「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践

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  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762108

感想・レビュー・書評

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  • 漫画だと少し物足りなかった部分がよく理解できた。
    具体的で実践的。実際に使えそう。
    でも、これを仕事で適用するのは結構なエネルギーが必要だなと思うと、面倒になってしまう。。
    面倒さを乗り越えるほどの熱意や組織に対する愛がある人には良いツールだと思う。

  • センゲの「学習する組織」は、不思議な本で、読めば読むほど、味がでてくるというか、なんだか難しくなってくる。

    最初に読んだときは、「そうそう」みたいに読めたのだが、2度目、3度目となるにしたがい、理解と共感が深まるとともに、「これってどういう意味なんだろう?」「本当にそうなんだろうか?」といろいろな思いがわいてくる。

    一つの解釈には収まらない、さまざまな読み方が可能で奥の深い、いわば古典みたいなものなんでしょうね。

    読むたびに新しい気づきとインスピラーションを与えてくれる、いわゆる経営学を超えた本だ。

    とはいうものの、実用的、実践的に、どうするのか、と考えたときには、やや困った本でもある。

    コンセプト中心で、具体的なツールや取り組みのステップみたいな話しは、「それは組織の状態によって違うよね」という感じなので、初心者、実務者には、「そうはいっても。。。」な気持ちが残る。

    という「学習する組織」を日本の文脈に合わせつつ、実践にむけてどうするかという視点で、とても丁寧に、かつ直球で勝負したのがこの「入門」。

    「入門」というには、やや難しい感じもするが、センゲに比べれば、相当に分かり易いと思う。純粋な意味での「入門」は、同時期に出た「マンガでやさしくわかる学習する組織」のほうとして、こちらは「実践者のための入門」みたいな位置づけで考えた方がいいかな。

    内容的には、センゲの「学習する組織」をカバーしているのは勿論、「フィールドブック」や「U理論」の主要なポイントもおさえている。さらに、「行動探求」「アプリシエイティブ・インクワイアリー」など、「学習する組織」に関連の深いさまざまな手法にも言及しており、「学習する組織」ファミリー(?)全体がどういう位置関係なのかが分かり易い構成になっていると思う。

    また、章ごとに事例が紹介されており、エクササイズやツールの紹介もあって、まさに本を読みながら組織で「学習する」のに最適な構成になっていると思う。

    「入門」というレベルには収まらない深い洞察と日本の文脈における実践からの知恵がつまっており、さらっとした表現のなかにドキッとする文章もたくさん入っている。

    じっくりと味わいながら、できれば、グループで学習したい。

  • ピーター・センゲ『学習する組織』を元に、
    5つのディシプリンについて事例を交えながらわかりやすく説明しています。学習する組織は難解ですがこれなら何とか理解できそうです。

    『学習する組織』はあらすじを知ったから損することはありません。あとがきの方のp386から能力取得の段階、5つのディシプリンについてまとめてあるので、本当に初めての方はここから読むと良いと思います。

    事例について、問題と対策の方針を考えていくことが大まかな進行です。自分で読むのはもちろん、組織学習に実践的に導入することが効果的と思います。

  • 「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践
    著:小田 理一郎

    学習する組織は、新しい時代に求められる組織のかたちを、関係者たちが自分たちで見出していくためのプロセスと能力を提示する。対話、内省、振り返り、システム思考、ビジョン構築、Uプロセスなどの様々な学習プロセスがあり、こうしたプロセスを効果的に進めるために必要な学習能力が5つのディシプリンである。

    本書はそのディシプリンを根底として「学習する組織」について以下の9章により説明されている。
    ①学習する組織とは何か
    ②組織の学習能力
    ③自己マスタリー
    ④システム思考
    ⑤メンタル・モデル
    ⑥チーム学習
    ⑦共有ビジョン
    ⑧実践上の課題と対策
    ⑨組織の未来、リーダーシップの未来

    「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織である。言葉としてはスッと受け入れることができるものの、原著は自分にとって手も足も出なかった。

    本書は原著を軸として日本の組織・風土にアレンジして記されている。理解しながら読み進めることができるのは、平易に書かれているというよりは、日本の現状と日本のこれからを見据えた形で記されているからである。

