異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

  • 英治出版
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レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762085

作品紹介・あらすじ

ハーバード・ビジネス・レビュー、フォーブス、ハフィントン・ポストほか各メディアで話題!ビジネス現場で実践できる異文化理解ツール「カルチャーマップ」の極意をわかりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 英語版で読了。

    ものすごく勉強になった。

    日本人から見た外国人や外国人から見た日本人の本はあるが、これは世界の国々がある基準に対してどういう位置にあるかという関係性を客観的に書いている。例えば、日本人から見るとアメリカ人は時間にルーズに見えるかもしれないが、フランス人からアメリカ人を見ると時間に厳しすぎるように見える。なぜなら時間にどれくらい厳しいかというのを示したとき 日本→アメリカ→フランスという立ち位置になるから。多国籍の人と働くには、自分の国からの味方だけではなく、ある国がある国よりどうかという視点も大事であると思った。

    生ま育った国で人を判断するな!という批判もあるかもしれない。著者も個々人で違うことは認めているが、一方で「あの人は悪い人だ」と決めつけ、個人を責めたりしてしまうことになるかもしれないとも。「Being open to individual difference is not enough」。文化が人格や行動に影響を与える限り、違いを理解しておくことは重要。

    本書では、8つの基準で文化の違いを述べている。
    Communicating: low-context vs. high-context
    Evaluating: direct negative feedback vs. indirect negative feedback
    Persuading: principles-firs vs. application-first
    Leading: egalitarian vs. hierarchical
    Deciding: consensual vs. top-down
    Trusting: task-based vs. relationship-based
    Disagreeing: confrontational vs. avoids confrontation
    Scheduling: linear-time vs. flexible time

    第1章
    Communicating: low-context vs. high-context
    low-contextとは、全てを明確に、詳細に述べてコミュニケーションをとること。high-contextとは、行間を読む必要があるということ。

    フランス人はhighでアメリカ人はlow。英語は70000語あるのに対し、フランス語は5000語しかないことからもフランスでは行間を読む必要がある。

    また歴史の長い国はhigh-contextになる傾向がある。アメリカは色々な民族がいて、明確にコミュニケーションする必要があるため、low。イギリス人も日本人に比べればlowだが、イギリス人に言わせると、アメリカ人は冗談すら通じない。アメリカ人はjust kidding!と言わないと怒り出すそうだ。

    第二章
    Evaluating: direct negative feedback vs. indirect negative feedback

    日本人から見ると、イギリス人は十分ものをはっきり言うように思っていたが、世界的に見るとオブラートに包む方のよう。オランダ人はネガティブなことをはっきり言う文化。イギリス人が言ったことをオランダ人が聞くと否定的に言ったつもりが肯定的に取られてしまう。

    イギリス人「with all due respect...」
    イギリス人の意図「I think you are wrong.」
    オランダ人の理解「He is listening to me.」

    アメリカ人もネガティブなことはオブラートに包んで言うと言うのは日本人からすると意外な感じがした。Low-contextだからと言って、direct negative feedbackをするとは限らない。

    Politenessの理解は文化によって違い、オランダ人ははっきり正直に悪いことを伝えるのがPoliteと思い、イギリス人やアメリカ人は悪いことを率直に言うのは失礼だと考える。文化によって「Polite」であることの定義が違うのは注意すべき点。

    第3章
    Persuading: principles-firs vs. application-first
    説得するときに原理から説明するか、具体的なものから話すか。ドイツ人はwhyを説明するのに対し、アメリカ人は「じゃあどうするの?」から聞きたがる。
    アジア人はこの指標には載らず、「holistic approach」と言う別のアプローチが必要。アジアでは意見を求められると、延々と質問に関係ない部分まで話してやっと結論に達する。水草の生えている水の中に、魚が泳いでいる絵を見せると、アジア人はまず「水草があって、石が下にあって・・・魚が三匹います」と説明するが、アメリカ人に何の絵ですか?と聞くと「魚が三匹いる絵」と説明する。

