記は神武天皇から推古天皇まで、そして日本書紀は、その当代の持統天皇までの世を記したものとなっているそうです。
古事記は、かなりの部分が出雲と大国主の話で占められているとのこと。
確かに、後半部分は、大国主命がヒーローになっているなあと思っていました。
イザナギ・イザナミよりも前に、はじめて世に姿を現した三神がどうなったのか、よくわからずにいましたが、「いつの間にか姿を消してしまった」というのが正解のようです。
やっぱりよくわからないままフェイドアウトしたようですね。
ちなみに神様を数えるときには「柱」を使うとのこと。つまり三神は三柱と言うそうです。
その後六柱があらわれたのち、イザナギとイザナミがあらわれたため、彼らは割と遅い登場だったとわかりました。
ギリシア神話などに慣れているせいか、日本は古代でも近親相姦はタブーだったと知って、意外な気がしました。
異母兄弟や伯父と姪などは大丈夫だったそうですが、禁断の愛により、自害した兄と妹の神がいたそうです。
日本神話には、その点モラルがあったんですね。
「あまや己(おの)が物(もの)によりて泣(な)く」(海人は自分の取った魚のために泣かされる)ということわざの説明もありました。たらいまわしにされて、せっかくの良心があだとなる、かわいそうな話です。
垂仁天皇の御子は口がきけず、天皇は白鳥を追わせたというエピソードを、初めて知りました。
最終的に、白鳥を追い続けて出雲神社に参拝したことで、口がきけるようになったそうです。
海幸と山幸の兄弟も登場しましたが、彼らの本名を知りませんでした。
でもやっぱり長くて覚えられない名前です。木花咲耶姫の息子たちだったんですね。
子供の頃に読んだ時には、普通の漁師の兄弟のように感じていましたが、そういえばこの人たちも神様だったことに気がつきました。
古事記に登場するのは、ほとんどが神様で、一般人は登場しないと考えるのがよさそうです。
借りた釣り針を失くしたため、自分の剣をつぶして代わりに500もの釣り針をつくったのに、怒った兄は一切受け取らなかったというくだりで、なんと意地悪で頑固なお兄さんだと思いましたが、実はそうではなくて、霊的力を持っていたものを無くしたことは替えがきかない大変なことだという意味が含まれていたと、知りました。
そう考えると、たしかにいくら数をもってしても、霊力がないものだと全て意味がないわけですから、霊力を持つアイテムを失くされた兄がかわいそうに思えます。
弟は海の姫と結婚するが、出産の時に禁を破って中をのぞいたら、ワニだったという話は、「鶴の恩返し」に繋がるものを感じました。
古事記は、エンディングがパッとしなくて印象が薄いため、今回、ラストを意識して読みましたが、やっぱりあっさりと尻つぼみ的に終わりました。
作成時の時代で終わっているからかもしれません。
話を追うだけでなく、その背景にある事情の説明も掲載されているため、現代の感覚で読むと、不条理感いっぱいのようなこの神話も、納得しながら読むことができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知っておきたくて、読みました。
面白いんだけど名前が長くて覚えづらく、「誰だっけ?」と前に戻ること数回。
家系図やイラストがあって、ちょっと助かりました。 -
2010.01.28 了/ 面白いようなどうでもいいような,でもどこかで聞いたようなお話がたくさん.海外でいう聖書のお話のようなものか.
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古事記は和風ギリシャ神話のようで
けっこう好きです。
とくにこれは図解がわかりやすくて良かったです。