    内容としては、盛沢山でどれから参考にするか、現状消化不良の状態ではあるものの、本質的な捉え方を参考として軸に据えていきたい。

    今迄自身がいかに当事者意識が希薄に組織に関わってきたかというのを痛感すると共に、短絡的・短期的にその問題と向き合ってきたかがわかる。

    短期で対応をすることはもちろん必要ではあるものの、並行して長期的対応を信念を持ってやっていくかが大切である。

    本音と建て前という概念を持ってしても、もちろんことを成し遂げる時に、聞こえが良い方は本音を大事にすることである。しかし、組織にはびこる風土や空気感から建て前も上手に最適化しながら活用することで本音を活かすことができ、持続的な組織にとってもプラスの風を送ることもできる。

    ただ、目の前の全体最適を求めるのではなく、中長期的な全体最適を考えて取り組む大局観を叶える動きも必要となる。

    学習する組織を構成するのはもちろん人。
    当たり前であるも自信も学習し続け、成長し続ける必要がある。ひとりよがりの自己成長・自己学習とならないように、本書を参考に積み上げていきたい。

  • ・『学習する組織』は正直読んでも分かりにくい。まずは『学習する組織』に目を通し、それなりに格闘したうえでよく分からないと思ったときに本書を読むと原書が言わんとしていることが良くわかる。

    ・原書をわかろうとするのではなく、概念としての「学習する組織」を理解するには本著を読むのが良い。5つのディシプリンとはどういうことなのかが本書のおかげでようやく分かってきた。

    ・事例が豊富で各ディシプリンの要点まとめが更に理解を助ける。

  • EQは、これを支える土台か。

  • 非営利組織の末端の部署の1スタッフである自分にはあまり参考にならなさそうであった

  • 学習する組織はかなりアカデミックと聞いたのでまずはこちらから読みました。官公庁やNGO団体、一般企業など幅広い組織学習の事例を取り込んでおり、イメージしやすい本でした。一定のレベルの会社でないと、実践するのはかなり大変そう。

  • 学習する組織をわかりやすく紹介してくれる本
    分厚い本よりは理解しやすいのではないかと思う

  • いいことはたくさん言っている気がしつつ、正直読みづらかった…入門書でこれだと原書はもっときついんだろうなと思った笑。自分なりにまとめると、大事なことは3つ。

    ひとつは、自分を理解すること。何のために生きているのか、そこに向かって正しく進めているのか、を問い続ける。

    ひとつは、複雑なことを複雑なまま理解すること。局所最適に陥ることを避け、全体最適を目指す。

    ひとつは、他者と協力すること。他者に対して自分がどんな偏見を持っているのかを認識し、それを脇に置く。加えて、共通のビジョンを持つ。

    ビジョンについて補足すると、ビジョンとは、道路の真ん中に自分の子どもが立っているとして、それを助けに行くときの衝動と同程度のものを喚起するもの。組織における共有されたビジョンとは、合言葉のようなものであって、それを合図に各自が自分の言葉で自分の役割を語れるもの。

  • センゲの「学習する組織」は邦訳でも500ページを超える大著なので、全体像をまず掴みたいと言う人にはこの本が良い。また、本書は「学習する組織」の理解に関連する、いくつかの学術的なコンセプトも取り上げられており、他の領域へのガイドの役割も果たしている。

  • ピーター・M・センゲ「学習する組織」とその「フィールドブック」、
    ドネラ・H・メドウズ「世界はシステムで動く」を既読にて、本書を閲覧。

    5つの「道(ディシプリン)」
    視座の転換
    学習とは「できる」ようになること、「わかる・知ってる」は不十分
    「集団」としての「意識」と「能力」
    第一章は著者の思想

    第二章も原書にない著者の引用
    「限定合理性」オバちゃんの判断、気づきがない状態により、
    企業の寿命は12.5年と短命
    深い学習サイクル・ダブルループ学習
    4レベル:1知識、2スキル、3立ち位置、4在り方

    第三章 自己マスタリー
    「個人ビジョン」と「現状認識」の両方を常に意識し続けることによって
    「クリエイティブ・テンション(創造的緊張)」の力が生まれる

    第四章 システム思考
    構造パターンを把握するモデル
     ・自己強化型ループ・バランス型ループ・バッファ(遅れ)
     ・レバレッジポイント

    第五章 メンタルモデル
    真髄は、自らの思考やコミュニケーションの「開放性(オープン化)」を保つこと
    推論のはしごをゆっくりと登り「主張」、ゆっくりと降り「探求」

    第六章 チーム学習
    アライメントを育てる
    アグリメント(合意)ではなく、アライメント(方向合わせ・協力体制)を育てて、
    全体として機能させる
    場の質、関係性の質を高める
    保留する、視座を転換する、手放す

