鈴木宗男が考える日本 (洋泉社新書y)

  • 洋泉社
3.13
  • (4)
  • (4)
  • (10)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 52
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862488855

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2022年11月読了。鈴木宗男代議士の存在理由はわかる。2012年にはこういうことを言っていて今維新の会というのはなあと政治家の理念と現実を考えさせられる。逆の見方をすれば、自分の今言っていることに縛られない天衣無縫さがなければ政治家など務まらないということか。

  • 浅はかな言い方をするならば、鈴木宗男ほど、メディアに悪しくイメージを作られた政治家も珍しく、その悪者イメージ=旧態の政治家の象徴として国民にインプットされた役者としては、小沢一郎と共に、メディアや検察に権力を削がれた至近の二大事件だろう。私として、未だに彼に対する疑念は晴れず、しかし、東京地検が挙げた収賄問題など、さして大きな問題とも解釈していないのにである。芸能人同様、いかに政治家がイメージの中で生きているかの証左ながら、私自身がそのイメージで語るという意味で、浅はかな話として自覚の上ではあるが。時に、この政治のポピュリズム化の弊害について、小泉純一郎の例を引きながら、本著の対談の中でも問題視する。いかに国民のイメージが、大局に揺さぶられ易い事か。

    一方で、佐藤優に対する一般的な見方は、信頼足るという声の方が多いだろうし、もう一人、松山千春についても好意的な意見が多かろう。この二人から伝わる鈴木宗男観こそ興味深い。直に接しないとわからない事は、思っている以上に多いのかも知れない。

  •  鈴木宗男の言い分そのまま信じるべきか否かはともかく、マスコミの一方的な報道の危うさを改めて思い起こさせられる。
     ファイク・ニュースは今に始まったことではない。

  • 鈴木宗男と佐藤優、魚住昭による対談本。

    鈴木宗男の政治思想がこの2人との対談により明確になった。
    かつ小泉以降の新自由主義や、安倍の「美しい国」という漠然とした価値観に敢然と異を唱える姿勢には共感が持てた。

  • 北方領土問題のエキスパート
    鈴木宗男さんのこの本は日露交渉までに読み終えたかったのでなんとか間に合いました。
    どういった結果になるかわかりませんがもうすぐ結果が出ます。
    来年に選挙があるかないかも決まるこの交渉。
    楽しみに待ちたいです。

  • 頭のいい政治家というのは人様の心をつかめること。人の立場に立って物事を考えることができること。それが情。高度な政治的駆け引きにそり何にしろ、そういうのが重要。

  • 変わらざるをえない状況にあるなかで、いま日本に必要なものは何なのか?「浪人」「大病」「投獄」大人物になるという3つの条件をクリアーした鈴木宗男とともに魚住昭・佐藤優が日本にいま必要なものを語る。

    この本はタイトルこそ鈴木宗男になっておりますが、メインとなっているのは佐藤優氏です。それはさておいても「疑惑の総合商社」とまで揶揄され、下獄までした政治家・鈴木宗男。彼のことはマスコミのバッシングによって「国賊」とまでののしられておりましたが、いかに自分が「彼ら」によって「だまされて」いたのかということを、本人の著作や佐藤氏の本を読むことによって知り、「鈴木先生、ごめんなさい」と土下座をするほどではありませんが、この場を借りて謝罪をしたくなる衝動に読みながら駆られていました。

    東日本大震災、福島第一原発事故、TPP、さらには主要国の選挙が多く実施される2012年。国内外でも状況が大きく変わっていくこの瞬間に鈴木宗男という男が何を考え、どこに行こうとしているかを佐藤優氏とともに語るのが第1部。第2部では魚住昭氏とともに官僚制や、戦後の保守主義政治を体現する鈴木宗男や野中広務を抵抗勢力として除外し、「歴史の転換点」とも言われる新自由主義などについても存分に語られていて、新書ながらも中身は十二分に濃いものとなっております。

