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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862487254
感想・レビュー・書評
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本書を読むまでの春画のイメージは片手で読む絵、すなわち自慰のオカズだと思っていたのだけれどそれは違った。江戸の春画は、嫁入り道具であり、団欒の道具でもあり、今で言うファッション雑誌でもあった。
春画の役割や、春画から見た江戸の性愛文化をわかりやすく、面白く書いてある本書はとても面白い。
これを機に江戸文化の書籍を買い漁りそうである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸時代の風俗に興味を持って読んでみた。
冒頭、著者は、春画はポルノグラフティーではないと強く主張していた。そのそも西洋の考えが輸入される前の文化なのだから、西洋の基準で評価すべきでないという論点もあるが、それだけではない。あとがきでもやはりそのことに触れていて、わかりやすく説明すると、春画はオナニーするためのものではなく、見て笑うもの、なのだという。本文を読んでいくと、なるほどと納得できる。
結合部が強調された絵は、確かに笑いを誘う。一方で、絡み合う男女の背景やその着物や表情、セリフから様々な情景や文化を読み取ろうとする試みは面白い。日本人の、裸で笑いを取る文化、を垣間見た気がした。もちろん、こうした文化は、前近代的として切り捨てることもできるかもしれないが、そうした議論をする人には、そもそも近代と前近代で文化を区切る必然性から議論するべきだと思った。
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