U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術

制作 : 中土井 僚  由佐 美加子 
  • 英治出版 (2010年11月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760432

作品紹介

未来から現実を創造せよ。人・組織・社会の「在り方」を鋭く問う現代マネジメント最先鋭の「変革と学習の理論」、待望の邦訳。

U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術の感想・レビュー・書評

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  • 僕は幸運にも、訳者の中土井さんのU理論についての1日セミナーを受講できたけど、それでもわかったようなわからなかったような。500頁を超える難解なこの大作と向き合うには、それなりの決意と覚悟がいるような気がする。僕は今回途中で挫折したけど、本当に自分と向き合いたい時が来たら読んでみようと思う。でも、この内容が腹落ちした時は、人間を超える何かに進化した時かも知れない(笑)。自分なりの解釈で、何かヒントが得られたらそれでOKって割り切った方がいいかもね。

  • ビジネス書に分類されているものの、内容はほとんどスピリチュアルや哲学に近い本。
    既存のパターンの使い回しによるソリューション(本書では、ダウンローディングと呼ばれている)では、現在の我々が共有する課題や問題は乗り越えられない。著者は、我々が共有する根源的な問題を解決するためには、新しい創造、すなわち個を超えた源(ソース)につながり、最高の可能性を持つ未来を出現させることが必要と説く。
    村上春樹がインタビューで、自らの創作手法について、意識の地下二階に潜って、何かを掴んで浮上することと語っていたが、それに類似している。
    本書では、著者の洞察・経験に基づいて、最高の可能性を持つ未来を生成させるための、プロセス・手法が詳述されている。
    かなり長いし、読んですぐに役に立つタイプのビジネス本でもないが、3.11以降の個人や企業が目を向けるべき方向が示された、数少ない本ではないかと思う。