    やはり、大手もマスメディアでは一切報道されないようなことがバンバン語られているのが凄く印象的で、官僚組織や、そこで働く人間たちが何を考えているのか、ということも非常に参考になりましたし、安易な反新自由主義論や机上のエネルギー論・安全保障論などとも違う、まさに「現実に即した」鈴木宗男にしか出せない。それも獄中というある意味閉鎖された環境にいたからこそ、到達できた、というようなことも語られていてそういったことも今後、私たちがどうなっていくのかということを考える上で、参考になると思っております。

  • 全体としては、外務省の内部(アルマジロ男!)などは過去の鈴木宗男の色々な本にあるエピソードでも読めていたので、新鮮さは無い。

    一点、気付かされたこと。
    500万の祝い金で持ってくる政治は良くないが、5万円の祝い金を100人の人からもらうのはいいのではないか、という箇所。
    新聞などの報道では、単純に金額のことだけを指しているので、そこから反射的に”悪”と決めつける感覚となっているが、こういう小額でも大勢の人からの支援、という可能性もあるのだから、注意が必要ですね。
    こうした多数の市民の支援、こそが政治なのかなと考えさせられました。

  • 鈴木宗男氏、魚住昭氏、佐藤優氏の御三方が対話形式で、"今の政治"について語った一冊。
    東日本大震災から一年、今の状況をどう読み解けばよいのかの指針としても興味深く。

    実際には「鈴木氏×佐藤氏」が約2/3、「魚住氏×佐藤氏」が残り1/3な感じですが、
    佐藤優さんがナビゲーターを務められていて、とても分かりやすく入ってきました。

    そしてあらためて、2002年当時の鈴木宗男氏のバッシングの異常さを思い出しました。

    - 鈴木バッシングの本質は、排外主義的なナショナリズムなんですよ

    当時はよく状況も把握せずに、ヒドイ政治家がいるものだとの認識でしたが、
    これはメディアの言い分を無批判に受け入れていた自身を含めて、今でも恥ずかしく思います。

    あの時、メディアに後押しを受けて鈴木氏と佐藤氏を叩いていた代表的な政治家が、
    田中真紀子氏であり辻元清美氏でしたが、、二人のその後をみると、非常に奇妙な現象でした。

    少なくともその二人は何も成し得てなく、政治家としての芯もなく(多分に売国的ですが)、
    ただ上手く担がれただけだったのだなと、10年が過ぎた今であれば、そう見てとれます。

    当時その流れに深く考えることもなく乗っていた自分への自戒も込めて、
    地頭を鍛えること、自身の言葉に落とすことは、心がけていきたい所。

    その為にも、それらのベースとなる教養を身に着けていかないとなと、あらためて実感しました。

  • 鈴木宗男氏が東日本大震災を契機に感じたこと等が佐藤優氏との対談を通じて述べられている。宗男氏の人となりがよく伝わってくるが、外務官僚や公明党に関する件(くだり)は冗長だった。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

昭和二十三年北海道足寄町に生まれる。四十四年衆議院議員中川一郎秘書。四十五年拓殖大学政経学部卒業。五十二年農林水産大臣秘書官。五十五年科学技術庁秘書官。五十八年衆議院議員初当選。平成元年防衛政務次官(宇野内閣・海部内閣)。二年外務政務次官(海部内閣)。四年自民党副幹事長。六年衆議院議員 沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長。九年国務大臣 北海道・沖縄開発庁長官(橋本内閣)。十年内閣官房副長官(小渕内閣)。十一年自民党総務局長(小渕総裁・森総裁)。十四年衆議院議員運営委員会委員長。十七年新党大地結成。同代表就任。二十一年衆議院議員八期当選。衆議院外務委員長。二十二年在職二十五年永年在職議員表彰。二十三年新党大地・真民主結党。同代表就任。二十四年新党大地に改名。同代表就任。

「2014年 『「日本の分」について考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木宗男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×