戦国合戦の舞台裏 ~兵士たちの出陣から退陣まで~ (歴史新書y 10)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862486332

感想・レビュー・書評

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  • 2010年刊。軍隊運営も政治だが、本書は、戦国時代における軍隊運営・戦場での実像を、当時の日記や他の史料から解読。実に歴史新書yレーベルらしい書。軍勢集結・解散のありよう、兵站の意義、商人の戦場での跳梁、刈田のような戦場での兵糧確保・糞尿処理等の生活管理の実際、今風にいえば軍規の実像等、地道に情報を集めたなぁ、という印象は強い。本書の類の書を読み始めたため、戦国英雄群像小説はリアリティを感じず、興味をなくしている(せいぜい「信長の野望」のようなゲーム?)。兵糧確保に奔走する無名の吏僚に思いを馳せる書。
    とはいえ、商人・海上輸送路の大々的利用による兵糧確保に関する織田信長の革新性、土木建築を巧みにかつ大規模に利用する豊臣秀吉の革新性は特筆すべき点か。

  • 真面目な本。
    甲冑辞典やったかな?そんなの方が、実際のトイレの仕方とかもう少し面白く書いてたかも。

  • 戦国時代の合戦は、華々しい戦いの場面こそ映像などでイメージが出来ているが、実際にはそれに参加する人々が、普段の生活から合戦にいたり、そしてまた普段の生活に戻ってゆくまでのプロセスが存在していたはず。本書では、招集がかかるところから、陣取り、補給、進退といった実際の様子を、残された資料を基に再構成してゆく。

  • 戦国時代の出陣において、食料・資材の調達や、宿と移動経路の確保など、兵站をどうしていたのかについて書かれた本。戦国大名の立場だけでなく、民衆の立場からも史料が検証されていて面白い。うまく立ち回って禁制を入手できれば一安心だけど、禁制を入手できなければ現地調達の被害者になってしまうし、敵が戦略の一環として苅田や苅麦にやって来たら、自分たちでは対処不能だし、あの時代の民衆は大変だね。

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著者プロフィール

1958年、横浜市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。博士(史学)。専攻は日本中世・近世史。神奈川大学、慶應義塾大学、中央大学などで非常勤講師を務めた。 著書に『草と木が語る日本の中世』(岩波書店)、『軍需物資から見た戦国合戦』『境界争いと戦国諜報戦』(洋泉社、のちに吉川弘文館)、『鎌倉武士と横浜』(有隣堂)など。

「2022年 『家康家臣の戦と日常 松平家忠日記をよむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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