もっと、海をー想起のパサージュ

制作 : Ilma Rakusa  新本 史斉 
  • 鳥影社
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本棚登録 : 8
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862656469

作品紹介・あらすじ

国境を越え、言語の境界を越え、移動し続けるラクーザの自伝的作品。読者を「もっと先へ」と導いてくれる。多和田葉子の推薦文収録。

感想・レビュー・書評

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  • 69の断章からなる自伝的エッセイ。東欧にルーツをもつ父や母、祖父母のこと、様々な都市やその通りのこと、子供部屋の情景、地図帳、留学先のレニングラードに向かう長い列車の旅のことなど、大小さまざまな記憶が緩やかにつながって現れる。それらは無数の縦糸・横糸となって「わたし」というものを形作っているのだろう。
    スロヴァキアに生まれ、ブダペシュト、トリエステ、チューリヒと引っ越しを繰り返した子供時代、一家は常にトランクに荷造りをして移動に備える日々だったという。こうして読み終えてみれば、この自伝の中で彼女が何度も何度も様々な境界を越えてきたことに思い当たる。そして彼女は高らかに、軽やかにこう宣言する、
    “あなたこそがあなたの家。旅の途上であろうとなかろうと、あなた自身があなたを守ってくれる屋根”(p.042「トランクとはいったい何なのか?」)(2009)

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著者プロフィール

1946年、スロヴェニアに生まれ、現在はチューリヒに暮らす。小説家、アンソロジスト、研究者として、またロシア語からマリーナ・ツヴェターエヴァ、フランス語からマルグリット・デュラスなどの翻訳家としても国際的に活躍している。
ペトラルカ翻訳賞(1991)、ライプツィヒ・ヨーロッパ相互理解賞(1998)、シャミッソー賞など多数の文学賞を受賞。単著としては本書が本邦初訳となる。ほかの邦訳に、『ヨーロッパは書く』(ウルズラ・ケラーとの共編著、2008)、短篇小説「歩く」(『氷河の滴——現代スイス女性作家作品集』所収、2007、以上鳥影社)がある。

「2016年 『ラングザマー 世界文学でたどる旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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