祈りよ力となれ――リーマ・ボウイー自伝

制作 : 東方雅美 
  • 英治出版
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本棚登録 : 92
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761378

作品紹介・あらすじ

彼女たちの声が、破滅に向かう国家を救った。紛争で荒廃する社会、夫からの激しい暴力、飢える子どもたち…泥沼から這い上がり「平和活動家」へと転身を遂げた一人の女性の美しくて力強い物語。

感想・レビュー・書評

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  • リベリアと聞いても何も思い浮かばない、、、ゴメンなさい。

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    「彼女たちの声が、
    破滅に向かう国家を救った。

    紛争で荒廃する社会、夫からの激しい暴力、飢える子供たち……
    夢を失い「自分には何もできない」という無力感に捉われていた一人の女性。
    他者の心を癒す仕事に少しずつ自信を取り戻していった彼女は、
    泥沼の紛争を終結させるために立ち上がった。
    その声は民族・宗教・政治の壁を超えて国中の女性たちの心を結び、
    横暴な独裁者に果敢に立ち向かい、ついには戦いを終わらせた。

    「無力な母親」から「平和活動家」へと変身を遂げた
    一人の女性の美しくて力強い物語」

  • 「紙にあなたの肩書きを全部書いてください。
    弁護士、医師、母親・・・。」
    そして、書き出した紙を集め、スーツケースに入れ施錠する。
    「紙はしまいました。何の肩書きもなくなりました。単なる女性として、話をしましょう」

    この単純なやり方に、とても感動した。
    内戦でずっと苦しんでいた女性たちが、
    ただ女性として声をあげ、行動した。

    停戦交渉の参加者が高級ホテルでプールを楽しみ、
    何かをしたふりをしているとき(よくある状況!)
    女性たちはただ会議室の前に座り込んだ。
    停戦が決まるまで出さない、と、
    せめて外で飢えている人の苦しみを体験しろ、と。

    女性は女としての痛みを経験する、
    子どもの痛みを自分の痛みとして経験する
    それなのに無力とみなされ、声が聞かれることは少ない。
    その状況に、ただの女として、向き合い抵抗したこと
    それは本当に大きな力になった。
    女を取り巻く状況は、日本でも同じ。
    いろいろ示唆されることは本当に多かった。

  • アフリカで年配の女性が裸になるのを見ると、呪われると思われている。だから裸になってみせることも抵抗として重要。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:289.3//G29

  • 2011年ノーベル平和賞受賞者の女性、リーマボウイー氏の自伝。一気に読み終わりました。展開が速いのもアフリカという土地だからなのかな。暴力、紛争、活動、また紛争、活動でどんどん状況が目まぐるしく変わる中で彼女が率いる市民の声がメディア、国連、政治家に届く。あー面白かった。彼女が20代半ば活動し始めて、まだ38歳なのに驚愕。私たちも頑張りたい。

  • 勇気をもらった!

  • 紛争で死んだ人を食べる犬。
    同じ「犬が死体を食べる」のでも、藤原新也氏がガンジス川で撮影した逝き方とは真逆の、人間の汚さ、愚かさがぶちまけられてしまった紛争の世界。

    赤ん坊を取り除けられ乳房を切り落とされる女性。

    国連平和維持軍でさえ、ほんとうの意味で平和を構築、維持出来るわけではない。

    232ページ後の写真。道が薬莢で埋め尽くされているのを見たとき、ショックで力が抜けた。

    リーマ・ボウイーという女性はこの惨劇の中で、立ち上がり人々と手を取った。
    その勇気、忍耐する力を自ら湧き上がらせた。
    だれもができないと思った平和を非暴力で引き寄せた。

    1972年生まれの40歳だという。
    この感想文の筆者は1970年生まれの42歳だ。
    さほど年の違わない女性が、他の国ではこれほどの壮絶な目に遭いながら闘いぬいた。
    日本に住む日本人の私にこれほどの働きができるだろうか。

  • 2012年64冊目。

    ====================
    「なぜ、平和の実現について男たちが議論しているあいだ、戦争の辛さに耐えてきた女たちが黙っていることを求められるのだろう。(p.141)」

    「もうウンザリです。いまこそ、立ちあがって声を上げるべき時です。きっと『あの女たちは誰だ』と聞かれることでしょう。私は答えます。普通の母親、おばあちゃん、叔母さん、姉妹だと。(p.175)」
    ====================

    戦争報道の背景で「悲劇・無力」の象徴として映るだけであった女性たち・・・
    そんなイメージを覆し、惨劇の真っ只中で平和活動家と変貌してゆく一人の女性の物語。

    彼女の語りは全てが真っ正直。
    妻帯者との間に生んでしまった子ども達のこと、
    時々見せる「自らの重要感」に憧れる心、
    「私の仕事は得るものは大きいが、犠牲になるものも多い」と公言し、
    活動を活発にする傍らで子ども達の世話がなかなかできないというジレンマ、
    それらが保身や嘘偽りなく語られる。
    だからこそ響く。

    感動的な物語の中でも、第15章「戦争は本当に終わったのか」では、海外援助や国連ミッションの介入の際の負の面や、長期の平和構築の重要性が語られ、その汎用性は非常に高い内容だと思う。

    血塗られた西アフリカ・リベリアの紛争の中で、彼女はどう立ち上がり、どう破滅に向かう国家を救ったのか。
    アフリカ・紛争・ジェンダーなどに関心のある方にぜひ読んで欲しい一冊。

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