箱根駅伝監督 人とチームを育てる、勝利のマネジメント術

著者 :
  • カンゼン
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862553263

作品紹介・あらすじ

自身も元箱根駅伝ランナー!初の単行本。国民的行事、"箱根"を制するために何が必要なのか?箱根駅伝出場強豪校の名将たちが明かす、指導哲学&組織づくりの秘訣。9者9様のチーム戦略。

感想・レビュー・書評

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  • 箱根駅伝を目指す大学は年間10000km、多いときで月間1000km走る。このレベルになってくると練習内容はどこも大差ないという。そこで差を生むのが監督のマネジメント力。換言すれば優れた指導力。
    時にそれは○○マジックなどというように形容されます。
    この書にはそんな優れたメソッドが詰まっています。すごく難しいといわれるピークのもって行き方。目標のもたせかた。それぞれが鋭い洞察と判断の正確さの積み重ねでで「マジック」は産み出されているのだと感じました。

    箱根の5区が延びたことで、5区を制するものが箱根を制する、前半勝負の様相を呈している。
    例えば、エースを5区におく、坂道で靴音が聞こえるのブレーキがかかってる証拠だから足音のしない選手を5区にえらぶなど色々です。
    また、各大学の練習。
    「子どもたちを陸上嫌いにさせて卒業させたくない。」バーベキューや水泳大会、走るコースを変える。いろんな大会に参加させ飽きさせないなど「今時」にあわせた工夫がありました。その先に
    「将来を見据えた指導をする」ということで、世界を意識させたり、実業団で活躍できるようにと箱根駅伝をゴールとしない指導をしてるのが印象的です。
    一位か十位かと不安な選手は使わない。一位も取れれば十位もあり得る。長距離でそんな事あるのだろうかと思うけど、それほど繊細で、メンタルがものをいう部分も見のがせないところでした。
    また、全日本、出雲はスピードレース。箱根は長い距離を走れれば勝てると箱根に特化したチームもありました。いや、奥深い。

    今年も駅伝のシーズンがはじまります。
    どの大学がどのようなドラマを打ち立てるのだろうか。そこには本書にある監督のマネジメントがバッチリハマっているはず。
    箱根駅伝の奥深さを知りました。もっと箱根駅伝を楽しめそうです。

  •  箱根駅伝の「監督」にスポットを当てた一冊。
     近年の優勝校や今年度の「三強」を中心に、9人の監督が紹介されている。
     入学してくる選手のレベルや、チームの目標(優勝かシード権確保か)様々な中、各校の監督の考え方や箱根に対するスタンスの違いも興味深い。特に、高校時代無名の叩き上げの選手が多い拓殖と中央学院の、それぞれの監督のマネジメントの方法が全く違っているのが興味深い。
     ここに紹介されていない大学も含めて、各校・各監督それぞれにチームマネジメントに個性があり、特色があるのが箱根駅伝である。区間配置や選手の育成から、各校の特色の違いを楽しむのも、箱根駅伝の面白い部分である。

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著者プロフィール

1977年生まれ、愛知県出身。「箱根」を目指して東京農業大学に進学。1年時に出雲駅伝5区、箱根駅伝10区に出場。2年時の故障で競技の夢をあきらめて、大学卒業後からスポーツライターに。陸上競技をメインに取材して、様々なメディアに執筆している。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』(角川新書)、『箱根駅伝監督 人とチームを育てる、勝利のマネジメント術』(カンゼン)、『東京五輪マラソンでメダルをとるために必要なこと』(ポプラ新書)。

「2016年 『新・箱根駅伝 5区短縮で変わる勢力図 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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