彼女と彼女の猫

  • カンゼン
3.80
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862551825

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしく美しい作品でした!
    読み出したら止まりません

    登場する猫たちも、性格も立場も全く違った者同士。
    猫たちの思いにも胸がいっぱいになります。

    繊細で美しい作品です。
    読んで損は絶対ありません(*^^*)

  • ネコ視点とヒト視点が交差して素敵な物語になっている。
    さすが、「秒速5センチメートル」の新海さん!

    彼女の猫で、彼女は恋人というチョビほどヒトに入れ込んで
    いなくても、犬のジョンも含め、みんな、ヒトを思ってくれている。
    犬のジョンが、すごくかっこいい!
    あの町は、ジョンがいて秩序が保たれているのだろうな。
    たとえ、ジョンの体がそこにいなくなる日が来ても、みんな、
    ジョンを覚えている、きっと。

    心に深い傷を抱えた葵のお話が1番ぐっときた。

  • 新海誠の作品は今年公開の「言の葉の庭」で知りました。短い映画作品の小説化ですが、優しさと、温かさと、切ない思いが映像と同じように伝わってきます。自身も猫好きのなもので、登場猫物のキャラクターがリアルです。小説版言の葉の庭も雑誌で掲載されていますので、単行本化に期待します。

  • 言葉が通じ合うことがなくても、同じ時間を一緒に生きている。生きるための勇気をくれる。寂しさ、悲しさをやんわりと包んでくれる、優しい物語だなぁと感じました。

    色んなものが目まぐるしく変化していき、その忙しなさに押しつぶされそうになる。そんな闇を抱える現代人にオススメの一冊です。

    特に猫たちの縄張りを管理する仙人的存在、ジョン(犬)の言葉が心に沁みます。

    『愛する力、他者を必要とする力と言っていいだろう。寂しさと引き替えに得たこの力が、種を強くするんだ』という言葉。とても好きです。
    多様性があるからこそ、競争は避けられないし辛い思いをすることもあるけれど、1人の何かで完結しない世界だからこそ、一人一人の寂しさや喜びに意味があり、生きる事に価値があるものになるんだと、少し肩の荷が取れたような気持ちになりました。

  • 彼女と、拾われた猫の短編集
    彼女の目線、猫の目線で書かれている
    どの話の彼女も、落ち込む事があるけれど、
    それぞれの猫たちに癒され、励まされ
    立ち直っていく。
    とても優しい話

    猫がそばにいてくれる生活っていいな〜

  • 猫。

    猫いいなぁ。

  • 拾われた猫と飼い主となった彼女の物語。
    4つの短編から成り、それぞれ独立しているようで、猫を介して微妙に繋がっている。
    彼女の目線と、猫の目線が交互に描かれながら、ストーリーが展開されるのが面白かった。
    ドラマチックというよりは、身近にありそうな友達や家族、恋人との関係を描いていて読みやすいです。
    これを読んだ後は、ウチの猫に対しても今こんなこと思っているのかな、とか考えるようになってしまいます。

  • 人間に拾われた4匹の猫達と彼らを拾った4人の女性の、4作のお話が収められた連作短編集。
    それぞれのお話は、飼い主の女性と拾われた猫の視点で交互に進んで行き、少しずつ繋がっていきます。
    それぞれ問題を抱えた女性達が、猫に癒されて、新たな一歩を踏み出す様子が、穏やかに優しく描かれています。

    猫の一人称で語られる描写は、何だか面映ゆいような気がしました。
    猫からしたら、人間は本当にこういう風に見えていそうだな、と。
    猫を飼った経験はないのですが、言葉は通じなくても心は通じるということは、きっとたくさんあるんでしょうね。
    とても温かい気持ちになれて、自然に涙が零れるような、優しいお話でした。

    新海誠さんの自主制作アニメーションを、作家の永川成基さんがノベライズした作品。
    永川さんの書かれる一人称の文章は、口調が柔らかく読みやすくて、感情移入して読んでしまいます。
    柔らかい文章表現の中、たまに抽象的というか超然的というか、「世界」の不思議な言い表し方をされているのが印象的でした。
    この世界の広さに改めて気付かされたような気がしました。
    凄く綺麗な表現だなぁと思います。好きです。
    実は元のアニメを観たことがないので、是非観てみたいです。

