- Amazon.co.jp ・マンガ
- / ISBN・EAN: 9784862636447
感想・レビュー・書評
-
大好きな一冊。 なのにレビューしてなかったので、再読記録。
岡田屋さんの作品はBLという括りではないと思う。 ガチゲイっぽいという意味もあるけど、そういうジャンルで縛り付けたくない、これは深い深い人生の再生の話。
過去に大きな精神的キズを負ったバーテンの葵と、バーの用心棒・翔太の物語。
葵さんが自分を守るために凶暴になってしまった過程が悲しく、翔太の愛情が大きくて温かい。
凄くキツい内容だけど、丁寧に綴られていく中でだんだんと癒されていく葵さんが愛おしく、翔太に対してぎこちなく感情をぶつけていく姿にキュン死するかと思った(泣)
翔太を坊主に刈ったことを反省して自分も散髪しちゃうエピソードなんて…男前すぎて惚れてまうやろ(*´Д`)
岡田屋さん作品の素敵なところは、キャラの人生を読者の想像だけじゃなく『ちゃんと見せてくれる』とこだと思う。
優しい表情をするようになった葵さん、翔太の腕の中で安心したように眠る葵さん、お父さんに電話をかけられた葵さん。 一冊の中でたくさんのドラマがあり、人の成長があり、物語にどんどん厚みを加えていく。
アラビアンナイトの挿入も素敵だった。 物凄く満足度の高い作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良いお話でした!千夜一夜の切ないお話が、カプと重なって心に響いてきます。岡田屋さん上手いなぁと唸ってしまった。ひねたバーテン・葵の心にある深い傷を年下攻め・翔太が純粋な温かい愛情で癒していく。葵の辛い過去、そしてその裏に隠れていた真実が見えてくると目頭が熱くなりました。本編の後、その後のお話「Acid」があり、描き下ろし3編続きます。コミカルに展開するけどベースにはしっかりとしたお話があり、最後の父親とのエピにはまたしても涙が。筋肉萌えなのでガチな絵柄も大好き!オヤジ萌えもあるのでラストの1ページにhshs♪「添い遂げる」という言葉がぴったりなこの二人のシルバーラブも是非、読みたい!
-
「今年一番のホオズキ」が心に残る。
-
セビリアなどを舞台とした作品です。
-
「テルペノイド」を読んで、そのBLらしからぬシュールなガチムチキャラと、情の深さに惚れ込み、他の作品にも触手が出ました。
がっつりと筋肉系な絵柄ばかりじゃなく、「Scheherazade」のアラビアンナイトの華麗で繊細な絵でも魅せてくれて、もう、うっとり。上手いです。
筋肉美に目が行きがちだけど、ストーリーも奥行きがあって心に残るものがしっかりあります。エロシーンだけ見て、読み飛ばすようなマンガじゃない。
バーテンダー葵の過去はかなり壮絶です。身体の快楽だけを追い、誰とも深く関わらない葵は、年月を経てもなお傷ついたまま生きています。そしてそのことに気がついた翔太は、身体だけの関係に振り回されながらも葵のことが放っておけなくなっていきます。
千夜一夜の話にシンクロして次第に明白になっていく葵の過去の描き方、絶妙!肉体の淫猥さを見せつけたかと思うと、真摯な愛をめぐる物語もしっかり存在しています。こういうところが単なるガチムチエロとは一線を画しているんですね…
とは言いながら、何度見てもエロは生々しくて濃厚。ゲイビよりエロいです。表情とか、セリフ、擬音、すべてに何かがダダ漏れ。
なのにHシーン以外には、そこはかとない情緒が漂ってるし、かわいくて笑えるところもあり。鬼灯のエピソードは泣かせます。
描き下ろしは後日談が2編あって、どちらも二人の愛の深さが感じられ、胸が熱くなる話です。この話があるのとないのとでは感動の度合いも変わってくるんじゃないかな。
読み終わったあと、口絵を見直すとじーんとします。 -
前作に比べるとあまあまストーリー。オヤジver.の方が需要ありますよ絶対。
-
ガチムチ万歳!!
性的好奇心が愛欲に移行し、愛情に至る、と言う過程を実に説得力高く描いてあるので、そう、まるで上質のゲイ映画を見ているような気分に陥る。
いや、むしろこう言うゲイの映画を見てみたい。 -
千夜一夜物語をベースに進む本編と、その後を追ったサイドストーリ
読後感が素晴らしい。 -
重いテーマを扱っているのですが、決して悲観的にならない二人の強い姿勢が心に響きます。とにかく幸せになれて良かった。ラストは目頭が熱くなりました・・・近年あまり見ない、きちんと人間を描いている大人のBLだと思います。