月に笑う〈上〉 (ビーボーイノベルズ)

著者 :
  • リブレ出版
4.13
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本棚登録 : 653
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862636997

感想・レビュー・書評

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  • 木原さんの小説を読むとBLはファンタジーだなんて幻想じゃないかと思ってしまう。それ程痛くてリアル。でもしっかりした人間ドラマがベースにあるからこそ、それが男同士であろうとなかろうと心に響く。
    今回はいじめられっ子とチンピラ…相変わらず社会の弱者とも言える人達を描くのがお上手です。まだ恋愛感情にも気付かないまま欲望だけを吐き出す二人。やたらと下ネタ連発しているのは照れ隠しの幼い証拠^_^
    暗い雰囲気の中にも滑稽なほど人間くさくて笑える描写があるところが好き。月に笑う間抜けな龍の顔が見てみたい!
    後半に続きます。

  • 上下巻とボリュームたっぷりで、上巻読み終わったら下巻がめちゃくちゃ
    気になって、結局やっぱり一気読みをしてしまいそうです。
    何が素敵って、この本の装丁、上下巻をぴったりひっつけると、1枚の絵に
    なるようになってます。それも、出会いから9年間の歳月をえがく壮大な
    ストーリーになるそうなので、上巻は出会った年、そして下巻では9年後
    の年が描かれてるんですかね。『美しいこと』みたいでドキドキしました。

    ヤクザものなので、その手の残虐描写も結構多いので、読んでていろいろと痛いんですが、上巻は下巻での布石的展開で、導入部分という感じ。
    二人の間はまだ微妙な関係であって、決定的なものはない。
    下巻に期待します。あー…どきどきするなー。読むのがこわい。
    どうか恐ろしいエンディングがきませんように…。

  • 上下巻あるのでこちらにはあらすじを書きます。

    レビューは下巻から。

    自殺した斎藤の変わりにクラスでいじめの標的にされていた路彦。
    いじめは日増しにエスカレートし、遂には集団リンチを受ける始末になった。
    夜の公園で裸に剥かれていた路彦を助けたのは、何故か斎藤の死についてかぎまわっていた下っ端ヤクザの山田信二だった。
    弱っちょろい路彦に苛立った信二は、喧嘩の仕方を教え始める。

    「勝ったら報告する」

    そう言って2人はメアドを交換しあった。

    未成年なのに煙草や酒を勧めてくる。
    無修正のAVを見たり、青姦するカップルを覗き見たり、マックを奢ってくれた次の日にマックを奢らせたり。
    めちゃくちゃな信二に振り回される路彦だったが、不思議と嫌では無かった。

    むしろ連絡が来ることを心待ちにしていた。

    「しょうがないよ。そんな信二さんが好きなんだから」

    そのうちに、信二はヤクザとして成り上がっていく。

    路彦は少年から大人になる。

    「いつまで俺らと遊んでくれるんすかね」

    悪の回りには磁石のように悪が集まってくる。
    しかし路彦だけはいつまでも変わらないような気がしていた。

  • 序盤が痛いお話で、どうなることかと不安でしたが、中盤から暖かい雰囲気になってきました。

  • やっと読めた…
    路彦が中学生で信二は18だっけか?
    始まりは同級生が男とのいざこざからの窓から飛び降りるっていう中々サスペンス展開!って思ったけど、案外そこらへんはサックリ終わった(˙ω˙)まぁそりゃね、そうよね
    あれがないと2人は出会わないもんな

    とにかく路彦は子供(文字の如くの子供)だし信二はどうしようもないチンピラだしで、ああああとなるけど馬鹿な子ほど可愛いというか何ていうか…

    これを読むきっかけになった灰の月で主役の惣一が出てきたときは、胸が痛くなったよ…惣一もやり方が子供。
    下巻に続く…

  • 2人とも、幼稚過ぎて読み進めていてイライラする。どうしようもないくらい未完成な2人だからこそ惹かれ合うのかなぁ。楽しい。

  •  『灰の月』を読むための再読。

     いじめられっ子の加納路彦×ヤクザ構成員の山田信二。

     物語は、路彦が中~高~大と成長していく過程、並行して信二がチンピラ~構成員へと立場が変遷していく過程が描かれている。(路彦視点→信二視点)

     路彦は裕福な家庭に育ち、中学ではクラスメイトにいじめられていたが、それらを甘んじて受け入れながら如何に穏便に過ごそうかと、そんな事ばかりを考えていた。その中でエスカレートする苛めに対して、成す術も無く泣くばかり――そこに偶然居合わせた信二は、決して路彦を甘やかさなかった。

     そうなんですよね、そこが木原先生!

     あそこで信二が路彦に優しく手を差し伸べてしまえば、路彦は、卑屈な大人になっていただろうし、物語自体ものっぺらぼうになっていたかもしれませんね^^;

     信二は、路彦を甘やかすでも突き放すでもなく、彼の成長を眩しく感じながら自身も愉しんでいたのだと思う。違い過ぎる毛色に触発されたり、惹き寄せられながら。

     スパダリでもなく、薄幸の美青年でもない。
     泥臭くてカッコ悪くて、普通に毛が生えたような登場人物達……そんな彼らが一生懸命に感情をぶつけ合い、支え合っている様子がとても恥ずかしくて、あどけなくて、微笑ましい。

     終盤は、惣一の登場でグッとキナ臭くなる。
     再読なのに、ページを捲る手が止まらない!

     次巻『月に笑う〈下〉』へ。

  • 気の弱い優等生(路彦)と下っ端ヤクザ(山田)の話。
    気が弱そうな路彦は肝が据わっていて、ぞっとするような言動をするし、
    山田は情に厚く、面倒見がよくて臆病な部分もある。
    二人の傷つけ傷つけられ離れられないずぶずぶな依存関係が
    あらすじだけ読むと危ういように思うが、
    実際に読んでみるとこの二人はお互いじゃないとダメになってたんだろうなあという安定感があった。
    ヤクザものだがヤクザを美化せず、救いがなく、勧善懲悪のスカッとする話ではない。
    二人のキャラクターは好みではなかったが、山田は下巻の最後ちょっと可愛いなと思わされた。
    上巻の受け攻めは下巻になると逆になるので注意が必要。

  • 2009年。流石だなぁ。ヤクザの信二と普通の家庭の路彦。路彦の中2同級からの虐められ方が酷い。ヤクザ描写も容赦無い。互いの存在に救われているかの様な交流が続き、賢い大学生に成長した路彦は変わらず猫のように信二に懐き、信二もそんな路彦を離せない。このまま路彦もあちら側に行ってしまうんだろうか。

  • いじめられっ子の路彦とヤクザの信二の話。
    路彦が14歳、信二が18歳で出会うところから始まり、路彦が大学生になるまでの2人の模様が上巻では描かれる。東京の組についた信二と、真っ当に大学に通う路彦。
    終着点が見えない…。

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著者プロフィール

木原音瀬(このはら・なりせ)
95年『眠る兎』でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しく鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は話題となった。他の著書に『あいの、うた』『秘密』『さようならと、と君は手を振った』など多数。

「2020年 『黒い結婚 白い結婚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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