サッカー右翼 サッカー左翼 監督の哲学で読み解く右派と左派のサッカー思想史
- カンゼン (2015年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862553232
作品紹介・あらすじ
「つまらないサッカー」は極右への賛辞?「自分たちのサッカー」は極左の常套句?勝つために手段を選ばない者たちと、美しく勝つことにこだわる者たちの戦いで、サッカーは進化してきた。
感想・レビュー・書評
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久しぶりに、海外サッカーのオタク本。
別段に「良い本だなあ」という訳でも無いのですが、日々ニュースを読んで愉しんでいるのと同じレベルで楽しみました。
世代として「ドーハ世代」なので、1992~1995くらいから、たまにサッカーと言うものを見るようになって。代表中心に。
2002~2004くらいから、衛星放送などの普及からか、海外リーグも見るようになって。
2004-2005のチャンピオンズリーグの「イスタンブールの奇跡」を生中継で観てしまってからは、リバプールファン、という、
恐らく同世代では大勢、まったく同じ履歴の人がいるのではないか、という経緯です。
(そして、リバプールがいちばん感情移入しているけれど、心の2列目にはアーセナル、バルセロナが並んでいる、というこれも恐らくよくある傾向だと思います)
例えば野球の巨人ファンでしたら、試合そのものを生で観ていたとしても。
その試合が愉快な試合だった場合は、それについてのニュースとか振り返り特集とか、インタビューとか、ついつい楽しんでしまいますよね。
それと同じような感覚です。
「結果に拘って守備を重視するスタイル」と「攻撃や美学に拘るスタイル」を、ことば遊びとして「右翼左翼」という言い方で分類したり、
それをきっかけにその目線で歴史を振り返ってみたり、という趣向です。
一時期、この手の雑誌や本を、アホみたいに読んだりしたので、ひとつひとつのディティールやエピソードは知っているものが多いですが、
これだけ長いおはなしをこういう切り口で編集する、というのは、愉しませていただきました。
文章自体は、たまにちょっとこねくり回しすぎな感じがしましたけれど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
左翼のサッカー は、テクニカルで細かくパス回し勝ち方にこだわる
右翼のサッカー は、勝利至上で、守備から入って、フィジカル重視
だそうです。
もともと余興的な企画だったようです。
個人的には、スタジアムで観戦してて、中盤飛び越して、ロングパスをバンバン蹴る試合よりは、ショートショート逆サイドとか、ワンタッチツータッチでテンポよく繋がってシュートまで運ぶのが好きです。 -
面白そうだと思って購入してはいいが、初版が2015年。
タイミング逃した感がある。
サッカーにおける左派は、理想を追い求めるもの。
サッカーにおける右派は、現実を突き詰めるもの。
あなたはどちらかを好みますか?
そりゃあ、誰もを魅了するサッカーで勝ち続けることができれば文句はないけども、そうでないから今作のような左派・右派の括りが語られるわけですよ。
華麗なパスワークで相手を翻弄して勝つのもいい。
ガチガチに守ってカウンター一閃で勝つのもいい。
ああ、結局のところ勝利につながりさえすれば、いいのかな?
ゴールという解放へ向けての方法が違うだけな気がしてきたな。そこまでの道程にスペクタクルを感じるのだから。