- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862488879
作品紹介・あらすじ
一六〇九年の島津侵攻、一八七九年の「琉球処分」による日本支配、一九四五年の日本敗戦によるアメリカ支配、そして一九七二年の「沖縄返還」による日本支配への復帰と、琉球・沖縄の歴史は常に侵略・支配されるネガティブな歴史としてイメージされてきた。著者は、独立国家・琉球の歴史を、中国や日本といった「国家」単位で理解することに異議を唱える。輝かしい交易国家・琉球の本質を捉えるには、「海域アジア世界」という「面」と民間レベルを含めた交流史の解明がポイントだという。その歴史をいちばん体現した時代こそが12〜17世紀の古琉球時代だった。
感想・レビュー・書評
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琉球王国の成立について「古琉球」についてとても参考になる本でした。
とくにへぇ~と思ったのが、”琉球の最初の王・瞬天の出自が源為朝とする伝承は薩摩の琉球侵攻後、薩摩支配下の1650年に著された「中山世鑑」から正史に採用された。”(P142)ということ。
これって、奄美の平家伝説が、同じく薩摩の奄美・琉球侵攻後に書かれた「平家没落由来記」(1773年)を元としていることと同じというのが興味深い。 -
世の中の歴史認識としては、琉球王国は中国大陸や日本による侵攻を繰り返され、そして日本によって実行支配されたネガティブなイメージが残っている。しかし著者はそうではないと批判する。琉球王国ほど諸外国との交易により日本以上に開かれた国として栄えたという。著者は知られざる12世紀~17世紀までの琉球王国を考察しながら、本来の琉球王国の姿を映し出している。