我が一家全員死刑

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862529138

感想・レビュー・書評

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  • 死刑廃止論者の皆様方に読んでい頂きたい1冊。冤罪の恐れがあるからとか、国に人の命を奪う権利はない云々と色々廃止についての意見はあると思いますが、こいつらどう見ても100%犯人だし、このような人間を生かしておく事が平穏に生きている人達(私もね)にとって恐怖となるし、国がやらねば誰がやるって感じで、死刑反対の人権団体のみなさん文句があるならどうぞ彼ら一家を養ってやって下さい。
    まあ、子を持つ親の身としては徹底して甘やかすと持ち手カードが全部クズのロイヤル(クズ)ストレートフラッシュが見事に完成してしまいますよという参考書としてはよろしいんではないでしょうか。。。我慢を覚えさせるのは親の役目。これ絶対ですね。ほんと見事に性善説を否定する良書です。
    あと、ちらりと相撲界と暴力団の繋がりを感じさせるあたり旬な本ではないでしょうか。ぜひ!

  • 家族で共謀し、友人一家を皆殺しにしたうえ、たまたま居合わせた長男の友人まで撃ち殺し、強盗と殺人、死体遺棄罪で父母と息子ふたりが死刑判決を受けて上告中という特異な事件「大牟田一家4人殺害事件」の実行犯、北村孝紘の獄中記。孝紘は北村家の次男で、すべての殺人はかれの手によるものだ。まず孝紘は家族ぐるみで親しくしていた高見家の次男、穣史さん(当時15歳)を兄にいわれるまま絞殺し、遺体にブロックを括りつけて川に遺棄、それからまた父にいわれるまま世帯主である小夜子さんの首を絞め殺害、死体を車に乗せたまま長男の龍幸さん(当時18歳)の帰宅を待ち、最終的にその友人まで手にかけた。どの犯行も兄や父に操られるまま躊躇なく事に及んでいる。動機は逆恨み。そして金。しかし、鉄砲玉の孝紘にはいずれも関係なかった。本書はその奇妙な一部始終を本人の手により記した、いわば告白。友だちだった龍幸さんをこれから殺そうというとき、その最後のドライブで別れを惜しむように昔話に花を咲かせ談笑するくだりや、談笑しつつもこれから行う殺人に少なからず興奮をおぼえたとの記述が衝撃的だ。なにもしらない龍幸さんと思い出を語り合う場面はとくに、理解不能すぎて具合がわるくなる。とはいえ、つたないもののわりとよみやすい文章で、すらすらと一気によめてしまう。ただ、著者の解説は個人的な感想が多くてちょっと辟易するし、もうすこし掘り下げた取材をしてほしかった。でも「おれは殺人を楽しんだ」などとことさら快楽殺人を強調するのは孝紘の虚勢かも、という指摘は実際その通りだとおもう。

著者プロフィール

1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する。主な著書に『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文藝春秋)『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文藝春秋)『サカナとヤクザ』(小学館)などがある。

「2021年 『修羅の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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