戦略の断層――その選択が企業の未来を変える

著者 :
  • 英治出版
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本棚登録 : 81
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760715

作品紹介・あらすじ

企業は生き物だ。人と同じように生まれ、成長し、発展し、成熟し、そしていつかは老衰する。その各局面において企業がとるべき戦略は異なる。自社や事業が成長過程のどのステージに位置するかを見極め、適切な戦略をとれるかどうかが、企業の明暗を分けるのだ。企業ライフサイクルに潜む7つの「断層」を切り口に、ビジネスパーソン必修の戦略理論とフレームワークを豊富なケースで解説。

感想・レビュー・書評

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  • 経営戦略とは何かということを、PPMや3CやSWOT分析など、様々なツールの説明や使い方、実際の会社名を記載しての事例を通じて学ぶことができる。
    起業化支援を行っている著者だからこそ、これから新商品を売り出そうとしている企業のあり方も、成熟産業での振る舞い方も、企業の様々の状態に応じたアドバイスができるのだと思う。

    この手の本は、実際に自分が考えて手を動かしてなんぼだと思うので、手元に置きながら、自社のあり方や研究対象の企業の状態を自分なりに分析する時に役立てたいと思う。

  • 経営戦略について、企業の発展段階7つを「断層」と捉えながら事例研究を豊富に交えて紹介している。ビジネスマンでなくても分かる構成となっていることなどを評価し、☆4つです!

  • 「経営戦略・マーケティング」についてのリファレンスモデル(参考書)として使える本。
    ・アプローチ:企業のライフサイクル×フレークワーク適用方法
    ・特筆点:企業のライフサイクルに合わせて、既存のフレームワークをどう使っていけばよいかをまとめている。個々のフレームワークの説明・事例集としても活用可。

  • 経営戦略やマーケティングに関するフレームワークを4PやSWOT、、マイケル・E・ポーターのバリューチェーン、5フォース、ボストンコンサルティングのプロダクトポートフォリオからアンゾフの事業拡大マトリックス、リーダー・チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーのポジショニング戦略など、様々な理論や仮説を事例に絡めて紹介した本。

    いかにも経営コンサルが書いた教科書的な本。様々なフレームワークの考え方そのものはほとんど理論としては知っているものばかりだが。まあこれだけ網羅的な本は初めて読んだかもしれない。ありったけの理論が紹介されているような感じだ。その網羅性ゆえに教科書的な印象を受けるが、本書の本質はそこではない。

    事業の展開を新規事業の企画立ち上げ段階から成長期、衰退期までを「備」「突」「構」「攻」「守」「破」「離」の7段階に分けて、それぞれのステージごとに考慮すべき項目、戦略の考え方を解説したところが本書の特徴だ。

    ステージによって、重視すべき、あるいは注意すべきポイントが異なる。それは道理。

  • K'sWork 菊池さんお勧め


    「戦略の正体とはなにか?」

    戦略の良否が企業の命運を変える大きな要素であることは間違いありません。しかし、上等な戦略が必ずその企業を勝利に導くかというと、そんなことはありません。私のささやかな経験(及び信頼すべきコンサルタント仲間の言)によれば、上等な戦略は多くの場合実行が難しく、宝の持ち腐れになる可能性が(きわめて!)高いのです。「カッコいいけど、こんな高級なこと、ウチの会社じゃできないヨ」というわけですね。つまり、戦略は内容よりも実行により本質的な問題があるのです。

    『プロフェッショナル・サービス・ファーム』でおなじみのデービッド・メイスター氏もそう考えました。彼は、新刊『脱「でぶスモーカー」の仕事術』で、タバコをやめられず、ダイエットも続けられなかった自分自身の経験を手掛かりに(!)、企業が戦略をせっせとつくり出しながらさっぱりそれらを実行できない理由を追究しています。

    メイスター氏はこう述べています。
    「私は37年間『でぶスモーカー』だったし、そのままでいる権利があると思っていた。私にとっても、ほかの人にとっても、変化に対する唯一最大の障害は『いまのところ大丈夫』と感じることだ。将来、煙草をやめれば有益であることに誰も反対しないが、それをいましなければならないと言われると反発する。」

    問題は「いま」それができないということにつきるのです。態勢が整っていない、ふさわしい人材がいない、社内の理解が得られていない等々の理由が「いま」をずるずると先送りしていきます。重要なのは、(多少半端であっても)まず始めることであって、整えるために時間をかけることではありません(耳が痛い)。

    「いま」という時間について、友人の古我知史さんが書き上げた『戦略の断層』は、また別の角度から示唆を与えてくれました。

    著者は、企業の成長線とは「つねに『非連続』に集積する変化点の集合でしかない」と述べ、その非連続点を「経営の断層」と呼んでいます。本書は代表的な戦略論のフレームワークを事例付きでていねいに紹介していますが、戦略に対する視点は決して古典的ではありません。「いま」が常に判断と決定のタイミングであり、「未来戦略の構想」と「過去からの戦略足跡」がぶつかり、せめぎあう断層であるという認識は、企業が一般則ではなく、個別的・具体的な歴史を生きているという考え方から来ています。

    戦略は確かにシナリオのような趣きを持っているため、我々はカン違いを犯しやすいのかもしれません。演出家は背景を設定し、プレイヤーの動きを制御しようとします。しかし、演劇と違って、企業の戦略ディレクターは、社内を中心としたごく一部のプレイヤーにしか影響力を及ぼすことができないので、芝居はたちまち行き詰ってしまい、あらぬ方向へずれ込んでいき、「こんなはずじゃなかった!」という悲鳴が上がる。

    だったら、最初から、シナリオに期待せず、変化と変更を楽しむような芝居を企てた方が良いのではありませんか。

    「いま」から始められることを始める。「いま」を常にクリティカルな判断の時と捉える。戦略の本質は、ひょっとしたら、階層的な知識の体系ではなく、そのような「時」の感覚に近いのかもしれません。これを<戦略時制>と呼ぶことにしましょうか。

  • 戦略コンサルティングファームを経て、現在独立系ベンチャーキャピタルにてインキュベーション業務に勤しむ著者の大作。この著書が極めて優れている点は、いわゆる「コンサル的思考法」が豊富な具体例と共にストーリー分解され、あらゆる読者にその真髄を追体験させることに成功している点である。
    3Cやバリューチェーンなどの各種ビジネスフレームワーク、仮説思考、ゼロベース思考などの抽象的思考法は、概してその説明を読んだだけでは具体的発想に結びつかず、習得は往々にして難しい。本書は著者のあまたの実戦経験から厳選した具体例と共に、何を、いつ、どの段階で、どうやって、なぜ使う必要があるのかを詳細に説く。

    日々新たな問題に対処を迫られるビジネスマン、コンサルティングファームに就職希望の学生、またロジカルシンキング系の本などで挫折した方にお薦めする。

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