  • 純粋に読んで良かった。。と思える作品でした。
    猫目線の話とその飼い主目線の話で物語は進んでいき、人と人、猫と猫の出会いや別れを描いた作品です。
    純粋に小説っていいな。と思える作品でした。

  • 切ない&わかる〜

  • 猫と飼い主の友情の物語。
    話が全部で4つに分かれていて、その都度主人公が変わるが、話自体はつながっているので飽きずに読めておもしろい。主人公も人それぞれ抱えているものが違くてとても良い。

  • 人間からの目線だけではなく
    猫目線も描かれていてとても素敵な本

  • 新海さんの映画は2本ほど見ているが原作本を読むのは初めてで、なんだか携帯小説を読んでいるような感覚だった。新海さんの「言の葉の庭」でもそうだったが、心情を表現するシーンが印象的で、作者の永川さんもうまく小説として完成させてる。一人の”彼女”に対して一匹の猫が付き、それぞれ人間同士が会話しているかのように心が伝わりあう。まこと、ファンタジー小説なんだけど、節、節ごとが詩のように謡うように流れ、読み始めはとっつきにくかったが、後半に入ってのめり込んだ。小説だけでシーンを想像することができ、それは映画で見たような幻想的に美しい風景が広がっていく。小説としての評価は何ともだけど、心に残る作品ではあった。

  • 実は映像化が先で、世に出たのはもう15年くらい前、らしい。
    猫の目線と人の目線が交互に描かれているのだが、その間のワープの、ためか、展開がとんでもなく進んでおり、おいてけぼりにされるところがちらほら。
    もう少し若いときに読むとまた感想は違ったのかな…といったところか。

  • 映画で話題の新海誠さんの作品で面白そうだと思ったから読んだ。
    実際はどうか分からないが、ここまでネコ達が観察をしていて、心配をしていたら面白いと思った。
    あと一歩されど踏み出せないというその一歩を踏み出す勇気というのは案外簡単なものなのかなと思った。

  • 【あらすじ】
    新海誠の幻のデビュー作が小説となって息を吹き返す!
    アニメとは異なる視点で描いたもうひとつの『彼女と彼女の猫』。
    都会で一人暮らしをする女性が、ある日偶然猫を拾った。
    自分の感情を言葉にするのが苦手な彼女と、彼女の不器用さをそばで見守る猫。
    友人との言葉の掛け違いを境に、彼女の日常から笑顔がなくなっていく。
    拾われた猫たちを軸に描かれる、四つの連作短編。

    【感想】
    新海さんはこの物語を通して、猫社会も人間社会と同じだよって言いたかったんじゃないかなと思う。恵まれた環境で生活できるものもいれば、そうでないものもいる。そして、人間に動物が寄り添うと不思議なことが起こる。そこに癒しが生まれたり、笑顔が生まれたり、時に涙がこぼれたり。それがあるから、物語が出来る。猫が拾われるまで、その人間を観察している様子を見て、本当に猫ってこうやって人間を見ているのかなあと気になった。そして、猫が拾われた時、猫は本当はどんな風に思うんだろうなあと思った。猫が人間の言葉を話せたら、きっとこんな感じなんだろうっていうのが、この物語を読んで、ちょっと想像できて楽しかった。

  • 新海誠監督の初期映像作品をノベライズしたもの。出版は映像作品の13年後だが、(当たり前だが)時代の変化をきちんと反映していた。

    その上で、原作映像を膨らませて、4つの「彼女と彼女の猫」の物語になっていたのは面白い。それらは交錯するオムニバス形式だったので、世界観は広がり、それぞれの「彼女」と「猫」の生活が描かれている。

    全体的に表層をなぞっている感があり心理描写の深みには欠けたけど、新海モノローグ的な綺麗な言葉の流れは楽しめるかも。

  • ★2016年度学生選書ツアー選書図書★
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11630229

  • 映像は観ていないけれど、新海さん原作というので購入。
    新海さんぽい雰囲気がでていてやさしい。彼女視点と猫視点で描かれていて、二つが交わることはないのだけど、寄り添う距離感がいい。
    三人の『彼女』が短編連作で、繋がってるのもいい。
    そしてラストもいい。

  • 友達の貸してくれる本、
    ぜんぶ素敵すぎて、、!!(笑)
    拾われた猫たちを軸に描かれてる
    のですが、とっても良いです。

  • 最終的にはほっこりあったかくなるお話でした。世間は厳しいけど、厳しいだけじゃないですよね!