    第七章 共有ビジョン
    「意味の共有化」
    レベル:命令⇒説得⇒テスト⇒相談⇒協創

    第八章 実践上の課題と対策
    著者オリジナル章
    課題:時間不足、支援不足、自身の関与への逡巡、言行不一致、恐れと
    不安、評価体制の見直し、改革者vs部外者、普及・浸透

    第九章 未来
    課題:組織の統治、組織の目的と戦略
    リーダーシップのかたち:Uプロセス

    理想的な組織像を構成しているメンバーのイメージは、セルフコーチングできるメンバーが揃っている解釈。
    NPO法人のリーダー像と重なる。NPO法人単体では学習する組織を具現化していても、NPO法人同士の協業はほとんど見られない。公的組織とNPO法人の組合せが多い認識。「学習する組織」同士は仲良くなれない? 宗派が異なる対立に似ている。

  • これまで私は、ある結果の失敗要因を一本の線で因果関係を辿り、課題特定をしていた。しかし、その課題を解決しても成果につながらないこともしばしばあった。それは、因果関係は一本の線で結べるようなシンプルなものではないからだ。相互に影響を及ぼす複雑なシステムで因果は表現できる。その構造を見出すシステム思考は、現場より上流の課題にフィットする。

  • 正直、評価の★がいくつかわからない。
    5つのディシプリン(道)としてまとめられているが、それから得られるものがあったりなかったり・・・

    有名な、組織の成功エンジン
     (場の質)→ 関係性の質→思考の質→行動の質→結果の質 → 戻る

  • ### 学習する組織

    ぜんっぜん集中できなかった。ビジネス書って全体的に話がふわっとしすぎて、面白く無くなってしまった感あるなあ。
    最近考えていることとして、実は1つの分野について、腰をすえて深く潜る時期を一定過ごした方が、多くのことについて抽象的に掴めるようになるのでは?という話。結局いかにチャンキング能力を高めていくか?が大事なのだとしたら、多くの情報量を一度に処理できるようになることで見える世界があるんじゃないかと、思っている。また、ふわっとした話。笑

    学習組織
    目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織。

    ここの意思決定とは別に、行動に対するFBがメンタルモデルに影響を与え、それが頭の中で前提となる方針を形作っている

  • 広く浅くフォローされており、入門書として、有益。早速、ワークショップしないと。

  • 336

    常に変化する環境下で成長する方法

  • 会社の課題本。『学習する組織』では難し過ぎるので、『「学習する組織」入門』を読ませるというところがイイ。実際、『学習する組織』は難解・大著で有名だが、こちらは必要なエッセンスを噛み砕いて説明しており、非常に読み易い。まあ、この手の自己啓発本は読むのはもうどうでもよくて、一つでもいいから実践してみろという話なのだが…。

  • 「入門」とあるけど、なかなか骨太。一回読んだだけでは分かったとは言えないし、誰かと話しながら理解を深めていきたいと思うトピックが詰まっている。
    学び成長し続ける組織になるために個人が考えるべきこと、チームとして取り組んでいくべきことの両方が書かれていて、その土台としてシステム思考の考え方が紹介されている。必要な知識が多岐に渡るので、これをベースにそれぞれの分野を学んで実践していきたいと思った。

  • <目次>
    第1章 学習する組織とは何か
    第2章 組織の学習能力 ― 学習サイクルと学習環境、そしてディシプリン
    第3章 自己マスタリー ― 自分の意識と能力を高め続ける
    第4章 システム思考 ― 全体像をとらえ、本質を見出す
    第5章 メンタル・モデル ― 前提を問い、認識を新たにする
    第6章 チーム学習 ― 場と関係性の質を高める
    第7章 共有ビジョン ―「どうありたいのか」に答える
    第8章 実践上の課題と対策
    第9章 組織の未来、リーダーシップの未来

    2018.01.10 企業間FCにて。

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著者プロフィール

チェンジ・エージェント代表取締役。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、経営者・リーダー研修、組織開発、CSR 経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL)ジャパン理事長、グローバルSoL 理事などを務め、「学習する組織」、システム思考、ダイアログなどの普及推進を図っている。著書に『「学習する組織」入門』(英治出版)、『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?』(東洋経済新報社)など。訳書、解説書にアダム・カヘン著『敵とのコラボレーション』『社会変革のシナリオ・プランニング』、ドネラ・H・メドウズ著『世界はシステムで動く』、ピーター・M・センゲ著『学習する組織』、ビル・トルバート著『行動探求』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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