- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862485588
作品紹介・あらすじ
団塊世代の退場、年功序列・終身雇用の崩壊、広がる格差。戦後の中流層を支えたものが過去になりつつある今こそ「サラリーマン」という生き方を見つめ直す時だ。出世街道を邁進する者、万年ヒラの者、脱サラする者、ベンチャーを興す者、仕事より趣味に没頭する者…。サラリーマン漫画の数だけ、働き方がある。ニッポンのサラリーマンたちは、どこから来てどこへ行くのか?島耕作からオタリーマンまで、名作マンガに刻まれたサラリーマンたちの生き様を見よ。
感想・レビュー・書評
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イマイチ考察が甘い、文章がアマチュアっぽい
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まんが
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読んで字のごとくサラリーマン漫画の解説本。ただ作品を解説するのではなく時代の変遷を経てどうサラリーマンの考え方が変わったかをも指摘。個人志向というか仲間意識が強くなっているのが当世風。
個人的にはフジ三太郎を取り上げていただいているのが嬉しかった。 -
サラリーマン観の変遷を知る上でも、漫画の変遷を見ておくことは興味深い。
個人的には、現在の「仲間内での承認を求める」ことを主軸にした生き方には共感するし、尊厳をどぶに捨ててひたすら会社に尽くす生き方よりも、はるかにましであると思う。 -
サラリーマン漫画という切り口から戦後日本社会の変遷を辿った一冊。基本的には、単純に有名漫画を時代順に並べて、そのストーリーをプロット(+たまに筆者の分析)しただけのものだけど、これが妙に面白い。テレビCMやほかのメディアの様子も紹介されたりするので、サラリーマン漫画を読まない私でも、「ああ、あのCMが流れていた頃か」という想像がついた。
妙に手触り感のあるタイムトラベルだった。 -
六平太しかまともに読んでない。サラリーマンと聴いてひとが思い浮かべることも、この戦後60余年で知らず知らず変わってる。
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「島耕作」に引っ張られ過ぎの本なのが残念だけど、全体的に冷静な分析で漫画好きには面白い。
人それぞれ、投影するものがあるからサラリーマン漫画が生き残っているのでしょう。安定、束縛、そしてそれが欲しくても手に入れられないものになる時代になっていく、という「お茶の間」を通した解説にはドンヨリした納得を覚える。だからこそ続きが読みたいなあ(この本の、じゃなくて「バタアシ金魚」と「お茶の間」の)。 -
漫画というメディアでサラリーマンがどのように描かれてきたのか、時代に沿って(戦後〜高度経済成長期〜バブル崩壊〜現代)代表的な作品を紹介し、考察する形。
代表的な作品として紹介されているのは下記の作品。
「島耕作」「ロボットサラリーマン」「フジ三太郎」「サラリーマン専科」「劇画オバQ」「中年スーパーマン左江内氏」「商社の赤い花」「会社の幽霊」「釣りバカ日誌」「なぜか笑介」「おとぼけ課長」「かりあげクン」「総務部総務課山口六平太」「妻をめとらば」「ツルモク独身寮」「気まぐれコンセプト」「お茶の間」「宮本から君へ」「100億の男」「サラリーマン金太郎」「いいひと。」「働きマン」「サプリ」「ヒーローズ」「エンゼルバンク」「透明アクセル」「ボーイズオンザラン」「ぼく、オタリーマン」「サラリーマン田中K一がゆく!」「東京トイボックス」「午前3時の無法地帯」「特命係長只野仁」の32作品。
自分は上記作品を1つも読んだ事が無く、釣りバカ日誌の映画をちょっと観たぐらいですが、非常に面白く読めました。
作品の内容のみでは無く、作者の職歴等の経歴やインタビューでの発言等からの引用も多く、それぞれ興味深い。
紹介されている作品を何個か読んでみて、また読み返してみたい。 -
源氏鶏太が作り出した「サラリーマン映画」とそこで描かれる「誠実で実直な主人公が卑怯な悪役をやりこめる」というテンプレートを軸に、時代ごとに変化していくサラリーマンの描かれる姿を島耕作からオタリーマンまで追っている。
「仮想敵としてのバブル」という言葉がある通り、ある時期のサラリーマン漫画は泥臭いサラリーマン回帰を果たし、それすらも失効するにつれ、サラリーマン漫画のバックグランドは社会からより小規模なコミュニティへと変化していく。単なる作品レビューではなくこうした変化をきっちり押さえていて、納得のいく一冊。