  • 猫とその飼い主と、その飼い主の周りの人とその飼い猫や野良にまつわる短編連作。

    ジョン博識だな。
    ああいう風に犬や猫が物事を考えていたらと想像すると楽しい。
    ジョンの選択がらしくあったけど、やはり死に目に合えないのは辛い気もする。
    ジョンの後を引き継いで志乃に寄り添うクロが可愛い。
    葵に抵抗出来ずお腹を撫でられてたとこなんて堪らない。

    志乃さん良い人だなぁ。亮太が羨ましい。
    心が壊れかけてる時は、あんな感じに接してもらえるのが一番良い。

    美優が親友と決別したとこはなんとも言えない。
    自分も察するのが壊滅的にダメだから、ああいう大事なことは正面から口に出してもらわないと分からない。
    内容が内容なだけに察してというのは甘い気がする。
    相手に伝えることもまた同じくらい大切な事だ。
    チョビを拾ってからの美優が穏やかで活力がついていくのを見て、猫を無性に飼いたくなった。
    というか、この作品を読んでいたら猫飼いたくなる(笑)

    麗奈とミミも、ミミが飼い猫に落ち着いて良かった。
    ミミも死なずにすんで良かった。ちいさいときは身体が弱くとも立派にお母さん猫になってくミミにほっこりした。

    やはり新海さん関連の作品は良いなぁ。

  • とても共感して、元気づけられました。

    母になるからって、弱い自分が覆るわけじゃない。
    二十歳になったからって、強くなったわけじゃない。

  • じんわりと染みる話。連作短編集というだけあってそれぞれが少しずつ重なっているのが面白かった。猫視点というのも好きで、しかも深く考えており、猫の社会を覗いている気分だった。案外猫も自由ではないのだなあ…ジョンの博識さと深い考えに感動

  • 優しくてほのぼのする話。猫好きで絵本みたいな雰囲気が好きな方にはいいと思う。動物もの読みたくて買ったんだけど、携帯小説みたい。新開誠さんの世界観はアニメーションありきだと思った。著者は違うけど、文章にしたら安っぽく感じた読後だった

  • "彼女"と"彼女の猫"に関する四編。もっと彼女と猫が密接に関わっているのかと思ったが、それぞれに世界があって二人の関係とはその中の一部。すごく近くにいるのだけどベタベタしない感じが良かった。

  • 猫がかわいいです。人と、猫の関わり。猫好きに嬉しい本だと思いました。癒されます。

  • 新海誠監督、幻のデビュー作のノベライズ本。

    人と猫。
    それぞれの視点から彼らの生き方が描かれる、そんな物語。

    4つの短編となります。

    人と人と。
    猫と猫と。
    人と猫と。

    距離、存在、繋がりを感じる作品でした。

    猫飼いたい。

    むしろ猫になってみたい。

  • 雨の日、ぼくは彼女に拾われた。
    ──だからぼくは、彼女の猫だ。

    拾われた猫チョビと飼い主の彼女の物語から始まり、人の繋がりを経て巡る物語。


    まるで雨の音が聞こえそうな、しっとりと静かな作品だった。
    視点がコロコロ切り替わるので、途中で「え」となることもあるけど、猫視点を楽しめるのはいいと思う。
    若干気になるのが、表紙の彼女の部屋と中の物語の彼女の部屋が一致しない気がすること。
    散らかすような性格には思えないので、もしかしたら物語の中の違う人の部屋……? と読了後に悩んだ。そこはどうなのだろう。

    好きなシーンはラスト近くのジョンを探しにクロとチョビが滑走するところ。
    この切ない疾走感で泣けた。

    新海誠のファンならば読んでも損はないかもしれない。
    一般的に言うと、猫好きにおすすめ。
    猫特有の行動とかが猫の気持ちで書いてあるので、思わず微笑んでしまうと思う。
    中が案外すきすきなので、さくっと読めるのも魅力。

    優しく肌の表面を撫でていくような読了感だった。

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