月に笑う〈上〉 (ビーボーイノベルズ) (B-BOY NOVELS)
- リブレ (2009年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862636997
感想・レビュー・書評
-
木原さんの小説を読むとBLはファンタジーだなんて幻想じゃないかと思ってしまう。それ程痛くてリアル。でもしっかりした人間ドラマがベースにあるからこそ、それが男同士であろうとなかろうと心に響く。
今回はいじめられっ子とチンピラ…相変わらず社会の弱者とも言える人達を描くのがお上手です。まだ恋愛感情にも気付かないまま欲望だけを吐き出す二人。やたらと下ネタ連発しているのは照れ隠しの幼い証拠^_^
暗い雰囲気の中にも滑稽なほど人間くさくて笑える描写があるところが好き。月に笑う間抜けな龍の顔が見てみたい!
後半に続きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上下巻あるのでこちらにはあらすじを書きます。
レビューは下巻から。
自殺した斎藤の変わりにクラスでいじめの標的にされていた路彦。
いじめは日増しにエスカレートし、遂には集団リンチを受ける始末になった。
夜の公園で裸に剥かれていた路彦を助けたのは、何故か斎藤の死についてかぎまわっていた下っ端ヤクザの山田信二だった。
弱っちょろい路彦に苛立った信二は、喧嘩の仕方を教え始める。
「勝ったら報告する」
そう言って2人はメアドを交換しあった。
未成年なのに煙草や酒を勧めてくる。
無修正のAVを見たり、青姦するカップルを覗き見たり、マックを奢ってくれた次の日にマックを奢らせたり。
めちゃくちゃな信二に振り回される路彦だったが、不思議と嫌では無かった。
むしろ連絡が来ることを心待ちにしていた。
「しょうがないよ。そんな信二さんが好きなんだから」
そのうちに、信二はヤクザとして成り上がっていく。
路彦は少年から大人になる。
「いつまで俺らと遊んでくれるんすかね」
悪の回りには磁石のように悪が集まってくる。
しかし路彦だけはいつまでも変わらないような気がしていた。 -
序盤が痛いお話で、どうなることかと不安でしたが、中盤から暖かい雰囲気になってきました。
-
2人とも、幼稚過ぎて読み進めていてイライラする。どうしようもないくらい未完成な2人だからこそ惹かれ合うのかなぁ。楽しい。
-
いじめられっ子の路彦とヤクザの信二の話。
路彦が14歳、信二が18歳で出会うところから始まり、路彦が大学生になるまでの2人の模様が上巻では描かれる。東京の組についた信二と、真っ当に大学に通う路彦。
終着点が見えない…。 -
路彦の一途なところが応援したくなる。