    日本人に仕事をお願いするときは、「あなたはこれをやってくだい」ではダメで、「あなたはこれ、あの人はこれ、あの人はあれをやります」と全体を説明しないと前に進まない。

    そうなのかな。

    第4章
    Leading: egalitarian vs. hierarchical
    ヨーロッパの中でも平等と階層型の文化の国がある。オランダやスウェーデンは平等。イタリアやスペインは階層型。これには3つの歴史的背景がある。

    ①ローマ帝国に支配されていた国は階層型。オランダはローマに支配されていなかったから平等型。
    ②バイキングに支配されていた国は平等型。スウェーデンが平等型なのはそれゆえ。
    ③カトリックの国はプロテスタントよりもより階層型。

    求められるリーダーも違い、階層型の文化では、指示しない上司は評価されない。強いリーダーが好まれる。なるほど、プーチンが人気の理由もよくわかる。

    level hoppingにも気をつけなければならない。オランダでは、平社員が上司をすっ飛ばして社長に話すことが許されるが、それを階層型の国で行うと反感を買うことがある。なぜ自分に言って来ないで、部下に言うんだ!と。

    第5章
    Deciding: consensual vs. top-down
    まずみんなで同意した上で決定を下すのがconsensual。トップが同意を得ずに決めてしまうのがtop-down。アメリカはtop-downで、ドイツはconsensual。ドイツ人から見るとアメリカ人は人の意見も聞かずに勝手に決めると思われる。非常に階層型だと思われるが、階層型とは違うことに注意。アメリカ人は「とりあえず決める、決めたあと悪ければ帰る」というスタイル。アメリカ人からするとドイツ人は決定が遅いと不満が溜まる。

    日本は究極のconsensual社会。本書では、稟議書や根回し文化が紹介されている。ただdecision makingには時間がかかるが、一度決まれば実行は早い。

    第6章
    Trusting: task-based vs. relationship-based
    アメリカ人はtask-basedですが、中国人はrelationship-based。どんなに中国人にいいプレゼンをしても、個人的な繋がりがないとビジネスは上手くいかない。夜にお食事に誘い、ビジネスと関係のないことを話すと言うようなことが必要。

    アメリカ人もice breakなどと言ってrelationship構築をトレーニングに組み込んでいたりするが、それはあくまでビジネスのためであって、外に出た途端、リレーションを作ろうなんて考えない。

    アメリカのようなtask-basedの社会の人に、何時間もの飲み会に誘うのはあまりよくない。とりあえず一時間のランチに誘い、それから本人が望めば長くするが、もし断られたら強くプッシュしないこと。彼らにとっては飲み会は時間の無駄と考えられている。

    逆に、日本の飲みニケーションを無駄と考えてもだめで、これによって、仕事が早く進むと言うこともあり、効率をむしろあげる場合もある。

    第7章
    Disagreeing: confrontational vs. avoids confrontation
    オープンな場で議論をするかどうか。
    フランス人は人前で不賛成を表明し、議論を活発に行う。そうすることで、良い案にブラッシュアップされていくと考えているから。プレゼンをすると批判の嵐になって、落ち込んでいると最後には「良いプレゼンだったね」と話しかけてくると言うことがあるらしい。

    逆にアメリカのようにいろんな民族がおり、confrontationを避けることっが至上命題という国では、confrontationは避けられる。

    アジアもそう。このようにavoids confrontationの国では、事前に意見をまとめてくる時間を与えたり、先に上司が意見を発表せずまず部下に意見を言わせるというような工夫がないと議論は活発化しない。

    第8章
    Scheduling: linear-time vs. flexible time
    ドイツや日本は時間にストリクト。
    発展途上国は日々社会が変わっていく中で、時間を守るよりもいかにフレキシブルに対応するかが重要なため、時間を守らない。
    中国も時間を守らない国。だから、当日になって「今日会える?」ということもよくある。ただ逆に自分が急に時間が空いた時に「今から会える?」ということも可能。

