フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た

制作 : 松本 裕 
  • 英治出版
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本棚登録 : 295
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761590

作品紹介・あらすじ

「このコーヒーで、アフリカの貧しい人を救えます」「このアクセサリーで、恵まれない子どもたちが学校に通えます」…信じてもいいのだろうか?世界一周の旅で出会った、誰も知らない驚きの真実。

感想・レビュー・書評

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  • 2016・6・9読了。

    フェアトレードの裏側というか、構造に迫る1冊。
    この本を読んで、普段いかに自分たちが聞こえのよい(納得しゃすい)単語・フレーズによって思考を停止させてしまっているかがわかる。フェアトレードという単語は、もう何年も前から普及しているが、その仕組みを本当に理解することもなく、また、熟考することも、疑うこともせず鵜呑みにしていた。フェアトレードについて書かれた本であるが、自分自身を振り返る機会になる1冊だった。

  • 知らないことばかりで、頭がクラクラした。また読みたい。

  •  電子化して読了。
     内容的には面白いところもあったけれど、イマイチ、フェアトレードに絞っているわけではなく、事例も少ないし、エッセイのような内容だった。

  • レインフォレスト・アライアンスとフェアトレード財団。
    違いは最低価格の保証があるか。
    チョコレートのグリーンアンドブラックスが先駆者。
    費用のうち半分は管理費、残りは宣伝費。農家には行かない。

    中国は、個人主義的文化の中の共産主義。アップルの下請け労働者の悲惨は労働環境について。
    ディンバーランドかパタゴニアが実績を残している。

    ラオスのボーデンは中国に買い上げられた。
    アヘンの次は、ゴム農場。
    中国の個人投資と政府投資。倫理的配慮がない投資活動=ラオスのゴム、西アフリカ、中南米の漁業権、ペルーとアフガニスタンの銅採掘。
    大手企業も共犯。

    コンガの内戦。FDLR(ルワンダ開放民主軍)による危険。
    スズ鉱石の劣悪な採掘環境。だれも投資しない。
    国連が倫理的でないという理由で購入を禁止すると、闇市場で売られるだけ。採掘しなければ生活できない。
    FDLR兵士にお金を配れば、戦争は終わる、という意見がある。

    アフガニスタンのケシ栽培。
    ケシはタリバンの資金源。アフガニスタンは世界のコカインの90%を生産。
    ケシなら業者がとりに来る。麦は売りに行かないといけないが、それが危険。農民の選択。
    トルコは、ケシ栽培を合法化。医薬品の原料に。

    タンザニアのコーヒー。
    デイビットとイアンの例。認証の罠。
    隙間産業からの出発。

    コートジボワールの綿。
    オラムのサプライチェーン。
    アメリカの供給体制と対照的。大規模機械化ではなく手作業中心。
    紛争状態では、すでに大手国際企業は手を引いている。

    責任を持つ前に、無責任でいることをやめる。
    したから初めて上へ向かう。
    てっといばやい解決方法はない。
    チャイナファクター
    生産を外部委託しても責任を外部委託していいわけではない。

  • なかなか読み応えあり。久しぶりに時間をかけて読んだ。この本から何を得るかはそれぞれだけど、同じ事をしても同じ対価が得られない仕組みが厳然とある事実。世の中の社会貢献と呼ばれる権威の周りをうろつくだけでは、本当の貢献はできないんですね。

  • フェアトレード。。これが全くフェアではない実態が見えてきます。そのマークを掲げることで消費者はいいことをやった気持ちになってしまう。。そのマークを付けるだけで売上が伸びる。。間違ったブランド化であり展開だと思います。そんな中でも真摯に考えている世界中の方々の取り組みについても書かれていますので、是非読んでほしい1冊です。

  • 豊かな国に生きてるってことは、会ったこともない誰かの犠牲の上に繁栄を手に入れてるってこと。

  • 「だがレインフォレスト・アライアンスは最低価格を保証していないため、世界のコーヒー市場が急落してもマクドナルドは損をするわけではない。」

    フェアトレードの実態に迫った本。これこそ不都合な真実だ。確かに、フェアトレードの考え方は普及したと思う。しかし、それが実践されているかは別の話だ。

    企業はクリーンなイメージとしてフェアトレードを使い、貧困を宣伝材料にする。そして、貧困の解決はフェアトレード財団等に任せ、そこから先は知ろうとしない。知らなければ責任を負わないからだ。

    これは消費者も同じだ。貧困の撲滅を自分から働きかけるのは難しい。お金を払うだけで、貧困撲滅に貢献できるなら、簡単に気持ちよくなれる。本当に大切なのは、消費者がもっと貧困について学び、企業が表面的に行動しているだけではないかと疑う点にある。

    この本を読んで、特にカエルちゃんマークに対する意識が変わった。あのカエルマークがなくとも、貧困撲滅に望んでいる企業はたくさんあるのだと分かった。


    「おまえはいい仕事をやったなとだれかに言ってもらって、それに対して代金を支払い、よそのロゴを当社のブランドの上にくっつけたいなんて、どうして私が思うんです?」

  • 年末年始休みももう終わり。
    2015年もよき本と出会えますように。

    店頭で販売されている商品に、フェアトレードが謳われているものを見かけたことはないだろうか。
    アフリカや南米の貧しい国のコーヒーやカカオ豆を、適正な価格で購入しているかどうかを商品を選ぶ基準として見ている消費者が増えている証拠だ。
    だが、手に取ったそのフェアトレード商品は、本当に生産者にとってよいものなのだろうか。
    著者が実際に大企業と取引を実施している生産者に会いに行き、話をして分かったフェアトレードの現状を読者に提示する。

    きれいごとではない世界の貿易の現状が、臨場感のある文体で語られています。
    特に印象的だったのが、アフガニスタンのケシ栽培とコンゴのスズ石採掘です。
    前者は厳密に言えばフェアトレードの話ではありませんが、世界的にアヘン撲滅を目指して活動している様々な組織の政策がほとんど意味を成していない現実をまざまざと見せつけられた気がします。
    後者のスズ石は先進国のIT機器に欠かせない錫を生み出す鉱石ですが、採掘現場や周辺の村の人々の進退窮まった物言いがぐっと胸にきます。
    筆者なりの考察を述べる章も非常に現実的で、読んでいてなるほどと思える素晴らしい本でした。

  • フェアトレードという言葉が聞こえるようになってから10年くらい経っていると思うのだが、個人的にはなぜかそのお洒落なうさんくささが鼻につくようで肯定的になれない。
    原料の生産者から加工して消費者の手に届くまで距離と時間がかかりすぎるもの。カカオ、コーヒー、錫の採掘。(スズ・携帯電話の原材料)。
    可愛らしいパッケージにラッピングされたフェアトレードのチョコレートも最近はあんまりお目にかかっていない。残念ながら先進国の人々は、安くて美味しいものを食べたいのだ。
    しかし消費者が誰から買うのか、どういう選択をするべきなのかという意識があることによって人はブランドやその企業を信頼することに繋がるのである。
    特にコートジボワールは『チョコレートの真実』でも辛い現状が暴かれていたこともあるし、知れば知るほど気持ちが沈む。それでもわたしたちはチョコレートを食べ、コーヒーを飲み、携帯電話を機種変更しつづける…。

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