- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862489241
作品紹介・あらすじ
自己責任論の危うさと「親」であることの責任。アビューズ(児童虐待)の深刻さはどこにあるか。「しつけ」のもつ意味と発達障害。少年犯罪と青年期の「性」の難しさ。著者は訴える。発達障害とは"異常性"ではなく、人間がもつ「こころ」の働きの、ひとつの現れである、と。マスコミが報じる浅薄な情報に抗して打ち立てられた滝川「こころ」三部作の到達点を告げるインタビュー集。
感想・レビュー・書評
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思索
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ピアジェやフロイトの理論を分かりやすく解説してくれている点はとても評価できる。
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発達障害を主テーマに添えながらも、現代の自立と依存の関係、自己責任の問題、虐待による心の発達のゆがみ、「性」の発達を通じて精神発達についての説明をされ、フロイトとピアジェの発達論を整理しなおし、最後は3・11の影響についてまとめられた。中井久夫先生の名古屋時代のエピソードも興味深い。特に「自立」「自由」「責任」についての論考は納得できた。『「自立」を急がせすぎて孤立させていないか』、気をつけなければならない論考である。
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発達障害や、虐待児を見つめることで、
子どもの心の発達の道筋や、
養育者のかかわりの重要性について述べられている。
特に「性」の発達については、実例があげられており、
理解しやすく、述べられている。 -
発達障害という切り口から、当たり前のようで当たり前ではない発達の過程を照射する。知能(知る)と関係(分かる=分かち合う)は車輪の両輪であること、正常と異常は線引きできるものではなくスペクトラムであること、性にまつわる両義性という困難など、この「こころ」シリーズならではの頭と体のバランスのとれた洞察が味わえる。
本編も素晴らしいが、ある意味で予想できた素晴らしさ。滝川さんが師の中井久夫について語る5章はこじつけたテーマから生まれた予想外の素晴らしさ。
等身大の一人の人間であること、社会の中で一定の役割を持つこと、特定の分野でエキスパート/プロフェッショナルであること。それが好循環で支え合う姿。そんなことを考えさせられた。 -
私が期待してたような内容とは少し違ってたけど、まあよいインタビューだと思う。虐待と犯罪についてのことが主。
身内のなんとやらみたいな雰囲気も感じるけど。