    多国籍の人がいる場合、チームの時間文化を最初に決めることが重要。このチームでは時間ぴったりにくるのが文化でルールです、破ったら罰金というようにリーダーがクリアに決めてしまう。

    まとめ
    他の国と仕事をしていてトラブルが発生した時には、まずそれぞれの国が8つの基準についてどういうポジションにあるのかを理解する。そして、乖離のある部分に対して、お互いに意見交換をすることが大事。

  • たくさんの気付きを与えてくれる本。
    異文化をOJTである程度学んだつもりでいたけれど、8つの指標でマッピングされるカルチャーマップはとても興味深いし、その背景にある歴史、教育、哲学の説明もありストンと懐に落ちる。

    常々我々日本人の一般的な「普通」はグローバルスタンダードではないのだろうな、と思ってはいたけれどこうもそれぞれのマップで究極に位置にする文化だったとは。

    欧州各国の違いも面白かったけれど、一番意外だったのはお隣中国のカルチャーかもしれない

    2020.10.15

  • 実際にあった話を多く紹介しながら、文化の違いによるビジネスシーンで発生しやすいすれ違いやそれに対するアドバイスが述べられており、非常に勉強になりました。
    本書でも同様のことが述べられていますが、日本人の中にも色んな人がいるように、◯◯人だからこうだと決めつけることは非常に危険です。ただ、いくらインターネットを通じて簡単に世界とつながれるようになったと言っても、同じ教科書を読んで学んだり、同じテレビを見たり、同じ習慣で生活をしたりしていると、国や地域ごとに考えが似てくるのもそれはそれで自然なことでしょう。私たちも日本の社会ではこれくらいの行動や発言をしておけば無難で、これ以上やると危険だなとういのを感覚的に身につけていると思います。
    同じように国や地域ごとの文化的分布特徴を把握しておくことで、外国人と仕事をすることがあっても動じず、過度に傷付いたり、傷付けたりせずにコミュニケーションが取れるのではないかと思います。これからは日本にいても外国人と働く機会は多くなると思うので、多くの人にとって一読する価値がある本だと思いました。
    また、本書は訳書で日本のことが中心に書かれている訳ではないので、外国人から見た客観的な日本人の特徴も知れて面白かったです。

    • kumakubonさん
      感想を書いてから、ああ確かに自分は調和に重きを置く傾向がある日本的な考え方だと思いました(笑)
      感想を書いてから、ああ確かに自分は調和に重きを置く傾向がある日本的な考え方だと思いました(笑)
      2019/09/30
  • 1 コミュニケーション
    ローコンテクスト vsハイコンテクスト
    2 評価
    直接的vs間接的なネガティブフィードバック
    3 説得
    原理優先vs応用優先
    4 リード
    平等主義vs階層主義
    5 決断
    合意志向vsトップダウン式
    6 信頼
    タスクベースvs関係ベース
    7 見解の相違
    対立vs対立回避
    8 スケジューリング
    直線的vs柔軟

    日本について
    1.2 ハイコンテクスト&間接的
    アジアの中でも端

    3 アジアは包括的思考

    4.5 階層主義なのに合意志向
    いずれも端なので特異、傾向ではドイツに近い、中国は階層&トップダウン、オランダは平等&合意志向、アメリカは平等なのにトップダウン

    6 関係ベース寄り
    アジアの中では比較的欧米寄り

    7 対立回避&感情表現控えめ
    アジアの中でも端

    8 直線的
    ドイツと同レベルに端、中国と正反対

  • 著者が推奨する8つの指標で我が日本はいつもスケールの一番端に位置しているのが目に付いた。行間を読む文化や、人を傷つける直接的な物言いを避けたり、とっても階層的な社会なのに極端な合意志向、対立回避型で、時間管理は細かい。こんな特徴的な文化背景に育った僕らが、国際交流の現場で苦労するのは当然のことなんだね。常々攻撃的と感じていたオランダやドイツでは、それが悪気ではないとはいえ、とても暮らせそうにありません。日本に暮らす外国人や、海外で暮らす邦人の勇気と苦労には頭が下がります。とっても面白い本でした。

  • アメリカに長年駐在してた尊敬する上司に勧められた本。とても面白かった。外国人と働く機会のある人全員におすすめ!

