サッカーおくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ

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感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862553751

作品紹介・あらすじ

Jを夢見るアマチュアクラブから地域に密着した企業チームまで変わりゆく日本サッカーの原風景。

感想・レビュー・書評

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  • 日本全国のサッカークラブの試合を観戦したり、クラブを取材したりした記録。取材した時点でJリーグに所属していたクラブは記録対象とはなっておらず、JFL以下のカテゴリーで戦っているクラブが対象となっている。
    2つ感じたことがある。
    1つは、サッカークラブが地域リーグからJリーグのクラブになることの難しさである。時間とお金と関係者の懸命で賢明な努力と、そして運がなければならない。この本に紹介されているクラブの多くは、もともとは都道府県リーグからスタートしている。県リーグ、地域リーグ、JFL。県リーグや地域リーグは2部制や3部制になっているケースが多いので、県リーグの一番下から始めたサッカークラブは、所属リーグでの昇格を相当数繰り返さないと、Jリーグまで到達しない。Jリーグに到達するには、サッカーが強いだけでもだめである。財政的基盤がしっかりしていないといけない、観客数がある程度の規模でなければならない、試合会場がしっかりとした競技場でなければならない、等、越えるべきハードルは多く高い。ただ、そのようにハードルが高いからこそやりがいがあり楽しいとも言える。サカつくというゲームがあるが、まさにこのような状況を模擬体験するようなゲームなのだろう。
    もう1つは、企業のサッカーチームの意味合いである。Hondaやソニーなど、JFLに所属する、すなわち、全国レベルの強い企業チームはいくつかある。意味合い、とは、Hondaやソニーにとって、JFLのチームを保有している意味が何なのだろう、ということだ。企業の福利厚生的なレベルは超えている。お金も相当にかかるだろう。一方で宣伝効果は薄い、JFLの観客数は3ケタのことも多いようである。Jリーグを目指すわけでもない。企業スポーツがなければスポーツとして日本では成立しにくい競技もあると思う。例えばハンドボール、例えばカーリング、例えば長距離走(駅伝みたいなもの)などは、プロとしてチームが成立しそうにない。逆にサッカーや、例えば野球の場合には、プロスポーツとして成立しており、企業がそのスポーツ競技の振興の意味でやる理由や意味はない。ここは、著者も問題意識を持ち、取材をしたりしているが、あまり納得感のある答えはなかった。

    というような事を考えながら読んだが、そんな事を考えずとも、単純に読み物として面白い。コアなサッカーファンには、お薦め。

  • この本を2021年になって読むと、状況が色々と変わっていることがよく分かる。宇都宮さんの分析や予想、あるいは当時触れられていた状況が当たっているもの、変化しているもの様々であるが、一定の時期に一定の見識を持った作家さんが全国各地のサッカークラブの状況を書き残していることの価値は非常に大きい。こういう本がしっかりと語り継がれて残っていくことが、日本におけるサッカー・スポーツ文化の発展に不可欠だと思う。

  • 地域に根付いているサッカーの面白さを味わいました。

  • スポーツニュースなどからしか見聞きしないマクロの視点からみると分からないミクロな世界に色々人の想いや努力やそれらの歴史が詰まっているのを実感する一冊。TV番組だけど、foot brainにも同じものを感じる。

  • 今を知っているからより面白い。
    本田FC、ツエーゲン金沢、フェルヴォローザ石川・白山FC、サガワシガFC、福島ユナイテッドFC、AC長野パルセイロ、日本プロサッカーリーグ、本田ロックSC、奈良クラブ、三菱重工長崎、アスルクラロ沼津、レノファ山口FC、ブリオベッカ浦安、高知ユナイテッドFC、ヴァンラーレ八戸、ラインメール青森、東京23FC、東京武蔵野シティFC。

  • いつの間にか私の生活にJリーグは欠かせないものになり、いろいろな場所でいろいろなチームを見るうちに興味を持ったのが「ホンダロック」。
    Jリーグを目指すクラブも、目指さないクラブも、どっちもがんばれ。

  • Jリーグには3部まであるが、本書に登場するクラブには、更にその下に位置するJFLを目指すものまで含まれる。小クラブならではの苦難や課題が語られつつも、そこには運営に携わる人間模様があり、サポーターがいるわけで、日本のサッカー世界の裾野はいつの間にこれほど広がっていたのかと、驚きの方が大きかった。TVで見かける元スター選手より地元の選手にサインを求める子供たちや、昇格ありきでなく身の丈にあった経営で存在感を打ち出す地域のクラブの紹介などは、多様な価値観が根付きつつある一例で、大袈裟に言えば社会の発展にも通じる。国内を旅行する時、街中でその土地のクラブのポスターやフラッグを見かける事が多々あり、サッカーだけを追いかけるだけで松尾芭蕉の行程を軽く上回る時代になった。100年構想もまず緒についたと言えそうで、そのひだの部分をガイドしてくれた点、ユニークで価値ある試みと思った。

  • 20170422読了

  • 2017.3.6 読了③

  • 今そこにあるサッカーを愛せ!

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著者プロフィール

写真家・ノンフィクションライター。1966年生まれ。東京都出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、テレビ制作会社勤務を経て、1997年に「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」を追いかける取材活動を展開。2010年『フットボールの犬 欧羅巴1999‐2009』でミズノスポーツライター賞大賞、2016年『サッカーおくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ』でサッカー本大賞を授賞。現在、個人メディア『宇都宮徹壱WM(ウェブマガジン)』を配信中。

「2022年 『前だけを見る力 失明危機に陥った僕が世界一に挑む理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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