  • ・ 保留とは普段の習慣のパターンを保留することだ。仏教の瞑想では腰を据えて普段の生活から一歩上のレベルに達し、物事にとらわれない視点を得ようとする
    ・ 視座を転換することは意識を「外側」から「内側」に向けること、つまり対象に注目するのではなく、思考プロセスの源に注目することだ
    ・ あなたの仕事の根底にある問いは何ですか
    ・ システム思考の本質は、行動レベルにおけるシステムの作用と、その見えない意識や思考の源をフィードバック・ループで結びつけられるようにすることではないか
    ・ 上流からの戦略アプローチとして、知の源は、企業の周辺にあって眠っているイノベーションやアイデアを活用することで生まれるのではないか(初期の戦略論は、製品と市場の組み合わせでポジショニングを論じることに終始していたが、真の戦略はそれを生み出すコアコンピタンスを明らかにすること。さらに将来の成功のためには明日のコアコンピタンスとチャンスを感じ取る能力が必要)
    ・ 組織横断型の場所こそが今日の組織の盲点だ
    ・ 生態系は変動し続けるネットワークである。すべての変数は最適値の周辺で変動する。単一の変数だけが最大化することはない
    ・ 生態系では、どんな生命もネットワークから排除されない
    ・ 認知→思考→発言→行動のループに障壁があると学習と変化が妨げられる
    ・ ダウンローディングから実際に「観る」ことへ移動するには、三つの明確な原則が役に立つ。
    1) 問いと意図を明確にする
    2) 問題のコンテクストに入り込む
    3) 判断を一時停止し、好奇心の感覚を目覚めさせる
    ・ 人々が変化に抵抗するのは、厳しい変化や犠牲を強いられるにもかかわらず、より大きな全体像を観ることができず、変化が必要なコンテクストを理解できなかった時のみである
    ・ 個人のレベルで関係づくりや維持に努めることはすべての前提。そのうえで、次々に新しいアイデアを発見し、かつては有効だったとしても新たな時間と空間に合わなくなったり役に立たなくなったりした方法は手放していく
    ・ ほとんどの組織横断型の変化のプロセスが失敗するのは、出発点を見逃しているからだ。その出発点とは、境界を越え、ともに感じる共感知だ
    ・ 認知主導型の参加:人々が「私になにをしてくれるのか」ではなく「私にはなにができるだろうか」と問うような環境は、どうすれば生み出せるか。それには二つの決定的に重要な手段がある
    A) 例えば基調となる共有知的資本のような、最初に持っている能力でスタートすること
    B) 共通の知識基盤を豊かにする貢献が認識され、理解され、感謝されるような、共有認識の方法を確立すること
    ・ 言語の4段階
    1) ダウンローディング:あたりさわりのない発言をしたり、丁寧な言葉を交わす
    2) 討論:意見の主張、あるいは互いに異なる意見をぶつけ合う
    3) 対話:多様な視点からともに考える
    4) プレゼンシング:真のプレゼンスと静寂のソースから共同で創造する
    ・ 組織の4段階
    1) 規則と中央の計画に基づいて運営される中央集権的な官僚主義的機構
    2) 規則や戦略を現状に適応させるため、決定権を組織階層の中で市場や顧客により近いところにおろす分権的な部門制の構造
    3) 階層に基づいた部門から、固定化した組織構造では通常浮かび上がらない事柄に注目する進化する関係性のネットワークへと権力の分布形態が移行する、ネットワーク型組織構造
    4) 必要性と機会を現実として人々がともに感じ取り、形作られ、そして解消する流動的な革新的エコシステム
    ・ 観察するためには、「意見をいう」まえに「自分が大事だと感じたことを読み上げる」ことが有効
    ・ 企業が分権型構造(領域2)からネットワーク型構造(領域3)平衡すると、調整はネットワークでつながった関係性を通じて行われるようになる。ミンツバーグはその結果生まれるものを問題別随時組織(アド保倉シー)と呼んでいる。ヒエラルキーや競争の構造とは異なり、相互の連携はキープレーヤー間の関係性の質に大きく依存する。したがって、組織がこの全体的な連携の領域に入ると、会話の質が中心的課題になる。
    ・ 領域3から領域4の調整へ移行するとき、メカニズムはネットワーク化された関係性を通しての相互補正から、出現している全体性から観るというところへ移行する。出現する可能性の領域へと波長を合わせるためには、組織はそれ自身を超え、出現している適切なコンテクストにシステム的に波長を合わせる必要がある
    ・ 新たなプロセスの始まりをファシリテートする
    ・ リーダーの認知は周囲の環境によって巧みに管理されている。トップリーダーを取り巻く人々は、リーダーのメンタルモデルに合致する情報は通るが、そうでない情報は通らないことがわかる
    ・ システムを観るときに、自分自身を全体の一部としてみることができるか。認識の対象に自分自身、つまり観察者も含まれているか。システムはシステム自身を観ることができるか
    ・ あたかも自分自身を外側から観るように、毎晩4分間その日のことを振り返る。他人とどのように交わったか、他の人からなにをしてほしいといわれたか、あるいは提案されたか、何も判断せずにこれを行う。そのうちに、内面の観察眼が成長して自分自身を他者の視点で観ることができるようになる
    ・ 自分の内面に「他者」のための空間を意図的に築く
    ・ 深く潜る旅の活動を計画する:訪問すべき重要な人々、や組織、探求すべきコンテクストを明確にする
    ・ 耳を傾け、そのうえでさらに耳を傾けることを学ぶ
    ・ 様々な利害関係者を選び、相手の立場に立って対話をする。そして相手の視点から自分自身の仕事を見てみる。(何のために私が必要ですか)
    ・ 自分が確かに成し遂げた小さなことに注意を払い、コースから外れたらすぐに修正する。エネルギーは自分を責めることにではなく、修正する方向へ向けるべき
    ・ 創造性に到達する道には3つの段階がある。1)あまり変化はない2)退屈3)自分の内面で徐々に進化する衝動に気づき、対応する(内面の動機になる=自分でおもしろいと思えるまで取り組むことが必要といえる?)
    ・ 戦略的マイクロコズムは想像したい未来の小型版であり、そこには自分のビジョンの核となる要素がすべて含まれている
    ・ 戦略的マイクロコズムを機能させるための5つのタイプの実践者
    1) 結果に対して説明責任がある人々
    2) 問題に直接向き合っている第一線の現場の人々
    3) システムの底辺にいて、自分たちのお金がどう使われているかについて、通常発言のバヤ影響力を持たない人(患者や市民)
    4) システムの外にいてプロジェクトの成功に不可欠な視点や能力を提供できる人
    5) プロジェクトがうまくいくように完全にコミットメントしているひとりもしくは数人の活動家
    ・ イノベーションで興味深いのは、人間の頭の中で新しいことが浮かぶ順序はこれまで考えられてきたこととは逆だということである
    1) まずは漠然とした感情、あるいは気持ちが起こる
    2) その感情はなにか(what)という感覚、すなわち新しいひらめきやアイデアに形を変える
    3) そのなにかは飛躍的なイノベーションを生み出すことのできる状況や問題、あるいは挑戦と結びつく(where = context)
    4) そこで初めて、whatとwhereに筋道だった構造と形が与えられる(論理的な理由why)
    ・ ミーティングなどの状況の質を決定する重要な変数のいくつかは、最も見えにくいもの詰まるわれわれの意識の向け方と意図の質である。(このような意識で)臨んだために(そうした結果が)生じる
    ・ ワークショップや集まりの場をファシリテートする時は、前の番に少し時間を取って、自分の意図をそのグループやコミュニティの最高の未来の可能性に一致させる。このつながりをつくっておけば、その場の状況やとっさに対応しなければならないときに、頭の裏口から入る直観の質が高まる

