- 本 ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862506368
感想・レビュー・書評
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先日、おりづるタワーに行く機会があり、著者の松田哲也さんもちらっとだけお目にかかった。
その前に読んでいれば、もっとよく味わえたのになあ、と後悔の念にかられている。
広島・原爆ドームに並び立つおりづるタワー。この建物がどんな思いで作られたのか。
僕は建築に関心が強いので、三分一博志さん(松田さんと同級生だそうで)の設計によるこのタワーがどんなプロセスで建てられたのか、施主側の立場から語られる内容がとても興味深かった。
建築プロセスと、ビジネス…というよりビジョンの見せ方としてとても良い。
広島へ行く前に読んでおくべき本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これを読むまでおりづるタワーの入館料高いと思っていたけど、まさかあんな狙いがあるとは知らなかった、ぐれていた少年が社長になれたのも何だが不思議。
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タイトルよりもデカデカと書かれた帯の
おりづるタワーはなぜあんなにも入場料が高いのか
という言葉に惹かれて購入
実際におりづるタワーには行ったが、その入場料の高さゆえにのぼるのはやめてしまった
なぜ、そんな高い値段を払って、、、
この本を読んだ今、登っておけばよかったと後悔
いや、登らなかったからこそこの本に出会えたし、価値観を変えるきっかけにもなった
現在、小学校の担任をしている。
2045年を目指してどんな社会にしていきたいのか、戦後100年を意識してどうなりたいのかを子どもたちに問いかけていきたい。 -
てっちゃん、がんばってね
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母に勧められて読んだ。
最初はわりと、元社長令息・現社長(会長)の自分語りなんだろうなぁと思いながら読み始めた。
読後は、
一冊の本として、分かりやすい構成になるように
読んだ時に、読者が自分のことに繋げられるように
とても配慮されているという印象を受けた。
前半は、おりづるタワーの建設者として拘った部分や込めた思いについて。
後半は、いわゆる一般家庭ではなく、企業経営一族という華麗なる一族に生まれその中で享受したこと、悩んだことについて。
読者に対して上からでも下からでもなく、自慢にも卑屈にもならず言葉が紡がれていた。
章と章の間は、著者のFacebookにあった日記からの引用。詩的な文で綴られる想いは熱量が高め。本文が限りなく読者に配慮して綴られている(熱苦しくなりすぎず、タワーのことを知らない人が読んでもウッとならない)ので、この部分では本文よりも著者の心が少しだけ剥き出しになった感。何かひとつの物事をゼロから作り完成させることに対する情熱をより感じられる部分だった。
本は、読者のために書くものかも知れない。
でもこの本は、読者のためでもありながら、未来の著者自身のために、限りなく繊細にまとめられた「未来の自分への手紙」のような気もした。