    特に外国人と接する機会のない人だと「外国人=日本人よりフレンドリーで思った事を直接言って、時間にルーズ」なんてぼんやりしたイメージを持つ人が多い。
    実際に外国人と働くと、確かにそんな側面もあるけれど、想像の何倍も複雑な事に気づく。

    この本はその文化の違いを国別、各観点別に解説してくれる。

    各観点というのは、例えばアメリカ人はもちろん日本人よりフレンドリーで、散歩やお店でも気軽に話しかけてくれるし、直接的な物言いをする事が多い。でも仕事で上司から言われた事には反論はしないし、あんなにフレンドリーに見えた同僚が辞めたら次の日から興味はない。そして評価面談等では悪い所を直接言うと「高圧的で嫌な上司」と見られる。普段のコミュニケーションと、ネガティブなフィードバックをする時の手法は違うし、仕事はトップダウン方式。フレンドリーなのは実際の仲の良さとは別。

    8つの観点について、実例を使って紹介されていて楽しく学べる。実際にその国の人と働いた人にとっては「あるある」な内容。
    そして、各国の文化の違いがそれぞれの歴史的背景によるもので、何百年前の出来事が現在まで根付いて影響を及ぼしているのが面白い。


    この本はアメリカ人の筆者によって書かれた物だけど、日本の事が結構な頻度で紹介されていて、我が国はなかなか独特な位置にいるんだなと再認識。
    日本の例は特に「そうそうそうなんだよ!」って思う事が多く、海外関係ない人でも、マネジメントする立場にある人にとっては面白いかも。

    日本パートで1番共感したところ↓

    『会議で上司が「こうしたいんだけど、どう思う?」と聞いたら日本人は「上司の意見を理解できたかどうか確認してる」と受け取る。本当にメンバーの意見を聞きたいので有れば上司不在のところで意見を交わしてもらってその議事録を提出してもらったり、質問項目を事前に送ってこれについて意見を考えてくるように、と指示しておく事が必要。』
    好きに意見して欲しいのに、皆全然意見出してくれないんだよね〜と悩みがちなマネジメント層、ぜひこれを意識すべき。メンバーが意見出すべきなのは勿論だけど、やり方を変えるだけでもっと意見を引き出せるはず。

    最後に、この本を勧めてくれた上司が言った、好きな台詞を紹介します。
    「『失敗しても恥かいても良いから意見言って』なんて言っても意見出る事はない。できる人や上司が腹を割って、素を先にださなきゃ。上から目線で言うんじゃなく同じ目線に立って先に弱みを見せて初めて相手も口を開く」

