日本農業の底力 ~TPPと震災を乗り越える! (新書y)

著者 :
  • 洋泉社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862488701

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

  • 611.7||Oi

  • 日本の農業政策の矛盾や不備について書かれていて、納得する部分が多かった。
    TPPについても書かれている。
    これは、僕にはよくわからない問題である。

  • 数年前までは日本の農業は製造業に比べて競争力が弱いので、補助金等で助成することは仕方のないことと信じていましたが、「日本の農業は世界5位」という本を読んで驚いた記憶があります。農業に関することと言えば、食物自給率の低さばかりが取り上げられて、日本の農業が付加価値の高い野菜・果物などの生産に得意であることを知りました。

    この本では日本農業の底力と題して、日本の農業には成長力があることを解説しています。日本の政府も今までの権益にとらわれないで、日本の国民が美味しいものを十分だべられるように、農家を支援して欲しいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・篤農家、地主等と呼ばれていた人たちは農業技術の全国普及を熱心に行って明治政府を支えていたが、戦前の国家総動員法により減少しつづけ、戦後の農地改革によって「農業経営」がなくなった(p5)

    ・農水省はTPP参加により4.1兆円の農業産出額が減少するというが、この15年間の交渉ですでに3兆円余りも縮小している(p29)

    ・2005年の不作時において米が無い場合は外米ではなく、パンや麺にシフトする。日本と他国米では異なると認識している(p32)

    ・農協のコメビジネスは、基本的に手数料商売になっている、手数料は米価に準拠しているので、米価が下がることは手数料=収入が減ること(p34)

    ・農業で生計を立てている人は、農協組合員の3.7%(36万人)しかいない、農業経営者は1%(p37)

    ・放射線量を価格と同様商品に明示することは、唯一の農業生き残りのカギである(p67)

    ・日本の貿易額におけるFTAカバレッジは 16%、米国:38、EU:30(域外),76(域内)等に比べて低い(p82)

    ・野菜、果樹、花はすでに関税3%であり国際競争力は強い、米は779%の関税(p87)

    ・日本の農業力(産出、輸出、輸入)はどの統計をみても、世界の4-7位に位置している(p108)

    ・日本の純輸入量が多いのは、輸出額が異常に少ないため(p114)

    ・日本において競争力のある農業生産性を示しているのは、千葉・鹿児島・宮崎・愛知である(p123)

    ・オランダは農産物のみならず、ノウハウ、農業技術、農業モデル自体を輸出している(p142)

    ・デンマークは1800年代前半にナポレオン戦争に負けて国土の殆どを失って、400の島と半島のみが残った、穀物ではなく、畜産と酪農に特化する戦略をとった(p152)

    ・デンマークの農協は、ワンユースワンボート制で、利用高に応じて発言権が大きくなる仕組み、日本の一戸1票とは異なる(p153)

    ・農地法、食管法、農協法は、戦前期(1920-40)のわずか20年で作り上げたもの(p191)

    ・我が国の農家の数は、明治5(1873)年の戸籍によれば、78%が農家(p193)

    ・定免法による年貢制度が定着する享保年間(1716以降)からは明治3年までは、生産力の発展によって民間の取り分が増えた、分母に米生産額以外に副業収入を加えれば、40%の税率は10%程度と見られている(p195)

    2012年6月16日作成

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著者プロフィール

大泉一貫(おおいずみ・かずぬき)1949年宮城県生まれ。東京大学大学院農業系研究科修士課程修了。農学博士。現在宮城大学教授。内閣官房「産業競争力会議・農業分科会」有識者委員。過去に、日本地域政策学会会長。内閣官房「食と農林漁業の再生実現会議」委員。内閣府「規制改革会議」専門委員(地域経済・農業部会)等歴任。著書に、『日本の農業は成長産業に変えられる』(洋泉社)、『日本農業の底力』(洋泉社)、『ニッポンのコメ』(朝日新聞社)、『大衆消費社会の食料・農業・農村政策』(東北大学出版会)等。編著書に、『経営成長と農業経営研究』(農林統計協会)、『農業経営』(実教出版)等。

「2014年 『農協の未来 新しい時代の役割と可能性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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