  • なんか大事そうなんだけど、長すぎて...読む時間を取れず、、、
    漫画の方を読もうかな。

    「変化の5つのレベル」の図が、たぶん重要。

  • 読み始めて2ヶ月。紆余曲折をへてやっと読了。

    いやー、難しかった。

    結構、速読の私としては、時間がかかってしまったのは、途中で、「ン?これって、結局、ダウンローディングな読み方だよね」と思って、読むのをストップしたため。

    内容が難しくって、事前になんとなく知っていることを確認する以上の読み方ができない。また、これって、「十牛図と一緒だよね」とか、「プロセスワークと一緒だ」という読み方になって、それと比較して、何が新しいのか、という読み方しかできない。

    結局、これのなにが本当に新しいのかはわからない。どちらかというと東洋系の神秘思想を精緻に理論化し、組織や社会変革のテクノロジーとして体系化したというところが新しいのかな?

    でも、なんだかそれに収まらないパワーも感じる。

    命をかけるというか、投げ出すような行動が世の中を変えて行くというような。

    Uのプロセスは、一見、ステップ論のようだが、いわゆる変革のステップ論とか、いうようなものとはかなり違うものなのかな。

    意志的、意図的ではあるのだが、事前にデザインしておきるものではないようなもの。

    もう一度、最初から読み直さないと多分分からないと思うので、★は一つ減らしておく。

  • ビジネス書であり、心理学の本であり、自己啓発書であり、スピリチュアル本であり、哲学書でもある。ジャンル分けは難しいけれど、ありそうでなかった面白い本。

    世界の国家が壊れかけている今、我々はどう変容すればいいのか?
    個人は?会社は?
    それを問われているような内容だった。

    個人的には、書くことに通ずる部分が多くあると感じて納得したし、似たような体験もあったので、理屈抜きに共感できた。そして行動に移すことの大切さ、捨て身の覚悟の大事さを知った。実際にこの本のお陰で自分を反省でき、相手の気持ちになってアクションを起こせたので感謝している。

    色んな人たちが本書と同じようなことを仰っていると感じる最近。
    これからは個々が責任を持って主体的に動く時代なのかもしれない。そして同じ考えや気持ちの人と繋がっていって、いい社会にしていきたい。

  • 分厚さにびっくりしたが、とても読みやすく自分の経験と照らし合わせて読み進めると理解しやすい。内省するのに自分にとってはとても大切な本。

  • とりあえず、ななめ読み〜

  • 辞典のような分厚い本。しかし内容は読みやすいので案外すらすら読めました。U理論、面白いと思うのですが大事なことは書いてあるけど重要なことは書いてない、という不足感もあり。団体、企業、社会と理論は幅広く展開しているけど、結局のところ目の前にいるたった一人の人間とちゃんと深いコミュニケーションが取れるかということなんだと思います。むしろ現代はこれを理論にしないと「気づき」「手放し」そして「受け入れる」ことも出来ない時代になってきているのか、とちょっと考えさせられました。・・・とまあ好き勝手書きましたが良い本だとは思います。

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