  • アメリカ人であって、フランス、シンガポールを中心に世界で活躍する異文化の女性研究者による、民族間の違いについて述べた本。いろいろな国民を、コンテクスト、ネガティブ・フィードバック、平等主義か階層主義か、トップダウンか合意志向かなど、さまざまな視点から分類し、まとめている。それぞれの項目における各国の比較は、もちろん定量的に正確に行われているわけではないが、概ね適切に行われていると思われ、説得力がある。平素から異文化交渉など、ビジネススクールにおいて教えているだけあって、わかりやすい。役に立った。
    「ローコンテクスト(明確なコミュニケーション):アメリカ、オーストラリア、カナダ、オランダ、ドイツ、デンマーク、イギリス、フィンランドの順。
    ハイコンテクスト(ほのめかしなど、はっきりしないコミュニケーション):日本、韓国、インドネシア、中国、ケニア、サウジ、インド、ロシアの順」p59
    「ハイコンテクストな文化圏は長いあいだ共有してきた歴史を持っていることが多い。それらの文化圏は主に関係性を重視した社会であり、人とのつながりというネットワークが代々受け継がれていく中で、コミュニティのメンバー間にコンテクストがどんどん共有されていく。日本は単一民族の島国社会で数千年に及ぶ歴史を共有しており、その歴史の大部分は他の国から閉ざされた状態だった。数千年をかけて、人々は互いのメッセージを汲み取る能力に長けるようになったのである(空気を読む)」p60
    「互いに全く違うルーツを持つハイコンテクスト文化出身の者同士の間で最も行き違いが生じやすい」p77
    「直接的ネガティブ・フィードバック(ネガティブなメッセージを単刀直入に伝える):イスラエル、オランダ、ロシア、ドイツ、デンマーク、フランス、ノルウェー、スペイン、オーストラリア、イタリアの順。
    間接的ネガティブ・フィードバック(ネガティブなフィードバックは、柔らかく、さりげなく、またはポジティブなメッセージに包み込んで伝える):日本、タイ、インドネシア、韓国、ガーナ、サウジ、中国、ケニア、インドの順」p95
    「(オランダ人)アメリカ人の同僚たちはいつも「素晴らしい」点や「優れた」点からコミュニケーションを始めますが、それは誇張されすぎていて自分がおとしめられているように感じます。私たちは大人で、しっかりと仕事をしに来ているのです。同僚にチアリーダーは必要ありません」p106
    「原理優先の説明:フランス、イタリア、スペイン、ロシア、ドイツ、ブラジルの順。
    応用優先の説明(まとめたり箇条書きにする。実践的、具体的):アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、オランダの順」p127
    「ロンドンの人々やニューヨーカーに向けてプレゼンするなら、本題から入り話を逸らさないようにしよう。フランス人、スペイン人、ドイツ人にプレゼンするなら、各要素の説明に時間を割き、結論を語る前に背景を説明しよう」p131
    「応用優先の思考を持つ人々はまず実例をほしがる。その実例の数々から結論を導くのである。原理優先の思考を持つ人々も実例を嫌いではないが、応用へ移る前に基本的な枠組みを理解しておくのを好む」p133
    「中国人はマクロからミクロへと考えるが、西洋人はミクロからマクロへと考える。たとえば、住所を書く時も、中国人は省、市、区、地名、番地と書く。西洋人は正反対に書く。同じように、中国人は名字を先に書くが、西洋人は名前から書く。中国人は年、月、日と書くが、これも西洋人は反対に書く」p142
    「平等主義的な文化では、たとえば、権威ある人間としてのオーラはチームの一員として振る舞うことで培われることが多く、反対に階層主義的な文化では、周りと一線を画すことで培われる傾向にある」p155
    「平等主義的(上司はまとめ役):デンマーク、オランダ、スウェーデン、イスラエル、オーストラリア、フィンランド、カナダ、アメリカの順。
    階層主義的(組織は多層的で固定的、序列に沿ってコミュニケーションが行われる。上司と部下の距離が遠い):日本、韓国、ナイジェリア、インド、中国、サウジ、ペルー、ロシアの順」p159
    「(プロテスタントの平等主義)宗教改革によってカトリックから分離し、教会の伝統的な階層性を取り除いたから」p163
    「平等主義的文化圏では、組織を飛び越えてコミュニケーションを取っても許容されることが多い」p169
    「アメリカは階層主義的というよりは、トップダウン式である。ひとりが素早く決断を下して全員でそれに従うという価値に重きが置かれている」p184
    「日本は強固な階層主義を持ちながら世界でも有数の合意志向の社会になっている。階層主義のシステムと合意志向の意思決定という一見矛盾したパターンは日本文化に深く根差している」p193
    「日本の稟議システムは、集団の合意形成に全員が参加するため決断に時間を要する文化の典型例だ。しかしいったん決断が下されると、それはほとんどの場合覆らないものなので実行は非常に迅速になる。全員が同じ方向を向いているからだ」p197
    「(過剰な挨拶回り)「ちょっと挨拶する」ためにかける時間は、次に彼らの助けが必要なビジネス上の問題が起きた時に大きな利益となって帰ってくる可能性が高い。信頼とは保険のようなものだ。実際の必要が生じる前に、あらかじめ投資を行っておく必要があるのである」p239

