放浪のユダヤ人とエッセイ二篇

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862651754

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  • 東方ユダヤ人には東方の美しさが目に入らない。東方ユダヤ人はもっぱら乞食や行商人として国をめぐり歩くに過ぎない。
    東方ユダヤ人にはユダヤの民族、思想が生き続けている。ラビは叡智と経験に富み、現実的才智を十分に具えているとともに自分自身や自分が選ばれた存在であると強く信じて疑わない。
    東には優れた音楽家がいる。この職業は世襲なのだ。
    東方ユダヤ人は誰ひとりとして自ら進んでベルリンへ行こうとはしない。パリには喜びがあふれている。
    東方ユダヤ人にとって名前は何の意味もない。それが彼らの名前ではないから。
    人種主義は一切の妥協を知らない。
    ドイツに住みついたユダヤ人の大きな歴史的誤りは彼らが真のドイツ精神と連帯する代わりにプロイセンの伍長に屈伏した点にあった。
    ドイツには1900年以来、文学上の反ユダヤ主義が存在する。第三帝国こそが没落の始まりなのだ。ユダヤ人を抹殺することでキリストを迫害しているのだ。ユダヤ人はイエスを十字架にかけたがゆえに撃ち殺されるのでなく、イエスを世に送ったがゆえに撃ち殺されるのだ。

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著者プロフィール

1894年、東ガリシアのブロディに生まれる。1939年、亡命先のパリで死亡。1923年からドイツの代表紙「フランクフルト新聞」の特派員となり、ヨーロッパ各地を巡ってユニークな紀行文を書き送り、売れっ子ジャーナリストとなった。その傍ら創作にも手を染め、1930年の長編小説『ヨブ─ある平凡な男のロマン』は現代のヨブ記と称された。1932年にはかつての祖国ハプスブルク帝国の没落を哀惜の念を込めて描いた『ラデツキー行進曲』を発表し、小説家ロートの名をも不動のものにした。

「2021年 『ヨーゼフ・ロート ウクライナ・ロシア紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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