  • この本は日本人同士のコミュニティでは意識する機会が少ないけれども1度でも海外の方と仕事をした事がある人にとっては救いの書!

    相手と自分の文化の違いを理解して皆が心地よく良いパフォーマンスを出せる環境を作り出す為に、

    豊富な情報と経験から導き出された「カルチャーマップ 8つの指標」は従業員の士気をあげ、クライアントを喜ばせ、あるいは単に異文化のメンバー間での電話会議が発生する時でも活用できます。
    特にマネージャー層に特にオススメです。

  • リーダーシップ、評価、意思決定、スケジューリングといったビジネスの現場で必ず発生する8つの行為を題材に、世界各国の人々の統計調査をベースに、各国の相対的な価値観のポジショニングを見事にまとめ上げた一冊。そして凄いのは、これが学術的・ビジネスの現場における有意義性と同時に一級のリーダビリティを兼ね揃えているということ、とにかく面白くて一気に読んでしまった。

    本書が優れているのは、例えばコミュニケーションに関して「ローコンテクストorハイコンテクスト」という軸で、各国の文化がどこに位置するかを明示している点にある。そしてここからの重要な示唆は、「絶対的な位置ではなく、自国と比べた際の相対的な位置関係の把握こそが異文化理解のためには重要」という視点である。

    想像どおり、最もハイコンテクストな国は日本であり、ローコンテクストな国はアメリカとなる。日本のように極端なポジションの国から見ると、他の全ての国は等しくローコンテクストのように見えてしまうが、実態はそうではない。イタリアから見れば、ロシアはハイコンテクストな国だが、イギリスはローコンテクストな国であるように、ある国から相対的に見てどうか、という点を本書のポジショニングで理解することができる。

    また、面白いのは、コミュニケーション(ローコンテクストorハイコンテクスト)と評価(ネガティブフィードバックは間接的or直接的)の2軸のポジショニングである。直観的に我々は、ローコンテクストな国=ネガティブフィードバックは直接的、ハイコンテクストな国=ネガティブフィードバックは間接的、と捉えてしまいやすい。しかし、この両者の関係が逆転するケースが実は存在している。この代表例は最もローコンテクストな文化を持つアメリカである。アメリカではネガティブなフィードバックを相手に直接伝えるようなイメージがあったが、実は評価におけるネガティブフィードバックは例外的に間接的に伝えるのだという。このようなイメージとは異なる事実を、ビジュアルで理解でき、我々のパブリックイメージが崩れていく面白さを本書では楽しむことができる。

  • 勉強になったし、目から鱗でした。自分の考え方がどれだけ文化的ルーツに根差しているか、自覚的になることが必要だと感じました。
    自分と自文化との価値観の差異に気づくこともでき、あまり外国の人と仕事をしない自分にとっても有用でした。
    よかれと思ってやっていることが、むしろ悪印象の要因となることすらあるのは驚きでした。

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著者プロフィール

エリン・メイヤー(Erin Meyer)
INSEAD教授。ハーバード・ビジネス・レビュー誌やニューヨーク・タイムズ紙などにも紹介された『異文化理解力』著者。2004年INSEADにてMBA取得。1994年から95年にかけて平和部隊の一員としてスワジランドに滞在。現在はパリ在住。

「2020年 『NO RULES(ノー・ルールズ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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